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アップルビィ警部の事件簿
アプルビイシリーズ
マイケル・イネス 出版月: 1996年11月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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勉誠社
1996年11月

No.1 5点 kanamori 2012/12/06 11:49
"クイーンの定員"にも選定されている第1短編集”Appleby Talking”からの6編に、付録1編を加えた短編集(勉誠社版)。

原題どおりアプルビイが友人に過去の事件を語るという構成になっていて、ショートショートに近い「アップルビィの最初の事件」を始めとしていずれも短めですが、長編と比べてストレートな謎解きモノなので読みやすい。
なかでは、大学教授が洞窟で遭遇した不可思議な事象の謎解き「ベラリアスの洞窟」が伏線が効果的な好編でした。海岸の”足跡のない殺人”風の「タイムの砂浜」も面白いですが、今ではトリックがギャグ認定レベルかも。

付録の「崖の上の家」は、屋敷からの人間消失+冒険スリラーですが、なんと名探偵セクストン・ブレイクの探偵譚という珍品。イネスもこのシリーズを書いていたとは知りませんでした。

余談ですが、訳者あとがきに列記されたイネスの長編作品の邦訳タイトルがすごいことになっている。「ハムレットよ、復讐だ!」はまあいいとしても、”Lament for A Maker”が「ある製造業者のための哀悼詩」というのはいかがなものか(笑)。


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