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[ SF/ファンタジー ]
こちら幻想探偵社
幻想探偵社シリーズ
清水義範 出版月: 1999年06月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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朝日ソノラマ
1999年06月

No.1 7点 人並由真 2026/02/28 05:04
(ネタバレなし)
「おれ」こと乾三四郎はかつて国体を目指す体操選手だったが、足の負傷から断念。大学を出た現在は正業に就かず、特撮テレビ番組『宇宙捜査官ギャレット』のスーツアクターのバイト業務をこなしていた。そんな三四郎に大学時代の悪友・真下昇がともに私立探偵事務所を開こうと誘いを掛ける。だが三四郎は、人はいいが世間知らずな御曹司・真下の思い浮かべる探偵稼業とは、あくまでフィクションの中の名探偵の模倣だと二の足を踏む。そんな三四郎の前に、遠宇宙の美少女プリンセス・ ライララが出現。彼女を狙う暗殺者のエイリアンを成り行きから撃退した三四郎はそのままライララの世話を見る事になり、彼女に自分の従姉妹の矢田知代という素性と偽名を名乗らせる。ライララ=知代の救助の際に、やはり成り行きからスーツアクターの仕事を失った三四郎。そんな彼に真下はなおも探偵稼業を勧誘するが、三四郎は真下の求める名探偵ごっこでは生活ができない、と警戒した。だがそんな状況を横から眺め、さらに地球の文明を独自の歩幅で解析した知代は宇宙の超科学を用いて、真下の探偵事務所に奇妙なミステリ事件の依頼が集中し、三四郎と真下、そして自分が探偵稼業で十分に生活ができる特異点を設けた。だがそのミステリとは推理能力を必要とする謎解きのミステリではなく、オカルトやスーパーナチュラルな怪異の方のミステリであった。

 SF、オカルトありの世界観での連作ミステリで、なんでそういう状況になったかの理屈付け(上のあらすじ参照)がなかなか振るってる(笑)。

 シリーズものの名探偵を増産していたツヅキはこの趣向を認めて、どう思ったろうか。もしかしたら、後進にオモシロイアイデアを思いつかれて悔しがったのでは? とも夢想する(まあ現時点では、あくまで勝手な想像だけどね)。

 シリーズ1冊目の本書には、設定編の第1話を含めて4編のエピソードを収録。第1話の段階で出オチっぽい流れになるかな? とも思ったが、2話以降も前述のツヅキのトラブルコンサルタントもの(片岡直次郎シリーズ)とかのSFミステリ版……というよりは、SF範疇の解法もアリの連作ミステリ事件帖として、なかなか楽しめる。ホワットダニット、ホワイダニットと各編の謎の散らばせ具合もなかなかゆかしい。
 本書の読了後、シリーズ2冊目も、すでにネットで古書を購入(注文)してしまった。
 
 なお元版は1984年のソノラマ文庫で出たジュブナイルだったようだが、評者は1999年の新装版(ソノラマ文庫NEXT版)で読了。
 ちなみにテレビで新作の意宇宙刑事ギャバンが復活したこの時期にこれを読んだのはあくまで偶然だが、どっかで何かの因果が働いてるのかもしれん(笑)。まー、不可知のことなので、考えてもアレなのだが。


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