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[ 本格/新本格 ] Sの悲劇 |
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中町信 | 出版月: 1987年09月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
青樹社 1987年09月 |
No.1 | 6点 | kanamori | 2012/03/19 18:58 |
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現在のところ作者唯一の短編集。ユーモアで味付けするとか個性的なキャラクターの探偵役を登場させるなどの余分な一般受けの要素が全くない、愚直なまでにトリックにこだわった本格パズラーが7編収録されています。
表題作「Sの悲劇」は、無理のないダイイングメッセージはいいが、伏線があからさまで犯人当てとしては安易。 「死の時刻表」は、容疑者3人の中から真犯人を特定する手掛かりがユニークな良作。 「裸の密室」は、作者の長編で多用するようなプロローグが巧妙なミスリードになっている上に、密室トリックが暴かれるキッカケも面白い。これが個人的ベスト。 「カブトムシは殺される」これも密室状況を解明する手掛かりが秀逸。「サンチョパンサは笑う」の写真による偽アリバイは平凡。「312号室の女」のアリバイ工作はある長編の原型らしいが、内容を憶えてないので楽しめた。「動く密室」は、自動車教習所ならではのアリバイ工作と錯誤による密室。両トリックともよく考えられており、これが準ベスト。 |