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kanamoriさん
平均点: 5.89点 書評数: 2426件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.31 6点 名探偵もどき- 都筑道夫 2010/07/03 21:19
ある旦那がふとしたことから古今東西の名探偵になりきってしまうという連作短編集。
アイデアは面白いですが、事件そのものの解決が平凡。設定をうまく活かしきっていない感じです。

No.30 6点 くわえ煙草で死にたい- 都筑道夫 2010/07/03 21:05
私立探偵・西連寺剛シリーズのハードボイルド連作短編集。
出版社によって出す順序が異なるようですが、本書がシリーズ第1作です。
たしかに一人称形式で探偵の行動を追っていく構成ですが、本場のハードボイルドとは違うテイストを感じてしまいます。

No.29 6点 暗殺心- 都筑道夫 2010/07/03 20:54
架空の東洋の国を舞台にしたファンタジー色が強いアクション小説の連作短編集。
いわば「十二国記」の世界で、山風の忍法帖を読むテイストで、主人公格の刺客・鹿毛里に対峙する敵の技は忍法帖と非常にダブります。

No.28 7点 誘拐作戦- 都筑道夫 2010/07/03 20:38
長編ミステリの4作目。
過去3作は、いずれも叙述方法にユニークな工夫を凝らした作品でしたが、本書も二人の誘拐犯人が交互に犯行過程を綴っていく体裁をとっています。
軽妙なユーモアと先の読めないプロットで読者を煙に巻きながら、ラストでの反転がきれいに決まっています。

No.27 7点 猫の舌に釘をうて- 都筑道夫 2010/07/03 20:38
著者のミステリとしては第2作。
主人公・淡路瑛一(=作者がミステリ作家としてデビュー前に使っていたペンネーム)が、探偵=犯人=被害者の一人三役となる構成の妙が有名な作品で、本自体にも仕掛けがある前衛的ミステリ。
物語そのものは平凡ですが、発表年次を考えると、この先駆的アイデアはすばらしい。

No.26 6点 やぶにらみの時計- 都筑道夫 2010/07/03 20:38
著者が初めて書いた長編ミステリ。
泥酔して目覚めると周りから別人扱いされる主人公の自分探し、という設定自体はありふれていますが、全篇にわたって主人公の行動を二人称の「きみ」で押し通す語り口が洒落ている。
結末にサプライズを用意している訳でもなく、あくまでも軽妙なプロットを楽しむタイプのミステリ。

No.25 5点 退職刑事6- 都筑道夫 2010/06/28 18:35
安楽探偵もの連作シリーズの最後の作品集。
すでにシリーズの打ち止めを決めていたと思われますが、これまでのパターンを外した作品が散見されます。
退職刑事が現場を見に行き、息子の現職刑事の方が安楽椅子探偵をやったりですが、最後の作品「昔の顔」が一番のパターン外しですね。というか、これは掟破りでしょう。

No.24 4点 退職刑事5- 都筑道夫 2010/06/28 18:25
シリーズ第5弾の初出時タイトルは「退職刑事4」。
「健在なり」がシリーズに挿入されて、徳間と創元社でナンバリングがずれています。
このころの作品は、ロジック重視の姿勢が崩れてしまって、人間性などの観点からの「推測」に止まっているのは辛い。

No.23 5点 退職刑事4- 都筑道夫 2010/06/28 18:15
シリーズ第4弾の初出時タイトルは「退職刑事健在なり」。
番外編のような感じを受けるのは、謎自体があまり魅力をうけないのと、いずれも被害者などの事件関係者が残した謎の言葉を解き明かすというパターンが繰り返されているためか。

No.22 6点 退職刑事3- 都筑道夫 2010/06/28 18:08
安楽椅子探偵シリーズの第3弾。
この設定からマンネリは当初から作者も自覚的なものなので、読む方も心地よいマンネリ感に浸って読むのが正解です。
7編ともタイトルが「・・・死体」で統一されているのは海渡英祐の吉田警部補シリーズを連想してしまう。
「大魔術の死体」は珍しく正統派の不可能犯罪もので印象に残りました。

No.21 6点 退職刑事2- 都筑道夫 2010/06/28 17:56
シリーズ第2作の初出時タイトルは「四十分間の女」。
今作も現職刑事の息子が持ち込む7つの不可解な謎を安楽椅子で解いていきます。
「なめくじ長屋」(少なくとも初期の作品)は不可能犯罪を中心に据えたハウダニットの面白さで読ませますが、退職刑事シリーズは純正ホワイダニットという感じでしょうか。

No.20 7点 退職刑事1- 都筑道夫 2010/06/28 17:40
「なめくじ長屋」と並ぶ著者の看板シリーズ全6冊中の第1弾。
国内の安楽椅子探偵ものの代表格の連作ミステリで、ロジック重視の姿勢は「三番館」シリーズなどと比べても突出しています。
「かつての硬骨の刑事が、いまや恍惚の刑事」という繰返し使われるフレーズがなつかしい。
奇抜な謎の割に真相を全く覚えていないのは、推理のプロセスのみ楽しむ作品ゆえでしょうね。

No.19 7点 なめくじに聞いてみろ- 都筑道夫 2010/06/24 21:05
ユニークな長編アクション小説。「飢えた遺産」改題。
主人公の素人青年と12人の殺し屋とのバトルを描いているだけですが、この殺し屋たちが面白い。
亡き父親が通信教育で育成した殺し屋たちという設定で、主人公に残された血に飢えた負の遺産といったところ。彼らが使う殺しの道具が、トランプ、傘、マッチなど奇抜でバラエテイに富んでいるところは、山風の忍法帖を思わせました。

No.18 6点 未来警察殺人課- 都筑道夫 2010/06/22 20:16
作者の守備範囲は非常に広くて、ロジック重視の本格ミステリをはじめ、SF、ホラー、、ハードボイルド、アクション小説、時代小説など、あらゆるジャンルのエンタテイメント小説を書いています。
本書は、第二の地球を舞台にしたSFハードボイルドの連作短編集で、ロジックよりプロット重視ですが、各編ひねりを加えていて結末の意外性にも配慮したミステリの好短編集でした。

No.17 5点 さかしま砂絵- 都筑道夫 2010/06/14 22:26
なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第11弾。
まとまったシリーズ本としては最終巻となる本書も、本格ミステリとしてはあまり読みどころのない作品集でした。「退職刑事」もそうですが、シリーズものは作者自身が飽きてしまって目先を変えるため、本来のコンセプトを捨ててしまうパターンが多いですね。

No.16 4点 いなずま砂絵- 都筑道夫 2010/06/14 22:13
なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第10弾。
人間消失などの不可能興味でハウダニットもののミステリとして構築できる話もありますが、アイデア枯渇の感じが明確に覗われて残念な出来です。
前作に続いて、長屋のアウトロー仲間が容疑者となるパターンが続くのも気になるところ。

No.15 4点 ときめき砂絵- 都筑道夫 2010/06/14 22:01
なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第9弾。
マンネリを感じさせる作品が多いのですが、クリステイ某作を彷彿させる設定の「待乳山怪談」とか、下駄常視点で砂絵のセンセーの安楽椅子探偵もどきの「水見舞」などはまあまあかなと思います。

No.14 5点 おもしろ砂絵- 都筑道夫 2010/06/09 21:16
なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第8弾。
本格ミステリの趣向が益々弱くなっていて、長屋のアウトローたちの活躍もあまり見られません。
発端に不可解な謎を提示した作品もありますが、証言者が嘘をついていたりで、腰砕けの真相が目立ちました。

No.13 5点 まぼろし砂絵- 都筑道夫 2010/06/09 20:59
なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第7弾。
マンネリを嫌って趣向を変えた作品が目立つのですが、オカルト風の「熊坂長範」や「ばけもの寺」は本格ミステリから離れてしまっていて、本末転倒という感じです。
しかし、「人ごろし豆蔵」は初期の不可能興味を追求した作品に匹敵する読み応えのある密室殺人もので、編中のベストでしょう。

No.12 5点 かげろう砂絵- 都筑道夫 2010/06/09 20:40
なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第6弾。
プロットが既読感のある作品が散見されますが、首切断の動機が意外な「水中花」や、ありきたりながら江戸時代ならOKなアイテムを使ったトリックの「ぎやまん燈籠」は、まずまずの出来ではないかと思います。

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kanamoriさん
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