皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ その他 ] シナプスの入江 |
|||
---|---|---|---|
清水義範 | 出版月: 1993年05月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
福武書店 1993年05月 |
ベネッセコーポレーション 1995年10月 |
No.1 | 6点 | メルカトル | 2022/12/14 22:30 |
---|---|---|---|
記憶は「わたし」の存在そのものだ、とすれば事実と違う「誤記憶」で重ねられた「わたし」とはなに者か。記憶であなたをゾッとさせる清水版長篇ホラー小説。
『BOOK』データベースより。 例えば自分が幼い頃こんな事があったよなと思っていたのに、兄弟姉妹や幼馴染みにそんな事なかったと否定される、自分の記憶は改変されたものではないのか。例えば自分が生まれてからの記憶は、記憶されていない事に比べて余りにも矮小である。コンピューターはそれ自体記憶が徐々に薄れていく事は不可能だが、人間の脳はそれが出来る。だからより優れているのだ。と云った様な事柄が散りばめられた、ある意味ホラーでありSFである、記憶に対して様々な角度からアプローチした小説です。 勿論小説ですから確りとしたストーリーもありますし、序盤から多くの伏線が張られています。前行健忘、記銘力障害、電気インパルス、ニューロン、シナプス等専門用語も出てきますが、比較的解り易く解説してくれています。そしてラストは伏線が回収されているともいないとも言えない、何とももやもやしていながら、そっちへ行っちゃう?みたいな感覚でした。これは賛否が分かれるでしょうね。 |