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文生さん
平均点: 5.88点 書評数: 415件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.11 5点 白と黒- 横溝正史 2021/09/27 20:58
社会派ミステリ全盛の時代に発表された作品で、その影響か舞台は古い因習が残る田舎の農村でも大富豪の屋敷でもなく、集合団地という金田一シリーズとしてはかなり珍しい作品になっています。

そうした現代的な舞台でコールタール漬けの死体が発見されたり、どんぐりころころの歌詞になぞらえた童謡殺人が起きたりするのはそれはそれで目新しい感じがして悪くありません。

ただ、話が長い割に著者の代表作と比べると盛り上がりに欠け、ミステリーとしても特筆すべき点がないので満足度は低め。

No.10 6点 真珠郎- 横溝正史 2021/08/30 11:45
顔のない死体ものの新機軸に挑戦した意欲作ですが、いまとなってはさほど驚くような仕掛けではありません。それでもよく考えられていることには違いありませんし、著者ならではのおどろおどろしい物語は読み応えありです。やはり、戦前の横溝正史を代表する作品というだけのことはあります。

No.9 4点 三つ首塔- 横溝正史 2020/08/16 17:08
八つ墓村同様、冒険譚メインのミステリー
中学生の時に読んでそこそこ退屈せずには読めたものの
エロチックなシーン以外は印象に残らない作品でした

No.8 3点 病院坂の首縊りの家- 横溝正史 2017/11/08 09:23
上下巻の大作であり、20年間に及ぶ難事件を扱っているがこれがあまり面白くない。とにかく登場人物がやたら多くていたずらに混乱を招いている上に、事件もスケールが大きそうだった割に特に面白みを感じることもなく終焉をむかえていくので肩透かし感が半端ないのだ。何より自著の過去作で用いたトリックをそのまま使い回しているのがいただけない。これが金田一耕助最後の事件だというのは残念だが、思えば名探偵の最後の事件というのはどれもこんなもんだよなあという気もする。

No.7 7点 蝶々殺人事件- 横溝正史 2017/11/06 14:05
読者への挑戦状を挿入するなど金田一シリーズよりもパズラーに特化した作品です。時刻表を駆使したトリックが用いられているという点でも横溝作品としては貴重。第2の殺人のトリックもユニークで本格好きにはおすすの作品です。

No.6 5点 悪魔が来りて笛を吹く- 横溝正史 2017/11/06 13:40
岡山を始めとする地方ものに名作が多い金田一シリーズにおいて東京ものの最高傑作という位置付けの作品。確かに、本作は没落貴族の悲哀をメインに12人を毒殺したことで有名な帝銀事件を絡ませ、作者のストーリーテリングぶりが存分に発揮された力作に仕上がっている。しかし、物語の充実ぶりに対してミステリーの骨格は案外貧弱でどうしても物足りなさが残ってしまう。密室トリックなども全く面白みに欠け、無理に組み込む必要はなかったのではないだろうか。

No.5 7点 獄門島- 横溝正史 2012/04/10 01:11
本格ミステリとしての様々な仕掛けが魅力的である一方で指摘のある通り動機や見立て殺人の必然性には甘さを感じ、東西ミステリーベスト100の第1位は過大評価の感が強い。
とは言え、決して駄作というわけではなく、戦後復興期のミステリの中でも上位に位置する傑作であることは確かである。

No.4 4点 女王蜂- 横溝正史 2010/01/23 14:28
密室殺人をはじめとして色々本格要素を詰め込んだ作品だけど、当時としても使い古されたアイデアばかりで、使いか方にもさして工夫がないのでいまひとつ面白さを感じない。

No.3 4点 八つ墓村- 横溝正史 2010/01/21 13:24
冒険譚としての評価が高いですが、私はこれを金田一の推理ものとして読んだので失望感が大きかった。
海外の有名作品を劣化再生させた動機の謎は新味のかけらもないし、何より金田一の「私は最初から犯人を知ってたんですよ」という台詞はあんまりだ。
8人も殺されたのに・・・。
冒険譚をメインにするならば中途半端な本格要素は削った方がよかったのではないだろうか。

No.2 3点 悪霊島- 横溝正史 2010/01/20 18:35
作者最晩年の作品。
独特の怪奇趣味は健在だが、上下巻の大作としてはミステリー的興味があまりに希薄。

No.1 5点 犬神家の一族- 横溝正史 2010/01/20 14:06
映画で有名になって、また名家の悲劇を描いた大作でけっしてつまらない作品ではないのですが、本格ミステリーとしてみた場合は特に新味のない普通の作品です。

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文生さん
ひとこと
本格脳なので本格度が高いほど評価も高くなります。ただし、本格好きと言ってもフェアプレーなどはどうでもよい派なのでロジックだけの作品は評価が低めです。トリックやプロットを重視した採点となっています。
好きな作家
ジョン・ディクスン・カー、土屋隆夫、竹本健治、山田正紀
採点傾向
平均点: 5.88点   採点数: 415件
採点の多い作家(TOP10)
ジョン・ディクスン・カー(18)
アガサ・クリスティー(17)
横溝正史(11)
エラリイ・クイーン(11)
カーター・ディクスン(11)
森村誠一(9)
竹本健治(9)
東野圭吾(9)
土屋隆夫(8)
法月綸太郎(8)