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kanamoriさん
平均点: 5.89点 書評数: 2460件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.360 7点 なぎら☆ツイスター- 戸梶圭太 2010/05/23 21:40
スラップスティック・ノワール小説。
東京ヤクザが紛失した大金を求めてド田舎で大騒動を巻き起こします。
とにかく役者が揃ってるというか、地元ヤクザ、暴走族のヤンキー、リストラ親父などのキャラが立ちまくりで、武闘戦&頭脳戦がスピード感あふれる筆致で繰り広げられる。
ハップ&レナードシリーズの日本版という感じで、発禁本扱い一歩手前の問題作(笑)。

No.359 5点 秘密パーティ- 佐野洋 2010/05/23 21:12
小料理屋の一室で開かれた秘密パーティでの毒殺事件を扱った初期の長編ミステリ。
もみ消しを図る出席者たちに脅迫状が送られてきて・・・というプロットで、いつもながらスラスラ読めます。ある仕掛けによるどんでん返しを狙っていますが、現在どれだけの読者が騙されるか疑問です。

No.358 6点 銀杏坂- 松尾由美 2010/05/23 20:49
金沢がモデルと思われる北陸の架空の街を舞台にしたファンタジー色の強い連作ミステリ。
一人の刑事が幽霊や予知夢、サイコキネシスなど不思議な事件ばかりに遭遇します。なぜ彼が担当する事件ばかりがそうなのか、最終話でその謎が解けますが、不思議な余韻を残す終わり方が秀逸だと思いました。

No.357 6点 朱夏- 今野敏 2010/05/23 20:32
警視庁強行班の樋口警部補シリーズ第2弾。
今回は樋口の妻の誘拐事件が主題ですが、ミステリとしての落とし所はいたって平凡です。
この地味な警察小説シリーズの読みどころは主人公・樋口の人物造形かもしれません。上司や部下からは信頼されていながら自分に自信が持てない男という設定です。キャラとしては隠蔽捜査の竜崎と比べても等身大で、ときどき出てくる若者に対する説教くさい主張もオジサン読者の共感を呼びそうです。荻窪署の氏家との交情も定番ながら巧い演出だと思います。
警察キャラクター小説として、隠蔽捜査でブレイクする前段階の小説といったところでしょうか。

No.356 4点 少年たちの四季- 我孫子武丸 2010/05/23 18:59
ジュヴナイル連作短編集。
夜中に引っ越してきた謎の男性と少年・少女が関わる事件が4編収録されていますが、著者はあまりこういったタイプの小説は得意ではないようです。
ジュヴナイル特有の瑞々しさが感じられませんし、ミステリの趣向としても平凡で、読みどころが見当たりませんでした。

No.355 4点 卑弥呼伝説- 井沢元彦 2010/05/23 18:41
「マダム・ロスタンの伝言」のトレジャーハンター・永源寺峻シリーズの歴史ミステリ長編。
邪馬台国テーマと現代の密室殺人を絡ませていますが、古代史の謎解き、現代の密室トリックともにあまりぱっとしません。
手垢のついたテーマだけに、なにか斬新な発想を求めるのも酷というものかもしれませんが。

No.354 6点 密室球場- 伴野朗 2010/05/23 18:08
初期のミステリ短編集。
中国などを舞台にした謀略冒険ミステリ系の作品が多い著者ですが、この短編集はバラエテイに富んでいます。
緩めの不可能トリックもの「密室球場」、安楽椅子歴史ミステリ「毛沢東-七月の二十日間」、国際謀略ミステリ「兵士像の涙」、地方記者もの「顔写真」、社会派クライムミステリ「やねこい奴」など。私的ベストは、結末に捻りのある「兵士像の涙」。

No.353 6点 花の復讐- 日下圭介 2010/05/23 17:50
ミステリ第1短編集で、「黒い葬列」「雲雀はなぜ殺された」「花の復讐」「あじさいが知っている」「朝に散る」「蜂と手まり」の6編が収録されています。
ほとんどが、動植物の特殊な習性が隠された犯罪を暴くというパターンをとっていますが、読んで飽きません。ともに短編の名手と言われた石沢英太郎に似たテイストを感じました。

No.352 7点 下水道- 角田喜久雄 2010/05/23 16:37
戦前に発表されたミステリ短編集。
怪奇・幻想もの、ユーモアものから本格編まで多彩な作品が揃っていて楽しめました。
特筆すべきは、文章が洗練されていて非常に読みやすいということ。元本が昭和11年の初版とはとても思えない。
編中の私的ベストは、世評的にも傑作と言われている「発狂」。圧倒的迫力でミステリ的趣向も凝らされています。準ベストは表題作の「下水道」でしょうか。

No.351 6点 天城一の密室犯罪学教程- 天城一 2010/05/23 16:18
古い密室ミステリのアンソロジーには必ずと言っていいほど登場する著者の短編選集の第1巻。
クセのある文体と極端に省略の多いプロットで、よほどの本格マニアでないと読むのに苦痛を感じると思います。
収録作のなかでは、シリーズ探偵の一人・摩耶ものが優れているように思いますが、それらはほとんど以前アンソロジーで読んだものばかりでした。
個人的ベストは「高天原の犯罪」で、宗教儀式とチェスタトン的密室トリックが巧く結びついています。

No.350 4点 青の殺人- エラリイ・クイーン 2010/05/23 15:48
通俗ハードボイルド風の犯人当て長編ミステリ。
失踪した謎の映画監督とそれを追求する映画プロデューサー殺しがメインのプロットですが、伏線があからさまで映画監督の正体がミエミエな所など、あまり上質なフーダニットではありません。
クイーン名義で出版されていますが、そのテイストは全く感じられませんでした。

No.349 4点 コンピューター404の殺人- エドワード・D・ホック 2010/05/23 15:34
近未来の高度情報社会を背景にしたコンピューター検察局シリーズ第2弾。
大統領選挙集票マシンへの陰謀犯と反コンピューター過激派組織との三つ巴戦に殺人が絡む通俗ミステリですが、SF設定がほとんど活かされていない点とプロットに捻りがないのが不満。

No.348 6点 大鴉殺人事件- エドワード・D・ホック 2010/05/23 15:21
ホックの長編ミステリ・デビュー作。
アメリカ探偵作家クラブのパーティでの殺人を扱っていて、多くのミステリ作家が実名で出てくるのが楽しい。被害者が陶器の大鴉像を粉砕してダイイングメッセージを提示するが、、探偵役がエラリー・クイーン(F・ダネイ)に解釈のアドバイスを仰ぐ所はニヤリとさせてくれます。
プロットはやや通俗的ですが、犯人当てミステリとしてまずまずの佳作だと思います。

No.347 6点 サム・ホーソーンの事件簿Ⅵ- エドワード・D・ホック 2010/05/22 17:58
本格パズラー短編集の最終第6弾。
サム医師の昔語りも最終章を迎える。戦争の影が濃く、プライベートでも大きな出来事がある今作です。
さすがにこの時期の作品は、トリックの趣向として優れたものはありませんが、「自殺者が好む別荘の謎」などは、ある趣向がニヤリとさせてくれる印象に残る作品でした。
シリーズ全作を通して言うと、人物造形や物語性などはともかくとして、これだけ不可能トリックにこだわった短編集は稀有で、その創作姿勢を高く評価したいと思います。

No.346 6点 サム・ホーソーンの事件簿Ⅴ- エドワード・D・ホック 2010/05/22 17:43
本格パズラー短編集の第5弾。
看護婦のエイプリルが復帰し、女性獣医アナベルが登場して重要な役割を果たします。
各編トリックは分かりやすいものが多い様に感じましたが、「奇蹟を起こす水瓶の謎」の毒殺トリックがまずまずでしょうか。
ボーナス・トラックは「レオポルド警部の密室」ですが、同シリーズの他の未訳作品にしてほしかった。

No.345 7点 サム・ホーソーンの事件簿Ⅳ- エドワード・D・ホック 2010/05/22 17:33
本格パズラー短編集の第4弾。
看護婦のエイプリルに変わって一時的にメリー・ベストが登場します。
収録作では、「革服の男の謎」が抜群の私的ベスト。サム医師が知り合った男が突然消失し、目撃者である町の人々全員がその存在を否定するという不可思議性が非常に魅力的。ほかでは、「要塞と化した農家の謎」が久々の密室トリックものの秀作でした。
今作には、西部探偵ベン・スノウものが2作収録されているのも嬉しい。サム医師との共演「呪われたティビーの謎」と「フロンティア・ストリート」が読めたのは収穫。

No.344 6点 サム・ホーソーンの事件簿Ⅲ- エドワード・D・ホック 2010/05/22 17:15
本格パズラー短編集の第3弾。
ガチガチの本格ミステリを12編続けて読むと、さすがに疲れます。独創的トリックがそうそう案出できる訳もありませんので、過去のヴァリエーションになりますが、既読感を覚えるものもありました。
なかでは、「干し草に埋もれた死体の謎」が伏線の巧妙さで編中のベストでしょうか。
ボーナス・トラックは非シリーズもの「ナイルの猫」。これは動機が意表をつくホワイダニットの秀作でした。

No.343 7点 サム・ホーソーンの事件簿Ⅱ- エドワード・D・ホック 2010/05/22 17:02
本格パズラー短編集の第2弾。
今作も不可能トリックがてんこもりです。個人的ベストは、レンズ保安官の結婚式会場の密室殺人を扱った「八角形の部屋の謎」です。この作品は全体のプロットにも面白い仕掛けがあり楽しめました。
ボーナス・トラックはレオポルド警部ものの「長方形の部屋」で、これはホワイダニットの傑作です。

No.342 8点 サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ- エドワード・D・ホック 2010/05/22 16:48
隠退したホーソーン医師が、過去に携わった事件を訪問客を相手に回想する形態をとっていて、シリーズほとんどが不可能犯罪を扱っている非常にパズラー志向の高い短編集です。
第1話の「有蓋橋の謎」はあちこちのアンソロジーに収録されていて、最初に読んだ当シリーズの短編なので思い入れが強い作品です。ほかでは、「十六号独房の謎」がフットレルの名作に挑戦した脱出トリックもの、「古い樫の木の謎」は空中スタントマン飛行士の不可能殺人で印象に残りました。
ボーナス・トラックの非シリーズもの「長い墜落」も秀作です。

No.341 5点 ミステリー歳時記- 評論・エッセイ 2010/05/22 16:13
海外ミステリガイド風のエッセイ集。著者は小泉喜美子。
1980年代初めの翻訳ミステリを毎月数冊紹介していて、新刊を評論する中で、チャンドラーやウールリッチへの敬愛ぶりが随所に覗えます。
本格ミステリぎらいで知られる著者ですが、S=A・ステーマンなどは評価していて、要するに魅力的な謎、洒落た会話、独創的なプロットなどがあれば、本格であろうが、ハードボイルドであろうが関係ないというスタンスの様です。ダメな本格としてヤリ玉に挙がっているのは、ジャックマール&セネカル「11人目の小さなインデアン」で、なんとなく分かります。
著者が翻訳したP・D・ジェイムスの初期作3冊についても触れられていますが、プロット上の気に食わない所はダメだししている点は好感が持てます。

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