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[ 本格/新本格 ] 胡蝶殺し |
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近藤史恵 | 出版月: 2014年06月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
小学館 2014年06月 |
小学館 2016年07月 |
No.1 | 7点 | 空 | 2023/02/09 22:44 |
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タイトルの「胡蝶」とは、歌舞伎の演目である「鏡獅子」の中で通常は、子役二人により踊られるらしい胡蝶の舞のことで、歌舞伎の世界が舞台となっています。実は和妻(日本手品)にも「胡蝶の舞」と呼ばれる手品があるのですが。ではその胡蝶の役を演じる役者が殺されるのかと思っていたら、全然そんな話にはなりません。
半分近くなってやっと不穏なことが起こりますが、それも伝染性の病気であり、犯罪めいたことはありません。最後まで読んでも結局、タイトルの「殺し」の普通の意味、「殺人」は起こらないのです。確かに一応ミステリ的な構造を持ってはいて、最後にはある謎が解き明かされることになるのですが、犯罪とは無関係なのです。作中に悪意のある登場人物も全く出てきません。 そんなわけで、ジャンルとしては「その他」に入れざるを得ないのですが、ラストは感動的で、広義のミステリとしてはこの点数で。 |