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[ サスペンス ]
グレイヴディッガー
高野和明 出版月: 2002年08月 平均: 6.60点 書評数: 5件

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講談社
2002年08月

講談社
2005年06月

角川書店(角川グループパブリッシング)
2012年02月

No.5 6点 パメル 2023/03/03 07:39
わけもわからぬまま、謎の追跡者から逃げまくる主人公の八神。短時間のうちに矢と見えない炎で殺人を重ねる暗黒史上の処刑人。そして内部と対立を抱えながら彼等を追う捜査陣という二枚腰、三枚腰で翻弄する。
一年三カ月前に殺されたはずの男の死体は、なぜか損傷が少なく、しかも司法解剖を待つ一夜の間に法医学教室から消えてしまう。その奇妙な事件こそが、東京を恐怖のどん底に突き落とした「墓堀人」事件の発端だった。八神は骨髄ドナーとして移植手術に臨む前日、立ち寄った知人のマンションで風呂場で殺害されている主を発見する。茫然とする八神の前に現れた三人の男は、八神の身柄を拘束しようとする。
小悪党の感と体力に任せて夜の東京を逃げ回る八神。その同じ夜、都会のあちこちで青白い炎に焼かれたり、猟奇殺人が相次いでいた。「墓堀人」を意味するグレイヴディッガーが狙うのは誰か。それらの謎に加え小悪党八神の逃避行も楽しい。刑事部と公安部の軋轢の下で、連続殺人鬼と重要参考人・八神を追いう刑事たち。刻一刻と移植のタイムリミットが迫る中、命を懸けたゲームはクライマックスを迎える。これでもかと詰め込んだサービス精神の権化のような作品。いかなるピンチにも屈しない八神の生命力には感嘆の念が込み上げてくる。
八神の逃走シーンは緊迫感があってよいのだが、あまりにも常識では考えられない身体能力を発揮し、危機を突破していく様はリアリティが無さ過ぎて残念。本来なら手に汗握ると言いたいところだが、途中から「そんなこと出来るわけない」という冷めた目で読んでいる自分がいた。謎の余韻を残す幕切れには、やや説明不足の感もあるが、エンタメ小説として割り切って読めば十分楽しめるでしょう。

No.4 7点 itokin 2016/12/10 20:06
スピードと先の展開が気になり一気に読ませるアクション作品、設定に多少の無理が合ってもそれを上回って十分面白いです。高野さんの今後を期待できる作品です。

No.3 6点 haruka 2012/03/27 00:45
相変わらずディテールを追及していて、臨場感を味わいながらサスペンスを堪能。心地よい疾走感と後味の良いラストはこの作者の美点である。

No.2 6点 シーマスター 2011/01/11 23:09
ドタバタ逃走劇と連続猟奇殺人の協奏曲。
前者は古(いにしえ)より小説、映画等でボロ雑巾のように使い古されているパターンなので、これだけで新鮮味やスリルを味わえるのは少数派だろうが、「Why?」をカナメとして後者と合わせて纏まりのいいサスペンスになっていると思う。

コケオドシかとも思われた「グレイヴディッガー」も最終段階でその必然と本領を発揮する。(細かいことは気にしない)

この物語の発端はある種のタイガーマスクであり、最後もタイガーマスクで幕を閉じる・・・と評述したら「タイムリー狙いすぎ」と一笑に付されるだろうか。

No.1 8点 E-BANKER 2009/11/03 17:47
デビュー作「13階段」を上回る面白さ。
まさに帯のコメントどおり、「ノンストップ・サスペンス大作」です。
主人公の犯罪者とそれを追う謎の集団、その謎の集団を追う謎の人物(それがグレイヴディッガー=墓堀人です)が、夜の東京を舞台に三すくみの追走劇を行いますが、警察側(読み手の視点)からは、なぜそのような状況になっているのか謎のまま話がどんどん展開していきます。
必死で逃げる犯罪者と徐々に明らかになっていく事件の背景・・・まさに一気読みでラストシーンを迎えます。
ちょっと描きこみが甘い部分も目立ちますが、欠点を補って余りある面白い作品でしょう。


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高野和明
2011年03月
ジェノサイド
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2002年08月
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