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[ 本格/新本格 ] 赤の女王の名の下に THANATOSシリーズ |
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汀こるもの | 出版月: 2009年11月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 2件 |
講談社 2009年11月 |
No.2 | 6点 | メルカトル | 2021/07/18 23:10 |
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情報漏洩、そして少年犯射殺の責任を問われ閑職に回された警察官僚・湊俊介。エリート街道復帰めざし、警察トップにも影響力ある財閥の、婿選びパーティに高校生探偵・立花真樹と参加するも、館で令嬢が殺害される。家名に傷がつくことを厭う遺族、自己保身に走る湊、大人の事情で事件はあらぬ方向に処理されるが惨劇は続く!湊たちは恐怖の館から生還できるか。
『BOOK』データベースより。 終始一貫これまで脇役に徹していた湊警視正の過去と現在の物語。で、今回は湊俊介の一人称なのか、三人称なのか判然としない(自身が語っているのは間違いないが「私」という個称が一切使われていない為)。其処の所どうなんでしょうねえ、一応一人称としておきますが。兎に角探偵役の双子の片割れである真樹すら脇に追い遣られており、ミステリ色が一層薄くなっている感じがします。 そんな中密室殺人事件は起こり、その後も事件は続きます。しかし、それらを捜査するでもなく推理する訳でもない湊と真樹。双子の兄の美樹は登場すらしません?結局解決に導くのは湊で真樹は何もしません。ただ相変わらず魚や奇妙な生態を見せる生物たちの蘊蓄を語るのみ。実は既に第一段階で真相を見抜いていたにも拘らず・・・。だったらもっと早く探偵役らしいところを見せろよと思ったりもします。その黙して語らない動機が何とも言えません。 結論として、この作者にしては十分楽しめたとは言えます。合わない人は拒絶反応を示すかも知れませんけど。ミステリとして破綻しているかと問われれば、私は否と答えるでしょう。動機に関しては弱いと言うか、そんな馬鹿なって感じです。本格ミステリと云うより、総合的に評価してこの点数に落ち着きました。 |
No.1 | 4点 | 江守森江 | 2010/03/22 18:02 |
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メフィスト賞に応募した五作全てが出版された時点で作者の評価を見直さねばならないのかもしれない?
「本格ミステリをおちょくるラノベ風アンチ・ミステリな類」を一ジャンルと考え、ジャンルに沿った評価をするなら、シリーズ全作が頂点を争うレベルで満点になってしまう(要するに不快感を極めれば頂点に到達する) 断じてそんな評価はしたくない! 普通に広範なミステリーと考えればクズミス・ダメミス方向なシリーズに落ち着くし、そちらの評価の方が納得できる。 それでも、慣れなのか?達観なのか?不明だが楽しんで読め、ミステリーとは関係ない人生観なんか変に共感してしまう。 よって最低レベルより水準レベルに近い採点にした。 ※余談 自分の採点では3点と4点、7点と8点の間に1点差以上の壁がある(4~7点評価の作品は水準レベルで境界は微妙とも云える) |