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[ 本格/新本格 ]
立花美樹の反逆
THANATOSシリーズ
汀こるもの 出版月: 2012年04月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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講談社
2012年04月

No.1 5点 メルカトル 2024/03/25 22:04
周囲に不審な死をもたらす「死神(タナトス)」と呼ばれる少年・立花美樹が奥多摩山中の大きな神社に消えた。
美樹の双子の弟・真樹の計略にはまり、彼を捜すことになったのは私立陽華学園高校の自然科学部部員5人。
彼らを待ち受けるのは俗に塗れた祭主、異様に聡明な巫女、口きけぬ美少女、喚く蓬髪老人、包帯怪人……と揃いも揃って怪しげな新興宗教の者たち、そして大祭壇の死体消失から連続する不可能犯罪であった。
高校生たちは美樹を捜し出し、無事に生還できるのか!?
さらには立花兄弟のお守り役である刑事・高槻と、上司でキャリア官僚である湊にも異常事態が!?
予測できない展開、結末、そして圧倒的な情報量! これぞ「こるもの」ワールド!
人気の美少年双子ミステリ、最新作の登場です!
Amazon内容紹介より。

帯にあるような極北でもアンチミステリでもありません。これは誇大広告間違いなし。時系列がバラバラでいきなり四章、六章、一章ってな感じで始まります。伊達や酔狂でこんな奇矯な構成にした訳ではないと思いますが、その目論見が奏功しているとは言えませんねえ。最初、えっ?となりましたが、そういう事かと身構えました。つまりは読者に余計なプレッシャーを掛ける事にしかならないんですよ。思った通りごちゃごちゃした感じは否めませんでした。それと共に無駄に登場人物が多いので更に混沌としてしまっているのは、かなりのマイナスポイントでしょう。

本格ミステリとしては歪で終章で幾つか種明かしされるものの、かなり弱いと言わざるを得ません。最も注目されるべき首なし死体葱坊主の塔串刺し事件の真相も、ホワイダニットとしてはわざわざそんな理由でこんな手間を掛けるのか?としか思えません。美樹も真樹もその他大勢に埋もれてしまい、さほど目立なかったしなあ、これがシリーズ最終作とは淋しい限りですね。


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