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測量ボ-イさん
平均点: 6.25点 書評数: 639件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.119 9点 グリーン家殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン 2009/05/29 20:04
(ネタばれ有!)
これも「意外な犯人」ものに分類されるであろう名作で、
いわくありげな屋敷と住人の中で連続殺人が起こる、古き
良き探偵小説の臭いがする作品です。

要するにこの作品のメイン・トリックは、「犯人が被害者
の一人を装って、嫌疑を免れる」というものです。
このトリックを考案したのは僕の知る限りではこの作品が
最初で、この点は氏の大手柄でしょう。後年、いろんな作
品で(見せ方は違えど)このトリックの亜流が存在する事
からも、その影響力は大きいと思います。

この作品、僕は推理小説を読み始めて間もないときに読ん
だので、見事に騙されてしまいました。真犯人を知ったと
きの衝撃はあの「アクロイド」以上だったと思います。

No.118 5点 黄色い部屋の謎- ガストン・ルルー 2009/05/29 19:57
(ネタばれ有!)
密室を扱った古典的作品です。けれどもあまり僕の好みでは
ありませんでした。
どうもこの作家の文章は密室である事を必要以上におおげさ
且つくどい言い方で繰り返し説明し、読んでいてうんざりし
た覚えがあります。

密室ものは謎の設定が単純なだけに、種明かしをすると「何
-んだ」というのがどうしても多くなりますが、この作品は
その典型です。
カ-の密室講義の1項がこの作品のトリックそのものズバリ
でずよね。この作品は「三つの棺」より先に書かれただけに、
密室講義も当然この作品を意識して分類されたものと思いま
す。

No.117 5点 僧正殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン 2009/05/29 19:51
「そして誰も・・」と同じく、童謡の見立て殺人が起こる
作品。ヴァン・ダインの最高傑作との呼び声も高いですが、
僕個人の評価はそれほどでもないです。
この作品、本格推理ではなく単なるサスペンス小説のよう
な気がしているのは僕だけなんでしょうか?
同じヴァン・ダインでも、「グリ-ン家殺人事件」の方が
ずっと良かったです。

No.116 8点 アクロイド殺し- アガサ・クリスティー 2009/05/29 19:46
「意外な犯人」の定番作品。未読の方には読んで驚いて
下さい、としかいいようがないです(一言でネタばれする
ので・・)。
個人的には、作中の登場人物が麻雀に興じるシ-ンが妙に
印象に残っています。
西洋人である作者は、いったいどのようにして麻雀を知っ
たのでしょうか?大変興味があります。

No.115 6点 不安な産声- 土屋隆夫 2009/05/29 19:42
犯人やトリックがどうというのではなく、殺人の動機に焦点
をあてた作品です。
広義なら勿論本格推理小説といえますが、狭義なら微妙です
ね。内容自体はまずまずですが、狭義の本格推理を好む僕に
は、なかなかこの点数以上はつけ辛いです。

でも作者土屋氏は数年に一遍程度しか長編を発表せず、その
丹念な作品作りには好感が持てます。

No.114 7点 漱石と倫敦ミイラ殺人事件- 島田荘司 2009/05/29 19:37
ユ-モア・ミステリと割り切って読めば、なかなかの作品。

No.113 6点 火刑法廷- ジョン・ディクスン・カー 2009/05/27 20:15
カーの最大傑作との呼び声高いので、つい半年程前に読みま
したが、期待はずれでした。
何が悪いのか、といっても具体的に指摘できませんが・・・
死体消失のトリックも強引ですが、これでケチつけていたら、
カーの作品は読めませんしね(笑)。
でもやはり、カーの作品なら「ユダの窓」「皇帝の嗅ぎ煙草
入れ」「白い僧院の殺人」あたりの方が上だと思います。

No.112 9点 - F・W・クロフツ 2009/05/27 20:11
地味なるも、僕好みの作品。
無駄な部分が多い、犯人が致命的ミスをしている、等 批判
(アラ探し?)はよく耳にしますが、僕個人の評価ではやは
りクロフツの作品の中で一番好きです。

No.111 9点 そして誰もいなくなった- アガサ・クリスティー 2009/05/27 20:09
ミステリを読まない人でも知っている表題、定番の名作です。
「アクロイド」と並んで、こういうストーリ-を最初に考えた
クリスティ女史の手柄でしょう。
仮に今この作品を読んだとして、犯人当てられるかな・・・
あまり自信ないですね(笑)。

No.110 10点 幻の女- ウィリアム・アイリッシュ 2009/05/27 20:05
これは紛れもない名作です。
魅力的なプロット、話しの展開、サスペンス性とも申し分
なしだと思います。
海外作品だと文章が生硬で、読んでいて苦痛になる作品も
しばしばありますが、この作品に限っては全くそのような
事はなかったです(翻訳者の手腕?)。
よく言われる文章の美しさですが、そのような事を本来評
価できる感性を持っていないこの僕でも何となく判るよう
な気がします。
でも確かに、「幻の女」は最後まで幻の方が良かったかも
しれませんね。
未読の方には是非読んで頂きたい、翻訳物が苦手な方にも
推奨できる作品です。

(2011.6.24追記)
最近再読。
決して映画ファンではないこの僕ですが、はじめて「幻の女」
に出会ったところなど、映画の一シ-ンとして目に浮かびそう。
書かれた年代の古さを感じないという意見もちらほらあります
が、全く同感です。
何だか読んだことある筋書きだ・・という感想をお持ちの方は、
きっとその作品がこの作品を模倣したんだと思いますよ。
やはりいいものはいいです。

No.109 9点 Yの悲劇- エラリイ・クイーン 2009/05/27 20:00
海外古典を語る上で、欠かすことのできない作品。海外では
「X」の方が評価されているようですが、僕はやはり「Y」
の方が良かったです(僕もやはり日本人という事か?)。
ミステリを読み始めて間もない時期なので、犯人の意外性
も十分でした。
いま考えると展開が御都合主義的なところもありますが、
何だかんだ言っても名作には違いないです。

No.108 6点 消える「水晶特急」- 島田荘司 2009/05/27 19:57
島田氏初期のトラベルミステリ-。
メイントリックは題名と巻頭の路線図で大体想像がついて
しまいましたが、基本的にトラベルミステリが好きなので
これはこれで楽しめました。

No.107 7点 邪馬台国の秘密- 高木彬光 2009/05/27 19:51
これも楽しめました。「成吉思汗の秘密」とほぼ同じ評価
です。高木氏個人の意見だけではなく、世の中の邪馬台国
論争の主な諸説を勉強できる良い機会でした。

No.106 6点 ブラジル蝶の謎- 有栖川有栖 2009/05/27 19:47
読みやすく、つまらなくはないけど、「おおっ、これは」と
いう代物もなかったです。
他の方と同じような最大公約数的感想ですが、偽らざる本音
です。

No.105 7点 人それを情死と呼ぶ- 鮎川哲也 2009/05/27 19:45
汚職に巻き込まれたサラリーマンが殺される、という設定で
氏らしからぬ社会派っぽいプロットですが、なかなかどうし
て、立派な本格推理小説です。
アリバイもの、時刻表ものは嫌いなので鮎川作品は読まない、
という方はこれをどうぞ。

No.104 8点 火刑都市- 島田荘司 2009/05/27 19:42
(少しネタばれ有)
島田氏初期の作品群では社会派っぽい作品ですが、本格物と
しても十分通用する仕上がりです。
あと主人公の女性に何となく感情移入できる部分(何となく
ですけど)もあって高得点をつけました。
あと東京、というか江戸の地理の勉強(?)にもなりました。
放火された箇所の必然性って、そういうことだったのですね。

No.103 6点 ミステリー列車が消えた- 西村京太郎 2009/05/24 10:01
西村氏の作品の中ではまあ読み応えあった部類だと思います
よ。でも採点するとこの点数ですけど。

No.102 6点 絃の聖域- 栗本薫 2009/05/24 09:58
20年以上前に読んだ作品。小説として読めばまあ面白かった
ですが、ミステリとしてはもうひとつですかね。記憶が少し
曖昧ですが、トリックそのものよりも犯人の動機や心情描写
にウエイトがおかれていたと思います。
どちらかといえば量産作家系の氏だけに、書く作品もこんな
ものかと当時思った次第です。

No.101 5点 ペルシャ猫の謎- 有栖川有栖 2009/05/24 09:52
表題作「ペルシャ猫の謎」のメイントリック、まあ微妙で
すね。短編ならこれはこれでアリかとも受け取れますが、
長編(しかも1000枚以上の大長編)を支えるメイントリッ
クがこれだったら、本投げつけてるでしょう(笑)。
皆さんの評価も決して良くないですが、いた仕方ないと思
います。

No.100 9点 赤い密室 名探偵星影龍三全集(1)- 鮎川哲也 2009/05/24 09:47
「赤い密室」短編ですが、これは凄い作品です。
僕が今まで読んだ密室トリック作品のベストと言っても
過言ではない出来だと思います。密室好きの方は必読の
作品。

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ひとこと
このサイトを知ってから2年くらい経ちますが、
ようやく自分で書評を書いてみようという気になりました。どうぞ宜しくお願いいたします。
好きな作家
島田荘司(初期作品は殆ど読んだ)、鮎川哲也(氏の長編22作はコンプリ-ト)、有栖川...
採点傾向
平均点: 6.25点   採点数: 639件
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