海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 短編集(分類不能) ]
ヨットクラブ
文庫版の改題『タイムアウト』
デイヴィッド・イーリイ 出版月: 2003年10月 平均: 8.00点 書評数: 2件

書評を見る | 採点するジャンル投票


晶文社
2003年10月

河出書房新社
2010年01月

No.2 7点 蟷螂の斧 2022/12/29 15:12
ダール氏の作品(奇妙な味)はわかりやすいが、本作は?が多かった。
①理想の学校 7点 共同体に適応する規律正しい人間を育てるという寄宿舎制の学校。生徒たちは・・・軍隊式 
②貝殻を集める女 5点 婚約者に主導権を握られた男。反撃手段は・・・母親のモーション 
③ヨットクラブ 9点 人生の成功者だけが集まるというヨットクラブ。そのメンバーや実態は謎であった・・・航海に出てからのお愉しみ 
④慈悲の天使 5点 通勤途中に男は中年の女性に声をかけられる・・・男はみんな同じ 
⑤面接 6点 面接の内容は夫婦生活までおよび・・・非面接者の行動 
⑥カウントダウン 9点 火星ロケットに乗り込んだ船長が科学者Fの妻と不倫していることが発覚。科学者Fは計器に細工を?・・・発射は成功 
⑦タイムアウト 6点 核の誤射でイギリスが一瞬にして消滅。米ソ両国は極秘裏にイギリスの建物、歴史を含めすべてのものを再生しようと・・・嘘の歴史 
⑧隣人たち 7点 引っ越してきた夫婦。赤子がいるようだが誰も見たことがない。人々は窓から覗いたりするようになる・・・善意から悪意
⑨G.O’D.の栄光 4点 自分が神であると信じる男が広告を出すと・・・返信 
⑩大佐の災難 6点 柵が壊れ牛が隣地に入り込んだという。大佐は昔の隣人とのトラブルを話し出す・・・正当防衛 
⑪夜の客 7点 夫婦喧嘩で一言も話さずお互いを無視する。どちらが先に家を出るのか・・・二人そろって 
⑫ペルーのドリー・マディソン 5点 人跡未踏な場所に、すぐ人が集まってしまう。ジャングルの中にパラシュートで落ちてしまった夫人は・・・エリートたちの考えること 
⑬夜の音色 4点 女はフルート吹きのぐうたら男と同棲。そこに黒人シンガーがやってきて・・・ハーモニー 
⑭日曜の礼拝がすんでから 7点 知らない人から声をかけられたら、近くの家へ飛び込むのよ・・・少女は守る 
⑮オルガン弾き 5点 最新鋭の教会。自動演奏のオルガンが導入され・・・狂乱騒動

No.1 9点 mini 2010/08/05 09:49
異色短篇作家デイヴィッド・イーリイは、”奇妙な味”という表現を言うならR・ダール以上に相応しい作家だ
早川書房の異色作家短篇集全集において、もし第二期が計画刊行されていたとしたら最優先で収録されただろう
私がイーリイを初めて読んだのは代表作と目される有名な短篇「ヨットクラブ」だけれど、当初ハードカバーで刊行された時の短篇集のタイトルも『ヨットクラブ』だった
今では内容はほぼ同じだが『タイムアウト』と短篇集の題名が変更されて河出文庫から出ていて、価格的にも求め易くなった
どうしても「ヨットクラブ」の印象が強くて固定観念を持ってしまうが、短篇集としては結構ヴァラエティに富んでいて、しかも内容レベルも高い
特に得意なのがじわじわとサスペンスを醸成する語り口調で、アイデアやオチの持って行き方も優れてはいるが、やはり基本は途中経過を読ませるタイプだと思う
すらすらと読み易い翻訳文もマルだ


キーワードから探す
デイヴィッド・イーリイ
2005年06月
大尉のいのしし狩り
平均:7.00 / 書評数:1
2003年10月
ヨットクラブ
平均:8.00 / 書評数:2
1969年01月
蒸発
平均:6.00 / 書評数:1
1968年01月
憲兵トロットの汚名
平均:4.00 / 書評数:1