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まさむねさん
平均点: 5.89点 書評数: 1282件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.222 9点 時計館の殺人- 綾辻行人 2011/10/23 21:25
伏線が見事です。きっちり張られているんですよねぇ。
私の中では,「驚きの十角館」・「完成度の時計館」…ですね。

No.221 5点 世界が終わる灯- 月原渉 2011/10/19 21:40
 舞台はニュージーランドの山間部。吹雪で走行中の豪華寝台列車内で,首切り密室殺人が発生。その後,列車はトンネル内で急停止し,列車内から次々と人が消えていく。通信機器はすべて破壊され,孤立状態に・・・。
 設定としては本格モノの王道といえますし,個人的にも好みのど真ん中です。
 ただし,トリックらしいトリックは1点のみ,かつ,「やっぱりそうでしたか」といったレベル。ミスリードも「いかにも」といった感じ。驚きは少なかったですね。
 とはいっても,決して読んで損をしたなと感じた訳ではありませんし,別の見方をすれば,優等生的な作品と言えるかもしれません。(優等生=魅力的とは言い切れないという意味を含めて。)

No.220 4点 赤い月、廃駅の上に- 有栖川有栖 2011/10/15 16:57
 鉄道にまつわる怪談集。
 と言っても,あまり怖くはなく,幻想的な話が多かったですね。もう少しインパクトが欲しかったかなぁ…。
 多少テツっ気のある身としては,決して嫌いではない短編集なのですが,ミステリーとは言い難かったので,このくらいの採点になっちゃいますかねぇ。

No.219 5点 密室殺人ゲーム・マニアックス- 歌野晶午 2011/10/15 16:39
 シリーズ第三弾の全体構成としては,「アリ」だと思いますね。
 しかし,個々のトリックは拍子抜け。ちょっと辛い。作者の言いたいことも分かりますけどねぇ。4点と5点の中間ってことで,四捨五入。

No.218 5点 はやく名探偵になりたい- 東川篤哉 2011/10/12 20:03
 烏賊川市シリーズでお馴染みの探偵・鵜飼&助手・戸村コンビが織り成す短編集。どの短編も本格の体裁は保持していますが,出来栄えはまちまちでしたねぇ。作品ごとの感想を。
1 藤枝邸の完全なる密室:もう一捻り欲しい印象。
2 時速四十キロの密室:謎は魅力的。
3 七つのビールケースの問題 :微妙な「やっつけ感」が漂う。
4 雀の森の異常な夜:なかなかの正統派。
5 宝石泥棒と母の悲しみ:短く,単純なトリックながらも個人的には好み。佳作。
 
 全体印象としては,烏賊川市コンビは長編の方が活きるような気がしましたね。

No.217 6点 闇の喇叭- 有栖川有栖 2011/10/10 20:11
 太平洋戦争末期,アメリカの原子爆弾の完成が遅れたために,ソ連が北海道までを占拠して…という設定。歴史SFかと思えるような始まり方で,ちょっと驚かされました。
 しかし,読み進めていくと,氏らしいミステリが展開されていきます。トリックも,個人的には好みの範囲内。青春ミステリとしての色も濃く,総合的にどう分類していいものやら。
 シリーズとして今後どのように展開していくのか,続編に期待します。

No.216 7点 - 麻耶雄嵩 2011/10/07 20:59
(未読の方は注意)
 「登場人物の驚きに驚かされる」手法が斬新。考え方によっては叙述とは言えないような気もしますが,「知らなかった」ことを誤認させているのだから,やっぱり叙述モノか。いやはや,完全にしてやられました。
 一方,「視点」に関しては,序盤から匂いがプンプン漂っていて身構えざるを得ませんでしたので,十分に想定可能でしたね。こちらに意識を集中させておいて,前述の叙述を炸裂・・・って意図なのだとすれば,もう完全に脱帽。
 もう少し高得点でもいいのですが,極めて精密な面がある一方で,ほったらかしにされてる点がいくつかあるなぁ・・・という印象も受けましたので,少しだけ減点を。

No.215 6点 妃は船を沈める- 有栖川有栖 2011/10/03 21:15
 作者の意図はどうであれ,構成としては「中編2本を幕間でつないだ作品」という評価を超えることは難しいでしょうね。
 中編自体は,どちらもロジカルでなかなかの出来栄えです。ミステリアス(?)なヒール役が相当に貢献していますね。(取り巻きの青年達の精神構造は理解不能でしたけど。)1作目における「猿の手」の解釈も面白い。
 個人的には,これまでに読んだ国名シリーズ短編集(ロシア紅茶・ブラジル蝶・英国庭園)よりも楽しめましたよ。

No.214 6点 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活- 奥泉光 2011/09/30 22:27
 三流大学「たらちね国際大学」に赴任したクワコーこと桑潟幸一准教授と,彼が顧問を務める文芸部の部員が織り成す,ユーモア・ミステリー。
 「ミステリー」の部分,つまり謎のレベルや解明過程は,正直弱いです。よって,このサイトでの個人的採点はこの辺りが限度。
 一方で,「ユーモア」の部分は相当に良でした。クワコー・文芸部員のキャラ演出が素晴らしく,特にクワコーの自虐ネタは抜群。笑かされながら,何気に自分を振り返ったりしちゃいました。
 是非ともシリーズ化してほしいですね。その際は,ミステリー部分の強化も期待しましょう。

No.213 6点 夜は千の鈴を鳴らす- 島田荘司 2011/09/27 23:42
 2つの事件のうち片方のメイントリックについては,高木彬光氏の某作品を読まれた方にとってあまりにも容易…というか,バレバレですね。もう一方のトリック(まぁトリックとすら言えない気もしますが)も,都合が良すぎて,肩透かし感満点でした。
 しかし,犯人と被害者のそれぞれの人生について,少なからず感じ入る面があったのも事実。これは一種のノワール・ミステリーなのだ,と割り切って読むってのはどうでしょう?
 なお,事件解明の過程で何気に挟み込まれている叙述系ミスリードについては,見事にヤラレましたし,個人的に大好物です。

No.212 5点 英国庭園の謎- 有栖川有栖 2011/09/24 19:15
 暗号モノにそれほど興味を持てないワタクシとしては,正直,盛り上がりに欠けた短編集っていう印象でしたね。(決して暗号モノに特化した短編集ではないのですけどね。)
 印象に残ったのは,「完璧な遺書」くらいでしょうか。まぁ,その理由は「珍しく倒叙形式だったから」なのですけどね…。

No.211 4点 ひぐらしふる- 彩坂美月 2011/09/20 22:27
 うーん。作者がやろうとした「狙い」は否定しませんが・・・。一歩間違うと,途中で読み飽きられる(読者視点でいえば,読む気が失せる)危険性がありますね。しかも,中途半端な印象だけを残したうえで・・・。作者の真意からすれば,かなりリスキーな手法ではあります。もったいないような気もします。
 内容(雰囲気を含む。)については,正直,好き嫌いが分かれるところでしょうねぇ。私にとっては,ちょっと入り込みにくく,ストーリー運びにも相当の違和感を覚えました。ミステリとしても,やや微妙な評価です。

No.210 4点 あの頃の誰か- 東野圭吾 2011/09/17 11:50
 うーん。作者が語るとおりの「わけあり物件」揃い。東野さんだけに,何とも言えない残念感が残りました…。
 純粋に良かったのは「再生魔術の女」のみ。他の作品はちょっとなぁ…何がしたかったのか,よく分からない作品もありますしねぇ…。
 ちなみに,収録作品のうち「さよなら『お父さん』」は,「秘密」を読了してから読むべきでしょうね。まぁ「秘密」の読了後ならば無理して読む必要が無いという考えもありますが。

No.209 6点 鋏の記憶- 今邑彩 2011/09/14 22:16
 連作短編です。
 サイコメトリーを持つ女子高生が主人公であり,個人的には敬遠しがちな設定ではあるのですが,内容としては,ミステリとして結構しっかりしていました。謎の提示や反転の手法としてサイコメトリーを活用しているって感じでしょうか。安易という見方もあるでしょうが,短編としてサクッとまとめるには便利な手法であることも確かで,途中からは敬遠心も薄れましたね。読みやすいですし,なかなか楽しめましたよ。

No.208 7点 隻眼の少女- 麻耶雄嵩 2011/09/12 19:22
 皆様の書評のとおり,横溝・三津田氏を思い起こさせる舞台設定。雰囲気は十分です。
 しかし,第一部では何ともいえないモヤモヤ感を抱いたのも事実。全体で見ればなるほどねぇ・・・といったところでしょうか。いかにも,作者らしい作品ですね。

No.207 8点 卍の殺人- 今邑彩 2011/09/10 22:11
 個人的には,なかなかの収穫。本格モノとして,もっと広く読まれていてもいいような気がしますね。
 一方で,トリック自体に目新しく点はなく,犯人当てについても,読みなれている方にとっては比較的容易かもしれません。「綺麗に纏まっているけれど,ありがちな作品」と言われれば,うーん,否定はできないかも。
 しかし,自分なりの推理が展開できた作品であったこと,さらに建物のみならず,人物関係もシンメトリーとした設定に引き込まれましたので,加点しちゃいました。(甘すぎるかなぁ・・・?)

No.206 5点 - 今邑彩 2011/09/07 22:10
 ホラー風味の短編集。
 途中で察しのつく作品も多く,もう一捻りほしいかな…っていう印象も受けましたが,まぁ非常に読みやすいし,まずまずではないでしょうか。(同じ短編集だったら「つきまとわれて」の方が好みですけども。)
 個人的には,最も拍子抜けしつつ,一方で読後に最も考えさせられた表題作「鬼」が印象に残ったかな。それと「セイレーン」でしょうか。

No.205 7点 真夏の方程式- 東野圭吾 2011/09/06 20:52
 「容疑者X~」と比較してしまうのは,内容的にも止むを得ないところでしょう。そして,プロットの精巧さにおいて,「容疑者X~」に軍配が上がってしまうのも止むを得ないところだと思います。
 とはいえ,評価したい点も多くありました。何といっても,恭平少年の存在が大きい。また,科学と経済と環境との関係も,まさにこの時期を的確に反映していて意義深いと考えます。作品ごとに確実に人間味が増している湯川氏も見所の一つでしょう。
 あくまでも個人的評価ですが,探偵役の好き嫌いで言えば,加賀>湯川。しかし,同時期の作品で評価すれば「真夏の方程式」>「麒麟の翼」ですね。

No.204 6点 学ばない探偵たちの学園- 東川篤哉 2011/09/03 20:49
 2つの密室殺人。きっちり本格してます。
 個人的に好きなのは2つ目の密室。いかにもこの作者らしい。伏線もニクイ。1つ目の密室は…まぁいいか。
 なお,作者のギャグについて,私は大いに支持してます!

No.203 7点 ジークフリートの剣- 深水黎一郎 2011/09/02 22:14
 まずは,作者の豊富な知識,教養に驚かさました。この点だけでも,読む価値があるかもしれません。
 物語としては,序盤から中盤まで比較的淡々と進みます。そして終盤に犯罪が発覚して急発進。個人的には,急発進以降の「展開」が短すぎるかなぁ・・・という印象もありますが,一方で,それがラストに活きているような気もします。ラストは文句なしに秀逸!

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まさむねさん
ひとこと
ミステリとしての特別な知識なく乱読していますので、私の書評はあまりアテにしないでくださいね。
好きな作家
道尾秀介・東野圭吾・東川篤哉
採点傾向
平均点: 5.89点   採点数: 1282件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(58)
有栖川有栖(45)
東川篤哉(44)
森博嗣(37)
島田荘司(29)
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伊坂幸太郎(26)
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