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まさむねさん
平均点: 5.86点 書評数: 1156件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.15 6点 卒業−雪月花殺人ゲーム- 東野圭吾 2011/01/16 15:40
加賀恭一郎の初登場作品。
いやはや,何とも多彩なご学友に囲まれた学生生活だったのですねぇ。
なんだか,加賀サンが可哀相になってきましたよ。

さて,作品としては,WHO,HOW,WHYすべて盛り込むあたり,理論的な説明が可能となっているあたりは,さすがという印象を受けました。
しかし,正直,膝を打って感嘆したり,しんみり考えさせられたり…ってのはなかったですねぇ。よって,採点は辛めに。
この作品に盛り込まれた(盛り込もうとした)要素が,氏のその後の各々の作品で花開いているような気がしますね。
その意味では読む価値は大きいかも。

No.14 5点 夜明けの街で- 東野圭吾 2011/01/12 23:13
 いやぁー,中盤までの展開&巻末ボーナストラック(?)「番外編 新谷君の話」が怖いのなんのって。
 いやはや,下手なホラーなど足元にも及ばないくらい,コワイ。心臓に悪い。
 えっ?謎的なことはどうかって?それは東野氏の作品としては想定の範囲内だったので,正直フツウですよ。(すみません。ミステリとしての印象はそこまで。)
 そんなことより,まぁ,怖いのなんのって…。
【以上,アラフォー男子(妻帯者)の率直な感想】
 ちなみに,主人公(男性)もアラフォー。主人公(女性)は30過ぎ。いやはや,リアリティが…怖いのなんのって…。「新谷君の話」なんて,ビクビクしながら読んだんですから。夏に読むべきだったなぁ。涼しくなれそうだし。
注:冷静な書評になっていないことは自認しております。したがって,何の参考にもなさらず,気持ちだけ察していただけますればコレ幸いです。人によっては,全く怖くない作品だとは思いますが。

No.13 5点 嘘をもうひとつだけ- 東野圭吾 2011/01/09 22:58
加賀恭一郎シリーズの連作短編集。
「これは!」と膝を打つ作品もありませんが,「これは…」と首をかしげたくなる作品もない。
つまりは全作品が水準以上ということで,素晴らしい安定感ですね。
個人的には,「狂った計算」が一番良かったかなぁ…と。

ちなみに,どの短編も「夫婦」ってのがある種キーワードになってますね。
「赤い指」や「新参者」にうまいことつながってますなぁ。

No.12 6点 ある閉ざされた雪の山荘で- 東野圭吾 2010/10/06 18:33
現実には閉ざされていない中での「クローズドサークル」。
なるほど。面白いですね。
現実か芝居か分からない,微妙な展開。
なるほど。巧いですね。

<以下,未読の方注意>
オチは,まあ,なるほどって感じですが(決して嫌いではないけど),例の女性にとってちょっと無理がありすぎるような気がしますね。4日間ですよ。求道者かよ・・・ってことでこの点数。

No.11 7点 聖女の救済- 東野圭吾 2010/09/13 22:26
清く・正しく・美しい(?),正統派のハウダニット作品。
叙述的ミスリードまで,清く・正しく・美しかった。
基本トリックが1点厳選というのも,潔さを感じて,嫌いではない。(トリックの発想自体が斬新なため,現実味云々は,私的には敢えて減点対象とせず。)
トリックのみでいえば,短中編でも,十分に作品として成り立つと思うが,これに種々人間ドラマを絡ませ,冗長さを感じさせない長編に仕上げてしまう作者の力量は,さすがとしか言いようがない。(注:皮肉などではなく,純粋に拍手)
ただし,湯川氏の「虚数解」発言は,こじ付けが過ぎる印象がして,最後まで違和感が消えなかったので,マイナス要素。本筋とはあまり関係のない,細かい点ではあるが…。
(ちょっとネタバレ)
しかし,どうしようもない奴が随分モテたものだ。そもそもこんな奴と結婚しなきゃいいじゃない…ってトリックの全否定になっちゃうような気もするから,あくまでも戯言で。

No.10 6点 白夜行- 東野圭吾 2010/08/23 21:26
文庫本を手にした第一印象が「厚い!」でしたが,読み始めれば一気読みでした。止まらないというか止められない。リーダビリティの高さは,さすがです。この点は文句なしです。
で,なぜこの点数なのかといえば,私好みのミステリから離れていたから。それだけです。わがままで,すみません。(そもそもミステリ性が高いという印象も受けませんでしたが…)
では,純粋に,2人の19年に及ぶ物語として見れば・・・どうなんでしょう?
印象に残る作品であることは異議なしですが,余韻を醸し出す結末と言ってよいのでしょうか?やや疑問です。

No.9 7点 悪意- 東野圭吾 2010/05/23 21:11
この作品の本質は「・・・ダニット」なのだというような情報を一切与えられずに読むべき作品。
私は,様々に想像力を刺激されながら,しかもストレスなく読み進めることができ,相当に楽しめた。(結末は想定内であるが,過程が楽しめる。)
良作!

No.8 6点 むかし僕が死んだ家- 東野圭吾 2010/04/16 22:14
舞台移転が基本的になし,登場人物2名のみ,あとは日記と手紙…。この限定的な状況下で読ませてしまうのは,さすがとしか言いようがありません。
(以下ネタバレあり)
ただし,当初から「出生(というか幼年期の)失われた記憶探し」という,結末が一定程度想像しやすい謎であるせいなのか,はたまた「猫」や「玄関脇の絵画」等の伏線が分かりやすすぎるせいなのか,それとも日記や手記の記述がいかにも“叙述トリックですか~”のせいなのか,いずれにしても驚愕の結末ではなかった。むしろ,「彼は結局のところ無関係なわけね。ある種騙された!」
でも面白かったですよ。

No.7 8点 秘密- 東野圭吾 2010/04/11 17:49
純粋なミステリではないので,この点数にしましたが,小説として見れば秀逸。素晴らしい。
切ないし,泣ける。
主人公も妻も娘も,結婚相手も,みーんな切ないなぁ。読み終えた後,「秘密」の真意を噛み締め,しばしため息が…。ホントにこれで良かったのかな~などなど考えながら…

No.6 7点 赤い指- 東野圭吾 2010/04/10 21:42
ミステリ要素云々は置いておきまして,純粋に良作。
教育・介護・家族…考えさせられますね。本当に東野さんは,うまい。
加賀恭一郎もピタリはまってますしね。いとこの松宮も良い。
後半はページをめくる手が止まりませんでしたが,ミステリ性を期待していた人はどうなんだろう?人間ドラマとして読んだほうが楽しめるかもしれません。
しかし,馬鹿餓鬼とその母には相当ムカムカしますよ。ご覚悟を。

No.5 4点 名探偵の呪縛- 東野圭吾 2010/02/20 21:10
作者の“本格”に対する認識を伺う意味では,おもしろい。
ただし,導入部(第1章)が冗長すぎること,「結局この数ページが書きたかったのね」と最終的に思ってしまう点がやや残念でした。
天下一探偵モノとしては,前作のほうが良ですね。

No.4 6点 どちらかが彼女を殺した- 東野圭吾 2010/02/14 23:36
犯人を教えてくれないってのが,面白い発想ですよね。
私の場合,そのことを知っていたので,純粋に「犯人当て」として読み進めました。もちろん,単なる犯人探しではなく,加賀刑事と被害者兄との攻防(?)も楽しめるので,そのあたりはさすがといったところですが。
(以下ネタバレ有)
犯人は「袋綴じ解説」(文庫版で読んだので…)を読後に分かったのですが,「利き腕」だけで確信していいの?別の可能性も否定しきれないのでは?(犯人以外の方が,たまたま犯行時に☆手を使ったに過ぎないとか,むしろわざと☆手を使ったのではとか)そう考えると,実は…という「もやもや感」も正直ありました。まあ,絆創膏の件もあるし,犯人はあの人なんでしょう…と自分で納得させました。
以上はさておき,小説自体が面白い試みであることには間違いないですね。

No.3 7点 名探偵の掟- 東野圭吾 2010/02/11 16:04
茶化し具合が本当に面白く,一気に読めてしまうのですが,読後,改めてミステリとは…そしてとそれに対する自分の心構えとは…などと考えさせられた作品でもありました。いろんな意味で,読む価値大の作品。

No.2 3点 超・殺人事件―推理作家の苦悩- 東野圭吾 2010/02/06 17:07
正直,楽しめませんでした。
パロディとしても,正直…すみません。
好みの問題なのでしょうが。

No.1 7点 新参者- 東野圭吾 2009/12/31 17:18
短編小説を読み進めていくうちに,全体の「絵」が現れてくるという手法は見事。
奇想天外なトリックがあるわけではなく,犯人探しの面白さが詰まっているわけではないですが,全体の「絵」の現れ具合とその過程は,相当楽しめました。

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まさむねさん
ひとこと
ミステリとしての特別な知識なく乱読していますので、私の書評はあまりアテにしないでくださいね。
好きな作家
道尾秀介・東野圭吾・東川篤哉
採点傾向
平均点: 5.86点   採点数: 1156件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(55)
有栖川有栖(43)
東川篤哉(41)
森博嗣(37)
道尾秀介(26)
伊坂幸太郎(26)
米澤穂信(22)
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