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[ 警察小説 ]
刑事の誇り
パウダー警部補
マイクル・Z・リューイン 出版月: 1987年10月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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早川書房
1987年10月

早川書房
1995年07月

No.1 5点 E-BANKER 2015/09/20 19:23
1982年発表の長編。
私立探偵アルバート・サムスンと並んで作者のメインキャラクターとなっているパウダー警部補を主役とするシリーズ。
「夜勤刑事」に続くシリーズ二作目。

~万年夜勤刑事だったパウダー警部補は失踪人課の長になった。だが正規の部下は車椅子の女性刑事ただひとりという小さな部署。ぼやきながらの初仕事は、自殺未遂者の身元調べだった。その女は全裸で発見されたうえ、一切の記憶がないという。さらに家出した妻、行方不明の姪など捜索依頼が次々と舞い込む。折しも彼は息子が犯罪に関わっている気配に気付いた。公私に山積する難題に立ち向かう辣腕刑事、シリーズ第二弾~

ネオ・ハードボイルドの旗手たる作者らしい作品。
アルバート・サムスンと同様、本作の主人公リーロイ・パウダー警部補も格好いいキャラクターでは全くない。
むしろ、閑職に追いやられ、日々雑務に追われるという体たらく・・・
そういう意味では、少なくとも「ハード」ボイルドという言葉には違和感がある。

本作では唯一の部下として登場する美貌の車椅子刑事・フリートウッドとの絡みが大きな鍵となる。
当初は満足に動けない彼女に対し、不満を隠そうとしなかったパウダーだが、相棒として仕事&時間を重ねていくうちに信頼関係が生まれ、ついには・・・
(その辺りはハードボイルドっぽいのだ)

数々と発生する失踪事件については、最終的につながったりするのかな、などとミステリーっぽい仕掛けを予想していたのだけど、そこはさすがに無理だったのだろう。
そういう意味では息子の事件もパウダーの心労を増やす役割でしかなかったのかなと思ってしまう。

まぁ書きたかったのは、タイトルどおり「刑事の誇り」だったのだろう。
こういうキャラクターに親近感、シンパシーを感じる読者も多いのではないか?
生粋のハードボイルドファンにとっては“食い足りない”のかもしれないが・・・


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