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[ SF/ファンタジー ]
不思議のひと触れ
奇想コレクション
シオドア・スタージョン 出版月: 2003年12月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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河出書房新社
2003年12月

No.1 5点 mini 2009/10/06 09:53
異色短編作家シオドア・スタージョンは、本格好きな読者だとクイーンの「盤面の敵」の代筆者として知られているだろうし、SF好きな読者なら普通にSF作家の認識だろう
内容と言い守備範囲の広さと言い、スタージョンこそ異色短編作家という肩書きが似合っている
守備範囲を言うなら収録の「高額保険」などはミステリーそのもので、最初期にはこんなのも書いていたのを考えると後にクイーンの代作をしたのも肯ける
スタージョンはアイデアだけなら他の異色短編作家と比べて卓越しているとは言い難いが、やはり持ち味は文体と語り口調にあるだろう
特に得意なのが、例えば寸法が何センチ重さが何グラムだとか具体的数値を記してディテールにこだわる描写で、幻想的な作風なのに妙な生々しさとのミスマッチが不思議な感触を生んでいる
この「不思議のひと触れ」は初期作を中心にヴァリエーション重視で編まれただけにスタージョン入門には最も適した短編集らしいが、早川版全集の「一角獣・多角獣」も入手はしてあるのでいずれ読みたいところ
従来は晶文社などハードカバーでしか読めない作家のイメージだったが、今では「不思議のひと触れ」と「海を失った男」の両短編集が河出文庫に入り価格的にも手に入りやすくなった


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シオドア・スタージョン
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