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皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

文生さん
平均点: 5.88点 書評数: 419件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.8 6点 盲目の鴉- 土屋隆夫 2023/07/17 10:01
過去作と比べるとミステリーとしては小粒な点は否めないところ。アリバイトリックはちょっとユニークですが、どちらかというと短編向きで、それだけではもの足りなさを覚えてしまいます。その代わり、田中光二を始めとした純文学作家の蘊蓄を交え、抒情性豊かに描かれた物語には引き込まれました。

No.7 5点 妻に捧げる犯罪- 土屋隆夫 2023/07/14 08:06
いつもの本格長編とは趣向を変えたサスペンスよりの作品です。悪戯電話が趣味の主人公が些細な手掛かりから電話先の相手を推理していくくだりはさすがの面白さ。しかし、全体的にはミステリー色が薄味で読み終わったあとはもの足りなさを覚えました。

No.6 8点 赤の組曲- 土屋隆夫 2023/07/13 11:10
比較的地味な事件ながら、文学性の高さと次第に混迷を深めていく展開にはそこはかとない幻想味が感じられ、引き込まれました。五里霧中のなか、一つの閃きがきっかけとなって一気に謎が解けていく構成も見事です。大胆なトリックと二重三重に張り巡らされたミスディレクションの妙が堪能できる名品。

No.5 7点 天国は遠すぎる- 土屋隆夫 2023/07/10 20:22
多くの指摘があるとおり、人を自殺に誘う流行歌という魅力的なガジェットが雰囲気作り以上の役割を果たしていないのが大きな弱点。著者の代表作である次作『危険な童話』と比べると完成度という点ではどうしても見劣りがしてしまいます。それでも昭和型のアリバイ崩しものとしてはかなりの面白さです。トリックが良いですし、コンパクトにまとまっているのも好印象。

No.4 8点 針の誘い- 土屋隆夫 2017/11/04 20:14
赤ん坊誘拐事件と身代金受け渡し時に起きた殺人事件の謎を追う本格ミステリ。
独創的なトリックなどはありませんが、細かい仕掛けの積み重ねが実に効果的に作用しており、作者の円熟味を感じさせる傑作です。独特の抒情性を感じさせる「危険な童話」もよいが、謎解きの完成度の点から言えば本作が土屋隆生の最高傑作だと言えるでしょう。

No.3 6点 影の告発- 土屋隆夫 2015/10/20 10:12
初読の時は「トリックよし、プロットよし」で危険な童話に並ぶ傑作と思っていましたが、その後、海外の過去作でトリックのまったく同じ作品を見つけたために印象が薄くなってしまいました。

No.2 5点 天狗の面- 土屋隆夫 2015/10/20 10:08
ちょっと横溝作品っぽい雰囲気がある手堅い本格ミステリだが、これといって特筆すべき点もない。
土屋隆夫がまだスタイルを確立できていな時代の習作という感じ。

No.1 8点 危険な童話- 土屋隆夫 2012/04/10 01:23
社会派ミステリのような刑事の地道な捜査とそれとコントラストを成すように挿入される幻想的な童話。
これがやがてひとつに繋がり、謎が解ける瞬間がこの作品の白眉。
犯人の仕掛けたトリックについてはさほど見るべき点はないが、本格ミステリとしての構成の美しさにはため息がでる。

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文生さん
ひとこと
本格脳なので本格度が高いほど評価も高くなります。ただし、本格好きと言ってもフェアプレーなどはどうでもよい派なのでロジックだけの作品は評価が低めです。トリックやプロットを重視した採点となっています。
好きな作家
ジョン・ディクスン・カー、土屋隆夫、竹本健治、山田正紀
採点傾向
平均点: 5.88点   採点数: 419件
採点の多い作家(TOP10)
ジョン・ディクスン・カー(18)
アガサ・クリスティー(17)
カーター・ディクスン(11)
横溝正史(11)
エラリイ・クイーン(11)
西尾維新(10)
森村誠一(9)
竹本健治(9)
東野圭吾(9)
米澤穂信(8)