皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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まさむねさん |
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| 平均点: 5.89点 | 書評数: 1282件 |
| No.162 | 2点 | 夏の夜会- 西澤保彦 | 2011/04/23 08:35 |
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| 期待はずれ。
そもそも「記憶の曖昧性をネタにしてます」って表明してるのですから,記憶の喚起によるどんでん返しが続出しても,はぁそうですか,随分引っ張りますねぇくらいの印象しか持てませんでした。惰性というか,むしろ「早く終わんないかなぁ」と思いつつ読んでましたよ。だって,真相をすごーく回りくどく説明していったに過ぎないんだもん。盛り上がりにも乏しいし,正直つまらない。 登場人物の会話メインで進んでいくのも,苗字が読みづらいのもかなり面倒です。それと,みんな記憶なくしすぎだってば。 |
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| No.161 | 5点 | ソロモンの犬- 道尾秀介 | 2011/04/22 21:22 |
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| 氏にしては珍しく(?),ちょっと笑えるシーンも挟み込んでいて,サラサラと読むことができました。ページをめくらせる手腕は相変わらず素晴らしいです。登場人物も魅力的だったし,読後感も悪くないですね。
でもなぁ・・・ちょっとズルすぎたかなぁ。結局は○○オチの派生版ですしねぇ。「欺瞞のための欺瞞」って感じで,ミステリの側面で見れば,ちょっと落ちるかも。 ちなみに,多分確信犯でしょうが,某売れっ子作家を意識したタッチにしてますよねぇ。まぁそういう遊び心は嫌いじゃないですけど。 総合的にこの点数で。 |
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| No.160 | 4点 | ガール- 奥田英朗 | 2011/04/18 21:15 |
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| 30代女性達の心の葛藤を描いた短編集。「心の葛藤」なんて書いちゃうと重苦しい印象を受けるかもしれませんが,タッチはきわめて軽やか。
男性の目で見ると,30代女性たちの「あるある話」的でなかなか楽しめましたよ。 で,女性の目から見たらどうなのでしょう。「そうそう!分かる!」って感じなのか,はたまた「結局は30代女性をオトコ目線で捉えた作品ね」って感じなのか。その割合の方にむしろ興味あるなぁ。 ちなみに,ミステリーではないです。ラストの意外性とかも期待してはダメです。その辺りを踏まえた採点ですので,あしからず。 |
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| No.159 | 3点 | 探偵Xからの挑戦状!- アンソロジー(出版社編) | 2011/04/17 10:45 |
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| 携帯小説と番組を連動させたNHKのヒット企画。事前に「犯人当て小説」の問題編を視聴者に配信。視聴者は推理結果を投票。そして番組の中で真相がドラマ仕立てで明かされる。
「企画としては」面白いですよね。でも,個人的にはほとんど観る機会が無かったのです。 そんな中,Season3が間もなく放送開始との番宣を拝見し,遅ればせながら文庫化されてるSeason1を読んでみるか…って動機で手にしたのですが,う~ん…。 暇つぶしとして悪くない作品もあったけど,ヒドイ作品もある。酷さ以外には,何も心に残らないっす。 ドラマ化するとまた違うものなのか?それとも,ドラマだと,皆期待レベルを下げるものなのか?Season3は観たほうがいいのか?うーん。悩ましてくれる。 |
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| No.158 | 7点 | 私が彼を殺した- 東野圭吾 | 2011/04/12 23:00 |
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| スピード感,終盤の捻りと緊迫感,犯人特定のロジック,全てにおいて前作「どちらかが彼女を殺した」を上回っている印象を受けました。
相当に楽しめましたねぇ。究極の読者挑戦モノ,第3作目はないのかなぁ。 【以下,ネタバレ的?】 犯人は確かにあの方しかあり得ず,その点の論理性には何ら異議はないです。ただなぁ…警察はソレの指紋調査をしているのだから,もっと早く真犯人にたどり着けたはずですよねぇ。重要視すべきは「とある指紋の存在」よりも「あるべき指紋の不存在」のはずだが…ってことで1点減点。 |
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| No.157 | 6点 | 怪しい人びと- 東野圭吾 | 2011/04/10 22:07 |
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| 目立ちはしない短編集かもしれませんが,非常に読みやすいし,プロットはしっかりしてるし,その点はさすが東野さんと言ってよいのではないでしょうか。
短編ごとに評価の上下はありますが,個人的には「甘いはずなのに」が良かったかな? |
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| No.156 | 7点 | 花嫁は二度眠る- 泡坂妻夫 | 2011/04/09 21:18 |
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| 芳しくない評価も多いようですが,私は好きです。
伏線もきっちり張られてますし,良質なフーダニット作品と言ってよいと思います。 犯人は,序盤に根拠レスで想像したとおりでしたが,後半の反転・再反転を含めて十分に楽しめました。 確かに,奇抜な謎やトリックがないため,地味な印象は拭えませんけど・・・。 |
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| No.155 | 6点 | 返事はいらない- 宮部みゆき | 2011/03/31 21:44 |
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| 今更ながらですが,彼女の短編は,巧いのみならず,非常に読み心地がよいです。
特にこの短編集は,温かく,爽やかな読後感の作品ばかり。 中でも「ドルネシアにようこそ」は秀逸。表題作と「言わずにおいて」も相当良です。 サラッと読みたい気持ちの方にお薦めします。 |
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| No.154 | 4点 | 確率2/2の死- 島田荘司 | 2011/03/26 21:36 |
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| 出だしには興味をそそられましたが,肝心の中身は正直物足りなかったですね。
謎のレベルはまぁ措いておくとしても,真相に対する合理的なヒントってあったのかなぁ? それと…これはミステリ読みにとって禁句なのでしょうが,平成の今となっては「白いバンの謎」の必要性が…。 |
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| No.153 | 6点 | イン・ザ・プール- 奥田英朗 | 2011/03/26 21:32 |
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| 評判どおり,面白かったです。
伊良部センセは勿論のこと,登場人物のキャラ立ちが凄い。 「コンパニオン」&「フレンズ」系の患者はホントにいそうだし,「いてもたっても」などを読むと,自分にもやや思い当たる節が…(病的ではないですよ。多分…) 患者の狂い具合に辟易するあたりで前向きな展開に…っていう“さじ加減”も好みですね。ミステリでないだけに,このサイトでの採点は難しいですけど…。 |
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| No.152 | 5点 | 眼球綺譚- 綾辻行人 | 2011/03/23 23:15 |
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| 皆様お久しぶりです。
私事ですが,この度の震災では,本当に様々な経験をさせていただきました。自分としては多少落ち着きを取り戻しつつありますが,家族を失われた方,未だ難儀な生活を余儀なくされている方々を思うと,泣きたくなります。 とにかく皆で踏ん張っていこうとしか言い様がありません。ミステリ好きな被災者の方が,また存分に読書できるよう,その心の余裕が生まれるよう,仕事上私も微力ではありますが,尽力したいと思っております。 前置きが長くなってしまいました。短編ごとにヒトコト書評を。 「再生」:ホラーらしいホラー。 「呼子池の魚」:ラストの意外性は,ある意味でナンバー1かも。 「特別料理」:喜劇としても読めそうですが,ラスト1文が秀逸。怖い。 「バースデイ・プレゼント」:最もサイコ色が強いか。 「鉄橋」:典型的な展開ですが,それが逆に良い。 「人形」:深いなぁ。 「眼球綺譚」:3.11時点でこの短編の途中まで読んでいました。つまり,震災をはさんで読破したことになります。その意味ではもっと印象に残ってもよいはずですが,小説よりも現に起きている事象の方が衝撃的で…。 |
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| No.151 | 9点 | 孤島パズル- 有栖川有栖 | 2011/03/09 22:42 |
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| ピースを理論的に当てはめていくような解明は楽しかった。解明の取っ掛かりもいくつかの小さなピースから。なるほど,まさに「孤島パズル」ですね。
実際に驚くべきトリックはなかったですが,読者挑戦モノとしては,それがむしろ魅力的でもありました。奇抜な発想をせずとも,示された鍵のみで十分に犯人特定が可能という意味で。 個人的には宝探しの過程も良かったです。なるほど,確かに「進化するパズル」。美しい。 (以下 ネタバレあり) で,減点したのは,ボート使わなくても短時間で行けるくらいの距離だったのね…ボートでも自力でも同じくらいの所要時間での移動が可能だったのね…ってことを,少なくとも私は解決編まで認識できなかったから。いや,これは当方の認識不足も相当にあるのですが,もう少し伏線が欲しかったかなぁ…と。(ちょっと悔し紛れ) |
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| No.150 | 7点 | 球体の蛇- 道尾秀介 | 2011/03/06 11:25 |
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| 作者にとっては,初のノンミステリ作品という位置づけらしいですね。しかし,青春小説としてのラストの心象を保ちながら,その実なかなか趣深いリドルストーリーに仕上げてます。この辺りに作者らしさを強く感じました。
登場人物では,何と言っても「ナオ」がいい。印象に残ります。 その後の直木賞受賞作品「月と蟹」(これまたノンミステリ)よりは,私は断然,この作品の方が好み。この作者の作品は,5期連続で直木賞候補に挙げられてますが(うち5期目の「月と蟹」で受賞),明らかに受賞作よりも「カラスの親指」やこの作品の方が良作。(候補作のうち「光媒の花」のみ未読だが) 何はともあれ直木賞も手にしたことだし,再度,基軸をミステリにおいて欲しい…って(ある種わがままな)希望を込めて7点を。 |
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| No.149 | 5点 | 愚者のエンドロール- 米澤穂信 | 2011/03/03 22:15 |
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| 古典部シリーズ第2弾。 前作「氷菓」よりもミステリ度がアップ。個人的な「食いつき具合」は確実に前作以上。
奉太郎クンの「最終回答」までの展開も悪くはないですが,個人的には何よりも最終章が良かった。そうか…って感じで。 いかにも米澤氏らしい作品ですね。 |
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| No.148 | 6点 | 午前零時のサンドリヨン- 相沢沙呼 | 2011/02/28 19:34 |
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| 緩さが気になりつつも,高校男子一人称の軽快な語り口とヒロイン酉乃初のキャラクターに引っ張られ,たまには青春恋愛モノも悪くないか…などと読み進めていった訳ですが…。
最終話でなるほどと思わされましたね。最終話に至る話はすべて伏線といっても差し支えない。伏線の張りっぷり,そして回収具合はなかなかです。私は完全にトラップにはまってましたし…。 ラストでまたまた「青春恋愛モノ」に戻してくるところも,オジサンは嫌いでないです。 ちなみに一人称の君!気持ちは凄くよく分かるが,太腿に対して弱すぎ。この弱点って一生克服できないから気をつけないと…って書評と関係ないか。 最後に,「トリノ ハツ」って焼き鳥由来じゃなかったんだぁ。江守森江さん,重要情報(?)ありがとうございました。 |
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| No.147 | 5点 | フリークス- 綾辻行人 | 2011/02/27 14:08 |
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| 三編で構成される中編集。
うち,「四〇九号室の患者」は,単行本で既読。 残り2編の基本構造は,まぁ一緒ですね。舞台が精神病棟であるだけに,分からないでもないですが,やっぱりそうなっちゃいますよねぇ。不思議な読後感ではありましたが。 |
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| No.146 | 5点 | 蒼林堂古書店へようこそ- 乾くるみ | 2011/02/24 20:14 |
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| ミステリ専門の古本屋店主とその常連客らが織り成す、日常の謎&ほのぼの系短編集。
一編が20数ページと短いので、スキマ読書に丁度いい感じ。 個人的にはもう少しキリッとしたミステリ性も欲しかったけど… 短編と同じ数だけ掲載されているコラム(?)「林雅賀のミステリ案内」が楽しかったから、まぁいいか。 |
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| No.145 | 6点 | グラスホッパー- 伊坂幸太郎 | 2011/02/23 21:07 |
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| ヒトコトで表現するとすれば「殺し屋小説」。
前半は,伊坂風セリフ回しにイラッとしたこともあり(すみません。全く肌に合わないもので),かなり冗長に感じたのですが,中盤以降の加速感は良いですね。 色んな殺し屋が登場し,人もたくさん死にますが,読後は不思議な爽快感。 内容はいいんだけど,鼻につくセリフも多いんだよなぁ…って私だけでしょうか? |
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| No.144 | 5点 | 四〇九号室の患者- 綾辻行人 | 2011/02/20 19:58 |
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| 南雲堂版(単行本)を読んでみました。(この作品が収録された中短編集“フリークス”は未読)
元原稿は作者が大学四回生の秋(21歳)に執筆したものだそうで。中編でサクサク読み進められますし,十角館ファンなら一読してみる価値はあると思います。 でも…ポイントが3点あるとすれば,中盤までに3つとも気付く方も少なくないと思いますね。2つ目までのポイントは多くの方が気付くでしょうし…。 |
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| No.143 | 6点 | 我らが隣人の犯罪- 宮部みゆき | 2011/02/20 15:24 |
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| 完成度が高く,読後感もよい作品揃いの短編集。
老若男女、誰にとっても楽しい読書時間が確保されそう。 表題作がベストですけど,他の短編も佳作揃い。巧いなぁ。 |
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