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makomakoさん
平均点: 6.18点 書評数: 861件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.441 6点 三つの棺- ジョン・ディクスン・カー 2015/05/10 09:02
 あまりにも有名な推理小説ですが実は私は読んでいませんでした。カーの小説は多少は読んだのですが、翻訳が悪く?とても読みにくい印象があり、ちょっと遠ざかったいました。私には外国の推理小説はしばしば登場人物に共感が持てない、とんでもないとしか思えない人の集まりの小説の感もあって(とんでもないからとんでもない話ができるのですがね)、手が伸びなかったのです。
 最近かなり読みやすい翻訳が発行されて、すごいお話がいっぱいあったことに気づき、遅ればせながらちょこちょこ読むこととしました。
 昔私の感性にひっかかった変な人物の集団も、日本の作品でもしばしば見かけるようになり、免疫ができたようです。
 それにしてもこのお話はトリックのみで出来上がっている、「トリックのための小説」といった感が強い。とんでもない状態で人が死んでいる。殺人事件として絶対こんなことは無理でしょうと思わせる。すごいねえ。
 ただ小説の中でも述べているが、すごい大魔術の種をあかすと多くの人はなーんだつまらないといった反応をするから、魔術師は種をあかさないといわせているが、推理小説で種をあかさないなんてありえないので、トリックだけでできている本作などはなかなか大変です。
 私はトリックの内容は分かったようなわからないようなぐらいなのですが、こんな不可能な話を作りだし、合理的?解決をして見せたのはやはし歴史に残るすごさなのでしょう。

No.440 7点 ギリシャ棺の秘密- エラリイ・クイーン 2015/05/06 09:50
 以前クイーンは苦手でしたが、新しい翻訳になって読みやすくもなったが、私自身の推理小説に対する感覚も変化してきたのかとても興味深く読むことができるようになりました。
 それにしてもこの小説はすごいですね。よくもこれだけのことを考え付くものです。最初の推理だけで十分に一冊となるところを、次々と変遷させ読者を混乱させてしまう。私など見事に手玉に取られてあれよあれよといいながらこの長い小説を読んでいました。
 クイーンの読者への挑戦で正しい答えにたどりついた事は一度もないのですが、今回はその中でも特別にダメでした。かすりもしない。
 こんな作品を作ったクイーンもすごいですが、正解できた人も本当にすごい。尊敬します。

No.439 6点 R.P.G.- 宮部みゆき 2015/04/29 21:52
いつも思うのですが、女性作家が書いた女の主人公は男には考えられないような残酷、冷淡さが描かれることがあります。女性の同性に対する容赦のない冷めた視線は男性の作家には書けないところなのでしょうか。
 この小説も女はとても強くて冷たく容赦がない。宮部氏の若いころの作品はもっと弱みがあり可愛げがある女性が出てきたのですが、本作品などは若くてきれいな娘なのにここまでやるかといった強さと冷酷さが読み取られ、ちょっと引いてしまいそうです。
 さすがに読ませ上手なので最後まですらすらと読めてしまいますが、犯人当ての苦手な私でも、これは大分前に分かってしまいました。推理小説の読者というのは厄介なことに犯人を早めに当ててしまうと、それはそれで興味が薄れてしまう。といったところで評価は少し下がり気味です。

No.438 5点 真説ルパン対ホームズ- 芦辺拓 2015/04/29 21:36
 これはよほど昔の外国探偵小説が好きな人でないとなかなか本当の面白さがわからないと思います。私は外国物はあまり読んでいないのでルパンやホームズはそれなりに楽しめましたが、続々出てくる外国名探偵は知らない人も多くちょっとしらけるところもありました。
 金田一耕助vs明智小五郎を読んだ後だったので、あれ?これは読んだことがある。といったものが2編ほどありました。発行年度を見ると金田一のほうが後なのでこの本が水増しではないのですが。

No.437 7点 エジプト十字架の秘密- エラリイ・クイーン 2015/04/21 22:12
 連続首なしはりつけという猟奇的殺人事件が発生し、犯人の候補と思われる登場人物が意外と少なくなっていくので、私でも犯人が当てられそうな気がしてきたところに作者からの挑戦状がある。大体こんな挑戦で犯人が当てられたことのない私でもこれは何となくわかりそうに思えるのだが・・・。
 こんな結論、全然予想していなかった。完全に作者のからくりにやられました。  すごいねえ。参りました。
 もっと高得点を差し上げたいのだが、この小説は東南ヨーロッパは残忍で、野蛮であるという差別的発想から成り立っているのがひっかかりました。アメリカだって田舎の警官が中央から来た警視に対してひどい口の利き方をしたうえに、わいろをもらって喜んでいるなんて、日本人の私から見たら相当に民族度が低いと思うけど。
 こんなことでよいのですかねえ。
 読みにくくはないのですが、ちょっと無駄に長い感じもしました。
 これがあるのでこの程度の点数と評価しました。
 

No.436 6点 明智小五郎対金田一耕助- 芦辺拓 2015/04/11 08:00
 本の題名が金田一と明智となっていますが、実際に二人が登場するのは最初と最後のお話のみでした。
 私の感覚では金田一耕助が原作よりさらに不潔な感じに思えますが、全体として雰囲気や書体も原作に似せて、凝ったつくりとなっていることは間違いありません。
 続編のほうが、おどろおどろしい雰囲気が強く私としては続編の「ふたたび」のほうが好みかな。
 謎解きもきちんと入っています。こういった作品は好みが分かれるとは思いますが、推理小説の(この場合探偵小説というべきか?)好きな人なら楽しめると思います。
 私のような「僕らは少年探偵団」の唄をリアルタイムで聞いていた世代には懐かしい。テレビでもやっていたのですよ。最初に怪人二十面相の笑い声が入ったりして。
 毎週見ていたなあ。

No.435 2点 64(ロクヨン)- 横山秀夫 2015/03/29 22:12
 皆さんの評価が高いのにこんな採点してすみません。
私はこんな根暗で、いやな人ばかり出てくるはなしに付き合うのは御免です。
せめて主人公がもう少しすっきりしていればよいのですが。
誰かが何か言うと悪いところばかり見るようで、全く楽しくありませんでした。

No.434 7点 オランダ靴の秘密- エラリイ・クイーン 2015/03/23 17:57
 エラリークイーンの国名シリーズの中でも評価が高いのもうなずける出来栄えと思います。登場人物が多く、一人に対して色々な呼び方はしているのですが、今回の角川版ではかなり読みやすく何とか最後まで読み通せました。
 私は犯人当ての挑戦状の段階では、全然見当もつかない状態でした。解説によると最初はもう少し前の段階で挑戦状が提示され、正解だった方複数いたとのことです。すごいねえ。
 エラリーの推理は精緻を極めしかもわかりやすく十分に納得できるものでした。
 推理ゲームを楽しみたい方のとっては最高の作品と思います。

No.433 6点 チャイナ蜜柑の秘密- エラリイ・クイーン 2015/03/13 21:32
 私はどうもクイーンは苦手でした。人物が多く登場し、一人の人物を描写するのにしばしば異なった言葉を用いるため、途中で誰が誰だかわからなくなって投げ出すといったことがしばしばでした。
 この作品は比較的登場人物が少なくそろそろ覚えが悪くなった私でも何とか読めました。
 なかなか面白かった。でもあのトリックは一度読んでも全然意味が分からなかった。新訳本となり、かなり読みやすくなっているのですが、トリックはさっぱりわからない。この本にはなんと後ろの解説で図解入り説明が載せてあったのだが、それでもあんまりわからない。何度か絵を見ているうちに何となくわかったような気もしますが、まあトリックは成立したということで良しとしましょう。

No.432 6点 謎解きはディナーのあとで 3- 東川篤哉 2015/03/06 21:01
このシリーズがどうして大ヒットしたのかよくわからない。作者を著名人にしたヒット作なので続編を出すのは出版業界として当然ではあるが、ひょっとして作者自身もあまり続編が書きたくなかったのかも。
 続編が出るたびにちょっとずつクオリティーが落ちる感じがします。
 このあたりでこのシリーズは終了がよさそうですね。

No.431 2点 天久鷹央の推理カルテ- 知念実希人 2015/03/06 20:53
 ああだめだ。こんなばかばかしい話に付き合いきれない。
 キャラが立っているとの評価があるが、こんな乱暴な言葉使いでしかも引きこもりでなんてありえないでしょう。しかも主人公の小鳥遊がいかにもなさけない。
 つまらなかったね。

No.430 7点 静おばあちゃんにおまかせ- 中山七里 2015/03/01 10:04
これは結構好きです。題名からすると日常の小さな謎をばあさんが解くと思っていたが、これが大間違い。
 トリックは大掛かりで、しかも不可能密室。確かにこのトリックはどこかで読んだことがあるなあとは思うのですが、それを上手に話に溶け込ませている。登場人物もなかなか魅力的。
 本格物では既存のトリックを使用するのは禁じ手のようにされていますが、こういった話の中へうまく溶け込ませればずい分楽しめます(まあ私がトリックを忘れているため驚いた後であれ?となっているのではありますが)。
 でも一番のサプライズは最後のシーンかも。やられた!

No.429 7点 金田一耕助vs明智小五郎 ふたたび- 芦辺拓 2015/03/01 09:58
 こういった作品は原作を読んでいるか、どのように感じているかで、大きく評価が分かれるのは致し方ないと思います。私は子供の時に明智探偵は少年探偵団の小林少年とともに活躍していたといった印象が強く(テレビでもやっていたのです)、金田一探偵は大学時代に推理小説に興味を持ってからのお付き合い。名探偵二人に対する感じ方は大いに異なります。
 いつも奇抜なアイデアで楽しませてくれている作者の意気込みは十分に感じられます。ことに今回は横溝風によった感じで、なかなか面白かった。

No.428 7点 中途半端な密室- 東川篤哉 2015/01/30 07:50
 東川氏の初期の短編集。作家としてデビュー前から、氏がユーモアと本格物を合体させた作品を目指していたことが読み取れて好ましい。
 トリックを主体とした短編なのですが、丸太小屋が10分で消失するなど大規模なトリックもあり、なかなかのものです。これに怪奇色を付けて、わけのわかったようなわからないような話を織り交ぜて長編とする作家さんもいるでしょうが、読みやすい文章できちんとした短編としているのは若い作者の資質を感じさせるものでした。

No.427 5点 櫻子さんの足下には死体が埋まっている - 太田紫織 2015/01/25 09:35
 主人公櫻子さんが本当にいたら絶対つきあうのは御免という、異常な人間が探偵となっているのです。本格物にはしばしばこういった異常な人間が探偵となって登場するのですが、こんな他人の感情を全く分からない人間の話に付き合うのはたいがいにしたいと思うのですが、相方の少年がまた常識的でいやな感じを薄めているため何とか読めました。
 ただいくらライトノベルスといっても推理の根本に欠陥が多く認められるのは興ざめです。あり得ない話だからといってあり得ない根拠でお話をまとめられてはねえ。

No.426 6点 もう誘拐なんてしない- 東川篤哉 2015/01/18 15:18
 出だしの翔太郎がたこ焼き屋を無理やりやらされるまでは絶好調。笑いが止まらない展開でしたが、その後少しテンションが落ち誘拐の本番あたりとなるとまあ普通かな。悪くはないけど、すごいなあっていうほどではない。
 何となく知っているようなトリックも使ってあり(作者もちゃんとネタがあることを示している)、いつものようにちゃんとした推理小説ともなっていると思います。
 ただ純粋に本格物のしてみると印刷屋の殺人がうやむやになているのがちょっと気になります。

No.425 7点 二重螺旋の誘拐- 喜多喜久 2015/01/12 09:27
 誘拐の話は好みではないのですが、これは気分よく読めました。最後まで読むと色々な仕掛けがしてあることがわかるのですが、大体のトリックに騙されっぱなしとなる私でも、このメインのトリックは途中でわかってしまいました。ちょっと残念。私もミステリーのすれっからしとなりつつあるのでしょうか。
 だからといって話の面白味が失せるということはなく、最後まで興味深く読みました。
 終わり方も悪くない。こういった作風は好みです。

No.424 2点 烏丸ルヴォワール- 円居挽 2015/01/10 22:15
 私には皆さんの評判がよい「丸太町ルヴォワール」もピンと来なかったのだが、本作品はもっとダメでした。
 読むのが苦痛でした。私にはこの作家は合わないのでしょう。

No.423 6点 その女アレックス- ピエール・ルメートル 2015/01/04 13:26
フランスのミステリーは久しぶりです。お話が二転三転してとんでもない方向に流れていくのに興味深く一気に読みました。
 まあ面白かったですね。ただ私のような感覚の人間からするとフランスって警官を含めとんでもない輩がいっぱいいるんだなあとつい思ってします。まあ彼らもひどい場所というのに「日本人観光スポットの超目玉」という形容を使っているので、彼らから我々もそんな風にみえるのでしょうからお互い様なのかもしれない。
 それになんといっても残酷。やり方が悪趣味すぎるのではないかなあ。お話としては良かったのですが、この残酷さがマイナスでした。

No.422 7点 ビブリア古書堂の事件手帖6- 三上延 2015/01/02 17:18
 このシリーズは色々な古書の謎と栞子さんの家族の謎が絡みあって読んでいくものの興味を上手に引きつけています。6冊目ともなるとかなりマンネリ化しそうなのですが、メインストーリーの家族の謎がさらに深まって興味津々となってきました。
 もう1-2冊で終了とのことですが、どんな結果となるかとても楽しみです。本格推理小説と違ってある面どんな流れにでもできそうに思われますが、期待して待っていましょう。

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makomakoさん
ひとこと
歴史ミステリーや、本格物が好きです。薀蓄も結構好き。変人が登場するのは嫌いではないが、冷たい人間が出てくるのは肌に合いません。外国ものは登場人物が理解不能であったり翻訳文が合わないことが多くあまり得意で...
好きな作家
鮎川哲也、山田隆夫、綾辻行人、法月綸太郎、高田崇史、伴野朗
採点傾向
平均点: 6.18点   採点数: 861件
採点の多い作家(TOP10)
高田崇史(34)
樋口有介(30)
有栖川有栖(29)
アガサ・クリスティー(29)
東野圭吾(28)
太田忠司(27)
東川篤哉(25)
北森鴻(24)
今邑彩(17)
米澤穂信(17)