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まさむねさん
平均点: 5.87点 書評数: 1246件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.126 7点 殺人方程式- 綾辻行人 2011/01/10 19:58
まさに,教科書的な本格モノ。
トリック&死体切断理由はかなり前の段階で察しがついたが,恥ずかしながら,犯人には驚かされた。
といっても,単に「驚き」のみを追求した作品ではなく,理論的な犯人当てが可能。純粋に楽しめました。
エピローグ読んだ後に,今一度プロローグ読み返したくなる辺りも大好物。
すごく目立つ作品ではないものの,良作だと思います。

No.125 5点 嘘をもうひとつだけ- 東野圭吾 2011/01/09 22:58
加賀恭一郎シリーズの連作短編集。
「これは!」と膝を打つ作品もありませんが,「これは…」と首をかしげたくなる作品もない。
つまりは全作品が水準以上ということで,素晴らしい安定感ですね。
個人的には,「狂った計算」が一番良かったかなぁ…と。

ちなみに,どの短編も「夫婦」ってのがある種キーワードになってますね。
「赤い指」や「新参者」にうまいことつながってますなぁ。

No.124 6点 片眼の猿- 道尾秀介 2011/01/08 16:39
終盤にいくつかの真相が明らかになる訳ですが,いずれも氏の他作品に比べれば小粒ですね。真犯人については,完全に想定内ですし。
でも,優しさには溢れている。決して「やーい騙された」とはならない深さもある。
ハードボイルド調もうまいことハマってると思いますが。
これ以降の氏の作品の指向性を見ると,この作品がひとつの分岐点になったような気がします。

No.123 5点 特急「白鳥」十四時間- 西村京太郎 2011/01/06 23:27
【東北新幹線青森延伸記念(その2)】
 これまた,20数年ぶりにナナメ読み。
 当時は大阪と青森を結ぶ昼間長距離特急だった「白鳥」も,今となっては完全に青函連絡特急の位置づけに。よって,今は14時間も走らない訳ですね。時代を感じますねぇ。
 で,この作品。サスペンスとして読めば,結構悪くないですよ。
 新幹線が函館まで延伸されると,この「白鳥」って名前もどうなることやら。その意味では,ここ数年が読みドキか(笑)?

No.122 5点 終着駅殺人事件- 西村京太郎 2011/01/06 23:23
【東北新幹線青森延伸記念(その1)】
 20数年ぶりにナナメ読み。
 新幹線開業によって,青森の玄関口は「新青森駅」になっちゃうのでしょうか。
 で,この作品。日本推理作家協会賞作品だったんですね。
 ちなみに,アリバイトリックは相当にユルイです。トリックというよりも,何と言うか雰囲気(詳しくは亀井刑事にでも…)を楽しむべき作品かもしれません。
 新幹線開業によって,この“雰囲気”を理解できる方も激減するはず。むしろ今が読みドキか(笑)。

No.121 5点 ミステリー列車が消えた- 西村京太郎 2011/01/06 20:17
 先日,島田氏の「消えた水晶特急」を読んだので,列車消失繋がりで20数年ぶりにこの作品をナナメ読み。
 同じ列車消失モノでも,個人的にはこっちの方が好みですね。
(以下,微妙にネタバレ)
 当時から「現実の管理体制では絶対ムリ」との批判があったと記憶しておりますが,平成23年初頭にして「ああ,もうこの駅はないんだぁ。その意味では絶対ムリになっちゃったんだぁ」ってことに気付き(今頃?),いろんな意味で哀愁を感じることができたことが収穫。

No.120 4点 消える「水晶特急」- 島田荘司 2011/01/06 20:11
 列車消失トリックはバレバレでしたね。巻頭の地図にはちょっと興ざめですね。
 ちなみに,乗っ取り犯が結構かわいそう。最後まで引っ張っておいて,そっちの疑惑がノータッチでは…ねぇ。完全に当て馬(?)じゃないですか。
 女性同士の友情なんかよりも,このことの方が引っかかってしまって…。総合的にこの点数でしょうか。

No.119 5点 なぎなた- 倉知淳 2011/01/03 21:02
「こめぐら」と同時刊行の短編集。
個人的には,こちらの方が出来の良い作品が多いような気がします。
「闇ニ笑フ」は,確かに道尾氏の某短編のネタと被ってますね。そうですか。こっちが先だったのですか・・・

No.118 5点 こめぐら- 倉知淳 2011/01/03 20:17
「なぎなた」と同時刊行の短編集。
同じ短編集でも,こちらは,バカミス度の高い作品が揃ってます。
で,多分バカミスを読みたい気分ではなかったんでしょうねぇ(じゃあ読むなよって自分で突っ込みたくなるけど),ビビッとくる作品はなかったですねぇ。
あっ!あとがきは結構良かったですよ。
悪くはない短編集なんでしょうけどね。

No.117 10点 人形はなぜ殺される- 高木彬光 2010/12/26 10:53
これはすごい。なぜ今の今まで読んでなかったんだろう。
読む動機付けを与えてくれたこのサイトに感謝いたします。

純粋に犯人当てやトリック証しを堪能できました。
タイトルを含め,材料の見せ方が抜群です。
今だったら,もっとヒントを絞って,「驚き」に力点を置く作家もいそうですが,それをやらずに純粋に楽しませてくれます。
いつもは漫然なる読書を続けている自分ですら,この作品は相当念入りに読み進めざるを得ませんでした。
個人的にはめったにないことだけど,トリックや犯人の予想がピタリ賞。ちょっと嬉しい。(その後の類似プロット作品を読んでるからだろうケド…)

でも,第2幕のメイントリック。年代によっては「えっ?」だろうなぁ…。今は物理的に無理だろうしなぁ。
アラフォー世代がギリギリでしょうかねぇ。(私の生まれ育った地方では,小学校くらいまでは,一部のヤツが「それ」だったんですよねぇ。)

ちなみに,近年は年度内ミステリランキングが花盛りですが(ちなみに個人的には大好き),うち何作品が,この作品のように,半世紀を超えて読み継がれる作品となるのだろう。
そう考えても,この作品は素晴らしい!

No.116 7点 暗いところで待ち合わせ- 乙一 2010/12/23 11:56
ミステリとして見れば、ちょっと弱いですね。
「事件の顛末」は序盤で容易に想像できましたし。
しかし、だからと言って途中で読み止めようとは思いませんでした。その点は素晴らしい。
決して仰々しくない、静かな感動を与えてくれますね。
二人を(多分敢えて)淡々と描いたあたりにセンスを感じます。
まぁ、ミステリ性は置いておこうか・・・と単純に納得させられました。
個人的に乙一作品は肌に合わないモノも多いですが、この作品はかなり好印象。

No.115 5点 温かな手- 石持浅海 2010/12/21 22:53
「人間の生命エネルギーを吸収して生きている生命体」のギンちゃんとムーちゃんとそれぞれの同居人が主役の短編ミステリ集。
って紹介されても、なんじゃそりゃって感じですよね。
私も、当初はなんだかな~と眉唾だったんですが、まあ読み始めれば、妙な設定についてそんなには気にならなかったですね。その辺りは作者の力量なのでしょうか。非常に読みやすいですしね。
でも、謎解き自体はイマイチというか、無理くり感が強い。
総合的にこの点数かな。

No.114 6点 地下鉄に乗って- 浅田次郎 2010/12/19 18:27
ミステリかと問われると,弱いんですが…
まぁ,その要素が皆無とも言いがたいので,お許しください。

この作品,「息子」って立場を経験したことがある方にとっては,多少なりともグッとくるのではないかなぁ。
で,「娘」や「妻」って立場を経験したことがある方にとっても,結構グッとくるのではないかなぁ。(共感するか否かは別として。)
そして何より,銀座線に無性に乗りたくなるんじゃないかなぁ。

純粋なミステリではないので,この点数くらいになっちゃいますけど,小説としてはすこぶる良質と思いますね。

No.113 3点 まほろ市の殺人 冬- 有栖川有栖 2010/12/18 09:06
 皆さんの評価が低いことはこのサイトで知っていたのですが,順に読み進めてきた「まほろ市シリーズ」で「冬」のみを未読とする訳にもいかず,思い切って読んでみました。
 確かに,オチは如何なものでしょうかね。ちょっと痛い。「痛快」って意味じゃないですよ。
 でも,このサイトの評価の低さと題名から,個人的には,さらなる「グズオチ」を想像していたので,思ったよりダメージは少なかった(笑)。
 評価の低さは,臣さんのおっしゃるとおり,有栖川氏への期待の大きさの裏返しのような気もします。

で,この「まほろ市シリーズ」の全体評価。
読む価値アリなのは「夏」。
時間に余裕があれば読んでみてもよいのが「秋」。
その他の季節は…うーん…(以下略)

No.112 5点 まほろ市の殺人 秋- 麻耶雄嵩 2010/12/17 22:25
短い中で,うまいこと詰め込みましたよねぇ。
怪盗まで引っ張り出してますしね。
不満もない代わりに,特筆すべき「コレ」って印象もなかったですね。個人的には,こういう“平均感”って嫌いではないですが。

No.111 8点 まほろ市の殺人 夏- 我孫子武丸 2010/12/14 22:50
これは相当に良質の中編。素晴らしい。
もっと長くても…という希望も正直ありますが,これくらいの長さだからこそサクッと騙されたような気がします。(まあ,騙されやすい…というか騙されたい読者ではありますが。)
この長さでの,後半のタタミ掛け具合や切なさの醸し出し具合は,ホントに賞賛に値します。やっぱり,この作者は「この種」の作品で輝くなぁ。
コストパフォーマンスも高いし,どんどん人に薦めたくなる作品ですね。

No.110 4点 まほろ市の殺人 春- 倉知淳 2010/12/13 22:46
いや,サラサラ読めたし,決して楽しめなかった訳ではないのです。最低限のポイントは押さえてますしね。
でもなぁ…相当に微妙なトリックですよねぇ。ちょっと力が抜ける感じですよねぇ…ということで,この点数。

No.109 6点 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁- 島田荘司 2010/12/11 15:05
終盤の捻り具合など,島荘らしさを感じる点もありますが,
「良質ではあるが典型的なトラベル・ミステリー」あたりが率直な印象。
グイグイ引き込まれる面白さの一方で「やっぱり実際に刑事が列車に乗っちゃうんだ…」みたいな突っ込みどころも…。
総合的にこの点数かな。

No.108 4点 ミステリアス学園- 鯨統一郎 2010/12/06 21:45
皆様の書評のとおり,これはミステリ入門書として読むべきですね。
そう割り切れば,確かにためになったし,楽しめました。本格ミステリ度MAPなどは,なかなかの興味深さです。
しかし…最終章は如何なものでしょうか。苦痛に感じてしまったのは,私だけではないはず…。
この分,マイナスさせていただきます。

No.107 7点 ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!- 深水黎一郎 2010/12/05 11:21
なるほど。確かに「読者が犯人」を成立させましたね。
フェア・アンフェアを含め,結構な荒業を駆使していると思いますが,端麗な文章の影響もあるのか,不思議と不快感はなかったです。むしろ,叙述のうまさ,そして確かに「成立させた」ことに感動した次第。
好き・嫌いは別として一読の価値はあるかも。
しかし,このタイトルは酷い。センスの欠片も感じられない。もっと売れててもいいのになぁ。

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まさむねさん
ひとこと
ミステリとしての特別な知識なく乱読していますので、私の書評はあまりアテにしないでくださいね。
好きな作家
道尾秀介・東野圭吾・東川篤哉
採点傾向
平均点: 5.87点   採点数: 1246件
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