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[ 警察小説 ]
チューインガムとスパゲッティ
タルキニーニシリーズ
シャルル・エクスブライヤ 出版月: 1986年05月 平均: 6.00点 書評数: 2件

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読売新聞社
1986年05月

No.2 6点 クリスティ再読 2025/11/19 01:04
さて初タルキニーニ。だから最初から読んでいこう。これが第1作。ロミオとジュリエットの街ヴェローナ。この街で警察幹部を勤めるタルキニーニ警視がシリーズの主人公だが、本作の主人公というか狂言回しはアメリカはボストンから視察に来たサイラス・A・ウィリアム・リーコック。長々とした名前から分かるようにボストンの名家の生まれで...厳格なピューリタン気質!いいかげんなイタリア人気質が気に入らない。早くボストンに帰り婚約者のヴァレリーと結婚し妻の財産を基に議員へ...そんな夢はすぐに雲散霧消。だってエクスブライヤだから(苦笑)

タルキニーニ警視の名前はロメオ、そしてその妻の名はジュリエッタ。ヴェローナの街はロミオとジュリエットだらけ。「犯罪の動機はほとんどいつも恋です。生ける者は愛し、愛され、かなわぬ恋に身を焦がす。とりわけこの地ではそうです。だってここはヴェローナだから」。これがタルキニーニの探偵術!リーコックはこのいい加減で酒飲みで愛妻家のタルキニーニに反発しつつも、川べりで見つかった男の死体を巡る捜査の中で、その人間観とイタリアの風土に惹かれていく....ついには強盗被害に遭いそうになった女性を助けたら一目ぼれ!すっかりダラしなくなったリーコックを追って婚約者がその父とヴェローナに来襲!殺人事件は思わず次々と死の連鎖を生みだすが、陽気な人々とリーコックの恋の行方は?

エクスブライヤってキャラ作りは上手だよ。マンガ的だけどもね。タルキニーニはズボラに見えてなかなか懐深く有能。ナイス名探偵だ。リーコックがどんどんハッチャケていくのがナイスで、笑える。要するに「日曜日はダメよ」というか、「死体をどうぞ」でもファシストの警部がすっかり村に馴染んだりするのを思い出す。こういうダラけ方がエクスブライヤ。で追いかけて来た婚約者のオヤジがこれまたイイ親父。これもエクスブライヤw

いやちゃんとタルキニーニ、推理もするよ。普通にリアルな謎解き。そこらへんはしっかりしている。

No.1 6点 nukkam 2017/06/28 20:41
(ネタバレなしです) 1960年発表のタルキニーニシリーズ第1作のユーモア本格派推理小説です。欧州各国の司法警察を研究しているアメリカ人のリーコックがイタリアのヴェローナを訪れるところから物語がスタートします。そのヴェローナ警察で彼の面倒を見るのがタルキニーニ警視です。リーコックが訪問済みの警察評価は(国民性の評価でもあります)イギリスとドイツは高評価、フランスとスペインは低評価ですからヴェローナについてどうなるかはある程度予想がつきそうですが、一方でヴェローナの人々がこのアメリカ人の言動をとてもまともなものではないと感じている描写も多々あるのが面白いところ。タルキニーニとリーコックの最初の会話からして「犯罪の動機はほとんどいつも恋です」「なぜですか」「だってここはヴェローナですから」とまるで噛み合いません。タイトルの「チューインガムとスパゲッティ」は「アメリカ人とイタリア人」と置き換えてもよさそうです。犯人当ての謎解きもありますが、異国の地でカルチャーショックと戦うリーコックの奮闘(と時に暴走)の描写の方に読者は振り回されそうです。


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