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[ 本格 ]
吸殻とパナマ帽
プリーストリー博士&ジミー・ワグホーン警視
ジョン・ロード 出版月: 1958年01月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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東京創元社
1958年01月

東京創元社
1958年01月

No.1 5点 nukkam 2016/05/26 14:47
(ネタバレなしです) ロードの後期作品ではプリーストリー博士は現場にも行かずアドバイザーに徹し、探偵役として動くのはジミー・ワグホーン警視という役割分担になる場合が多いそうですが、1956年のシリーズ第63作の本書はまさにその典型です。出番があまりに少ないせいか本書(現代推理小説全集版)の登場人物リストに名前を載せてもらえなかったのはちょっとお気の毒な気もしますけど(笑)。とはいえ本書のプリーストリー博士の推理は可能性を示唆するといった程度で、これでは名探偵として十分責任果たしたとは言えないでしょう。ワグホーンの方はというと足の探偵としてはまあ頑張ってはいますが、結局謎が解けたのは幸運の賜物だったような気がします。名探偵にびしっと「犯人は君だ!」と指摘して欲しい読者にはそこが物足りないかもしれませんがストーリーはシンプルで読みやすく、理系トリックが使われているところにロードの個性を感じます。雷鳴の中の謎解き場面がやや浮いた演出に感じなくもありませんが、それまでがひたすら地味な展開だったので作者としてもそろそろ盛り上げたかったのでしょうね。


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