皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] ラリーレースの惨劇 プリーストリー博士シリーズ |
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ジョン・ロード | 出版月: 2015年10月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
論創社 2015年10月 |
No.1 | 5点 | nukkam | 2015/11/03 22:49 |
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(ネタバレなしです) 世界3大ラリーの1つであるウェールズ・ラリーGBの前身であるRACラリーの第1回大会が1932年に開催されたのに触発されて書いたとされる、1933年発表のプリストリー博士シリーズ第15作の本格派推理小説です。地名や車名の一部に架空の名前を使っているのはモータースポーツ業界から苦情を受けないようにする対策でしょうか(笑)。論創社版の巻末解説でコメントされているようにレース描写は序盤のみで、ほとんどが地道な捜査描写に終始するプロットになっているのはこの作者らしいです。犯人の正体は終盤まで伏せられてはいますが犯人当てとして楽しめる内容ではなく、レース中の事故死(と警察は当初判断します)はどのようにして発生したのかというハウダニットの謎解きの方が目立ちます。ただ現代の自動車とは構造の異なる部分の多いクラシックカーですので、このトリックも既に骨董品クラスです。発表当時はどのように受け止められたのでしょうか、気になります。 |