海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 短編集(分類不能) ]
国語入試問題必勝法
清水義範 出版月: 1987年10月 平均: 5.75点 書評数: 4件

書評を見る | 採点するジャンル投票


講談社
1987年10月

講談社
1990年10月

No.4 6点 メルカトル 2019/10/14 22:18
ピントが外れている文章こそ正解! 問題を読まないでも答はわかる!? 国語が苦手な受験生に家庭教師が伝授する解答術は意表を突く秘技。国語教育と受験技術に対する鋭い諷刺を優しい心で包み、知的な爆笑を引き起こすアイデアにあふれたとてつもない小説集。吉川英治文学新人賞受賞作。
Amazon内容紹介より。

ミステリと言えばミステリだし、そうでないと言えばそうでない、何とも不思議な短編集。
『猿蟹合戦とは何か』『国語入試問題必勝法』を読んだ時点で、ちょっとだけ賢くなったような気分になりました。『猿蟹・・・』のこじ付けっぽくもそれなりに説得力のある新解釈、『国語・・・』の選択問題に対する解答法の斜めから切り込むアプローチはなるほどと唸らされ、知的な読み物として納得の出来栄えだと思います。
他にも認知症の怖さを笑いに変えるシニカルな『靄の中の終章』、懐かしさと郷愁を誘う、個人的ベスト『時代食堂の特別料理』、リレー小説を作中作として取り込んだ新たな試みが笑える『人間の風景』など、バラエティに富んだ内容となっています。
まあ表題作は洒落としても、全般的に十分楽しめる作品集です。でも受験生のみなさんは参考書や戦略本と勘違いしないようにお願いします。ただの小説であり、そういう考え方もありますよといった程度に留めておいて下さい、と作者は訴えております。

No.3 5点 isurrender 2011/05/05 15:00
ミステリという観点からみるとそこまで評価できない
純粋に小説としては非常に面白い
このいかにも参考書チックなタイトルが憎い(笑)

No.2 6点 haruka 2011/04/29 23:56
ミステリではないと思いますが、皮肉たっぷりのオチを含め、大好きな作品。

No.1 6点 江守森江 2010/06/22 08:57
ミステリーなのか?と問われると断言できないが、境界線に存在する一風変わったミステリー短編集でよいと思っている。
謎のある話からファンタジーまでバラエティーに富む7編を収録。
白眉はミステリーではないが、ミステリを読み自分で推理する上で参考になる表題作だろう。
国語の入試問題での出題者の意向を汲み取る姿勢は本格ミステリでの読者対作者に通じている。
問題文を読まずに選択肢を解析して正解を判別する技法は、二時間ミステリー・ドラマで配役から犯人を推定するのに似ていて日本人好みな方法だろう。
ちなみに、実際の入試では7割程度の確度なので、さほど役に立たない。


キーワードから探す
清水義範
2000年10月
やっとかめ探偵団とゴミ袋の死体
平均:5.00 / 書評数:1
1999年06月
迷宮
平均:5.17 / 書評数:6
1993年05月
シナプスの入江
平均:6.00 / 書評数:1
1991年04月
主な登場人物
平均:5.00 / 書評数:1
1988年11月
深夜の弁明
平均:5.00 / 書評数:2
1988年05月
やっとかめ探偵団
平均:4.00 / 書評数:1
1987年10月
国語入試問題必勝法
平均:5.75 / 書評数:4
1985年09月
H殺人事件
平均:5.00 / 書評数:1
1984年12月
ABO殺人事件
平均:4.50 / 書評数:2