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阿修羅ガール
舞城王太郎 出版月: 2003年01月 平均: 4.75点 書評数: 12件

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新潮社
2003年01月

新潮社
2005年04月

No.12 6点 メルカトル 2019/05/25 22:25
アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的(ガーリッシュ)に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪! グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう? 東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは――。三島由紀夫賞受賞作。受賞記念として発表された短篇「川を泳いで渡る蛇」を併録。

一見どう考えてもふざけているとしか思えない書きっぷりですが、本人は超真面目に書いたんだろうなと個人的には感じます。じゃなきゃ三島由紀夫賞は獲れませんよ。
第一部でグルグル魔人の猟奇殺人や誘拐事件で読者を惹きつけておいて、第二部でとんでも世界を暴走してなじゃこりゃとなって、結局最後は上手い具合に纏め上げるという手練手管を見せる、流石です。アルマゲドンの意味や誘拐の経緯などは詳らかにされてはいませんが、そんなことは些事にさえ思えるような作品ですので、評が割れるのも致し方ないでしょうね。好き嫌いがはっきり分かれる、何とも言えない小説です。

そもそも面白いとか良い作品だとか、感動するとか感銘を受けるといった読書する上で大切な感情を拒否しているとしか思えません。それでも読者を突き放している訳ではなく、アイコという少女を通して人間の様々な在り方を追求したような感覚を覚えます。これが舞城なのだと、それははっきり言えるんじゃないでしょうかね。
蛇足ですが、文庫版に併録された短編はいらなかったです。

No.11 5点 風桜青紫 2016/01/16 02:27
桂のキャラクター性と暴走っぷりで十分楽しめるけれども、後半の幻想仕立て(?)なシーンかが鼻についた。どうも投げやりで、舞城が自分の描写技術を知らしめるために挟んだように思える。果たして何の意味があったのだろう。ここがややに興ざめだったのだが、まあ、三島賞をとったあたり、選考委員へのアピールとしては成功したのかもしれない(TELLが怒ってたけども)。しかしもう少し話として面白く落としてほしかったところ。

No.10 6点 mohicant 2012/09/17 22:51
 ふざけて書いたとしか思えない作品。下品だし。でもやっぱりおもしろい。

No.9 2点 isurrender 2011/10/09 20:46
「世界は密室で…」がミステリーだったから、本作も推理小説なのかと思って読んだら全くミステリーではありませんでした
小説としては、いろいろ工夫もあって面白い作品だと思います

No.8 3点 vivi 2009/01/20 00:50
ミステリとしては・・・ていうかミステリじゃないですよね?(^^;
だから、この得点なんですけど。
ミステリというカテゴリをとっぱらったら、コテコテの濃い文学作品。
道具立てが少し「俗」過ぎるかな~とは思うけど、
所詮この世の中は「俗」なわけなので、いいのではないでしょうか。

「未熟」を表現した作品ですね。
答えの出ないのが、答えを探さないのが、「未熟」だから。

No.7 7点 ぷねうま 2007/09/19 23:24
三つ子殺した理由がアシュラマンて。ケンドーコバヤシの大喜利の答えみたい。

No.6 2点 とも 2005/06/04 18:31
舞城作品三冊目にして、とうとう挫折してしまいました。次のページをめくるワクワク感を感じることができず、読むのが辛かった・・・。

No.5 4点 ルルファー 2005/06/01 16:56
文章は相変わらず良いリズムだが、最後の物語解説は一体なんだったのだろう。

No.4 8点 バファックス 2004/07/03 00:43
後のほう感傷に傾倒してないっすか。終わりだけ読んだら、ええ話のように感じられる。
何とかさん。名前を思い出せないけど、あなたが好きです。でも、たぶん嫌いになります。

No.3 5点 k−t 2004/01/29 22:41
心配してたとおりになってきた作品。作者ももう何書いてるのかわかんなくなってきた感じがする。この狂った世界観は好きだけど。「山ん中の〜」の方はもう戻って来られないんじゃないかと思うくらいひどかったなぁ。

No.2 4点 玉椿 2003/02/17 00:16
私にとって初、舞城作品でした。

本屋で手に取って最初の数ページで
「こりゃ、面白そう。」
と、なりまして買いましたが後半ニ部三部となるにつれて現実逃避行。
なんだか良く分かりませんでした。とりあえずミステリでもなんでもない作品。
只、新しい感じは凄くしたし、愛子のキャラも一部はすっとんでて気持ちよくサクサク読めた。

No.1 5点 しゃんてん 2003/02/01 15:17
 全体的によくわからない物語という印象を受けた。
 第一部はやっぱり訳がわからなかったけれども、テンポがよくすらすら読めた。それなりに切なく、それなりにつらく、それなりに幸せで、それなりに壊れている女子高生がそこそこ魅力的に書けているのではないかと思った。
 ところが第二部はさっぱり判らない。私の読解力がないせいなのだろうけど。

 第三部の最後では、コレまでの舞城氏の作品のラストと同じく、主人公が現状を肯定できるようになって何となく幸せな気分になれたのだが、それでも、消化不良な気分も強く感じた。

 グルグル魔人とか、桜月淡雪とか、いろんなことが中途半端なままほっぽり出されているような印象を受ける。


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