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測量ボ-イさん
平均点: 6.27点 書評数: 616件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.456 5点 喪われた道- 内田康夫 2016/04/23 14:13
量産作家の作品は期待度のハ-ドルを低く設定してしまう(?)
ので、読んでがっかりという感じではないです。
ただ犯人や結末の意外性に乏しく、すれっからしの方を満足さ
せるのは物足りないでしょうか。

No.455 6点 緑のカプセルの謎- ジョン・ディクスン・カー 2016/04/21 21:05
カ-の作品の中ではオカルト・怪奇趣味はなく、確かに「皇帝の嗅ぎ煙草
入れ」に近いテイストの作品です。
でも「皇帝・・」ほどシンプルなトリックで、読者をアッと言わせるイン
パクトに乏しく、私的評価は劣ります(皆さん高評価なんですけど)。
毒殺講義もありますが、「三つの棺」にある密室講義に比べると明快さ
に欠ける印象。

No.454 8点 下り”はつかり”―鮎川哲也短編傑作集〈2〉- 鮎川哲也 2016/04/04 21:39
傑作集<2>に準ずる、珠玉の短編集。
個人的ベスト3を挙げます。
 ①赤い密室
 ②達也が嗤う
 ③誰の死体か
①はもしかして世界最高の密室小説かも。
②は遊び心満点の秀作。朗読用に書かれたらしいですが、文章で読んだ
僕も普通に(?)騙されてしまいました。
③あとの一つが迷いますが、「誰の死体か」をセレクト。巻末の座談会
で絶賛されていますよね。玄人受けするのかな。

前作に準ずる出来ですが、本格ものとは言えない作品(これはこれでい
いのですけど)もあって、採点は8点で。

No.453 9点 五つの時計―鮎川哲也短編傑作集〈1〉- 鮎川哲也 2016/03/20 10:14
作品名の羅列は他の方が書いて下さっているので省略しますが、鮎川ファン
なら溜息と共に涎が出そう(キタなくて申し訳なし)な短編集。
巻末の3氏による座談会も、鮎川作品に対する愛情・こだわりが感じられて
楽しいです。
個人的なベストを3つ挙げます。
①五つの時計
②薔薇荘殺人事件
③道化師の檻

①はわずか50頁前後の作品では世界一の内容の濃さでは?(もしかして)
②は他のガイド本で有栖川氏が、「もしミステリ創作学校というものがあれ
 ば、教科書になりそう」と評していましたが、まさにその通り
③あとの一つが迷いますが。「道化師の檻」にしました。
採点は9点ですが、その日の気分で10点にもなりそうな、ハイクオリティ。

No.452 7点 一の悲劇- 法月綸太郎 2016/02/27 15:42
「二の悲劇」を数年前先に読んで、こちらが後です。
岡嶋ばりの誘拐ものですが、真犯人も意外に盲点になりそうですし、
出来は良いと思います。
ただ読後感はもう「二の悲劇」(採点8)に比べやや落ち感
があるので、こちらは7点で。

No.451 4点 消える上海レディ- 島田荘司 2016/02/20 18:19
作者の初期作品の一つですが、残念ながらあまり良い出来ではありません。
トリックはありきたりですし、他に見るべきところも少ない。
シリ-ズ前作品「消える水晶特急」より劣る印象。

No.450 6点 リバース- 湊かなえ 2016/02/11 11:19
まずは読みやすい作品ですね。学校内で起こる事件ではありませんでしたが、
関係者の学生時代に遡るところは氏の作品らしいところ。
この作品の謎は以下の2点です。
 ①告発文を送ったのは誰なのか?
 ②広沢君事故死の真相は?

①に関してはこのサイトの読者の方は殆ど想像できるでしょう。
②に関しては、物語の最後で種明かしされますが、長編を支えるのはちょっと
微妙か?物足りなさはありますが、総合的には満足。

No.449 6点 御手洗潔の挨拶- 島田荘司 2016/02/11 11:12
この作品の書評が抜けていました。
島田氏初期の短編集だけに、どれも粒よりで満足度はそれなり。
暫定6点とし、いつか再読して7点に引き上げるかどうかを検討します。

No.448 5点 大阪経由17時10分の死者- 津村秀介 2016/02/06 18:11
氏の作品の中ではあまり良い出来ではないか?
評価がもう一つだと、先の方の指摘にあるように文庫本の慰留指紋や、
駅前食堂での長時間滞留といった不自然な犯人の行動(アラ探し?)
が目だってしまいますね。

No.447 7点 十和田・田沢湖殺人ライン- 深谷忠記 2016/01/30 17:33
これは上々。うまいどんでん返しがあります。
十和田湖や田沢湖、長年行っていません。また行きたいなあ。

No.446 5点 千曲川殺人悲歌- 深谷忠記 2016/01/15 19:22
(ネタばれ気味)

内容はまずまず。アリバイ破りの妙を楽しめます。
ただ○○氏が○○氏を殺そうとしていた真相は個人的なやや納得がいかず。
僕がこの作品の作者なら、きっと違う結末にしたかも。

No.445 6点 スタイルズ荘の怪事件- アガサ・クリスティー 2016/01/09 14:29
クリスティ、そしてポアロのデビュ-作。
あの「灰色の脳細胞」はこのとき既に全開なのですね。
内容的にまあまあ。

(ややネタばれ)
真犯人は、一見意外でなさそうで、実は意外?と言った
ところを狙ったのでしょうか?
後年の同じ手口を使ったトリックは、おそらくこの作品
の影響を受けているのでしょうね。

No.444 7点 神様ゲーム- 麻耶雄嵩 2015/12/26 20:12
元々子供向けに書かれている作品だけに、直ぐ読めました。
意外性は相応のものがあり、楽しめたのは事実。
ネタばれになるのでこれ以上言えませんが、この結末を子供が直ぐ
理解できるのかな?
子供向けにこの結末は確かに賛否両論あるかと思いますが、そこは
採点には敢えて考慮しませんでした。

No.443 4点 今出川ルヴォワール- 円居挽 2015/12/19 13:27
本格度が低く、正直期待はずれ。
登場人物表に載っていない人間が多く、人間関係の把握が難しかった
です(こういうの苦手だ・・・)
シリ-ズの他の作品の方が評判良さそうなので、いずれそちらに手を
出してみます。

No.442 7点 江神二郎の洞察- 有栖川有栖 2015/11/22 10:22
江神シリ-ズは短編でもいいですね。各作品の短評を以下に。

<瑠璃荘事件>
江神とアリスの出会いのきっかけは、名作「虚無への供物」
だったんですね。いやはや、それはまた。
<ハ-ドロック>
日常の謎を扱う作品。オチは確かに北村薫氏っぽい。
<やけた線路の上の死体>
これだけは既読作品。鮎川氏のアンソロジ-に収録され、何度
も読みました。今回加筆訂正したとの事ですが、読んでいて
違和感感じた箇所がそうなのでしょう。
<桜川のオフィ-リア>
これはあまり印象に残らなかったです。
<四分間では短すぎる>
なるほど。でも謎の一部は未解決なのは敢えてそうしたのかな?
<開かずの間の怪>
バカバカしいオチだけど、こういうの嫌いじゃないです。
<二十世紀的誘拐>
これもあまり印象に残らなかったです。
<除夜を歩く>
モチさんの作品、作中ではしょぼいトリックと言いながら、なか
なかいいじゃないですか?
<蕩尽に関する一考察>
ほ-、この事件がマリアが推理研に入部するきっかけだったんで
すね。

凡作もありますが、総合的には好印象です。

No.441 6点 若狭小浜殺人紀行- 石川真介 2015/11/12 21:12
鮎川賞受賞作品という触れ込み(?)で知らない作者のものを
読みました。
評価としてはよく言えば無難、悪く言えばありきたりでしょうか。
でもトラベルミステリ好きなので、これでも全然不満はないです。

No.440 6点 呼びとめる女- 鮎川哲也 2015/10/24 10:23
未読の短編集を読みました。以下各々の短評。

<下着泥棒>
まあまあ
<夜の訪問者>
かなり細かいところが伏線になっています
<霧の夜>
有名作品の長編化前の姿。何だかんだで、この作品がベストか?
<或る誤算>
お得意の倒叙もの。ひょんなことから犯行が発覚。
<偽りの過去>
犯罪者が、別の犯罪者の証拠隠しに利用され、犯行が発覚する
皮肉な内容
<牝の罠>
分量のわりに、内容はもう一つか?
<呼び止める女>
アリバイを更に補強しようと、その場の機転でやったことが、
皮肉にも発覚のきっかけとなる、鮎川氏の短編で他にもあった
パタ-ン

全体的に、可もなく不可もない出来でしょうか。

No.439 7点 白昼の悪魔- 鮎川哲也 2015/10/09 21:53
短編集の復刻版より。「五つの時計」以外は未読です。
以下各作品の書評を簡単に。

①白昼の悪魔
犯人があるツ-ルをアリバイ作りに利用。使い方が巧みです。
②誰の死体か
本文中のちょっとしたところが伏線になっています。
③五つの時計
他のところで書評済なので割愛
④愛に朽ちなん
いやあ、このネタは(僕も含めて)僕より同年代以下の方には
判らないでしょう
⑤古銭
これは比較的わかりやすいトリックか?
⑥金貨の首飾りをした女
内容はまずまずですが、タイトルがもう一つかな
⑦首
氏の短編で、これと似たネタの作品があります。
ロ-カル色豊か?

評点は基礎点6点に、名作「五つの時計」があるのでプラス1点。

No.438 6点 「ナイルの甲虫」殺人事件- 吉村達也 2015/09/26 10:32
ワンナイトミステリ-と銘打った、文庫でも200頁
足らずの作品。
近頃多い、無駄に長い作品に辟易している方には
お奨めでしょうか。
ボリュ-ムは短めですが、伏線張りにもぬかりなく、
くどくない程度のどんでん返しも楽しめます。
ただ動機が後付けっぽい(推理不可能)なのでそ
の分減点。

No.437 7点 消えたエ-ス- 西村京太郎 2015/09/25 20:07
氏の作品がトラベルミステリ中心となる前の作品。この頃の作品
には「消えた○○」というタイトルが多いです。
さてこの作品、野球界を扱ったものですが、サスペンス性はなか
なか楽しめます。
作品で扱われる京神ハンタ-ス、どこの球団がモデルか、野球に
そう詳しくない方でも判りますよね?
採点は6点クラスかなと思いますが、僕も関西人なので思い入れ
も入れてプラス1点。

(余談)
作品に出てくる選手名、いやはや懐かしい。
変名とはいえ僕の同年代の○○ファンなら江島投手以外でも殆ど
どの選手がモデルか判るのでは?
投手・・・大林、山元、久藤、福井、小町
野手・・・真岡、掛井、平井、若井

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ひとこと
このサイトを知ってから2年くらい経ちますが、
ようやく自分で書評を書いてみようという気になりました。どうぞ宜しくお願いいたします。
好きな作家
島田荘司(初期作品は殆ど読んだ)、鮎川哲也(氏の長編22作はコンプリ-ト)、有栖川...
採点傾向
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