皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し 私立霧舎学園ミステリ白書シリーズ |
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霧舎巧 | 出版月: 2002年08月 | 平均: 5.29点 | 書評数: 7件 |
講談社 2002年08月 |
No.7 | 6点 | nukkam | 2024/08/08 18:11 |
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(ネタバレなしです) 2000年発表の私立霧舎学園ミステリ白書シリーズ第2作の本格派推理小説です。アリバイ崩しに挑戦していますが「あとがき」で作者は「『アリバイ崩し』もののミステリはあまり好きではありません」とコメントしており、その理由についても記述していますが私も大いに賛同します。魅力的な謎と論理的な謎解きで読者を最後まで引っ張って行こうとする作者の主張とアリバイ崩しを両立させることに成功していると思います。第8章の3でのイニシャルに関する推理はどう考えても「間違っていない?」と気になってしまいましたが、犯人とトリックの真相にたどり着く推理は丁寧です。余談になりますが前作と同様、本書でも《あかずの扉》研究会シリーズに関する言及があるのが何となく嬉しかったです。 |
No.6 | 7点 | 人並由真 | 2020/11/08 04:09 |
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(ネタバレなし)
私立霧舎学園に転校してきた美少女・羽月琴葉とその級友・小日向棚彦が、学園を現場とする「密室殺人」を解決してからひと月経った五月。二人と、そして自称・名探偵の先輩、頭木保は、また新たな事件に遭遇した。それは学内のコンピューター室で発見された、半ば密室の中の若い女の変死死体で、しかもその全裸の体にはなぜかピンクのペンキが塗りたくられていた。事件は警察の捜査が進む中でその様相を変えて、やがて現場の状況から容疑者のアリバイが取りざたされるが……。 中盤までは派手なようで小粒な謎という印象で、二作目で早くもトーンダウンかと思ったが……。後半~終盤の謎解きでの、仕込まれていたミステリギミックの連続技には、嬉しい方向に裏切られた。ひとつひとつのネタの中には推理クイズ的にシンプルなものも若干あるが、総体的な手数の多さでは、前作以上であろう(半ばメタ的……とまではいかないにせよ、妙なトコロに仕込まれた手がかりの面白さも、このシリーズならでは)。 特に<容疑者を絞り込んだアリバイ崩しでは、フーダニットの面白さが殺される。自分はあくまで犯人探しパズラーの醍醐味にこだわりたい>という作者の気概にも好感は大。 さらに本サイトのレビューでもまだ誰も言ってないと思うが、本作の「意外な犯人」のポジショニングは(中略)。(中略)っぽいと言うなかれ。ミステリというのは古来より、<こういう部分>に執着し、そしてうっちゃりかえすことで成熟してきた文化なのだと信じる。 (まあ本書の場合、その仕掛けがミステリの幹の部分に食い込んではいない、とも思うけれど。この趣向の深化は、本シリーズのこのあとの続巻にさらに期待することにする。) あとかねてから予期していたことながら、作品世界が<向こうのシリーズ>とさりげなく、しかししっかりとリンク。この辺の世界観も楽しい。 数時間でぱぱっと読めるが、ライト級の上質なパズラーではあろう。 |
No.5 | 4点 | 505 | 2015/10/13 19:43 |
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前作は『密室』がテーマであったが、本作はタイトルにあるように『アリバイ崩し』である。従来のアリバイ崩しの形とは少し違うのが特徴的。オーソドックスなアリバイ崩しとは、犯人が予め分かっているパターンが多いが、本作では犯人が隠されているアリバイ崩しものである。そのために、〝犯人単独〟のアリバイ崩しではなく、〝容疑者全般〟のアリバイ崩しに力を注ぐ必要がある。そういうことから、従来のアリバイ崩しにある『倒叙感』が薄れており、犯人と探偵の〝対決〟という構図を味わうには至ってないというのが率直な印象である。
単純なフーダニットに関しても、いくらミスディレクションが効いていても、前作ほどのインパクトは無い。人物紹介の項にヒントが巧妙に隠されているという仕掛けは、前作同様で作者のサービス精神を感じることは出来た。 本作が普通のアリバイ崩しではないのは、上記で述べたが、他にも『密室』+『見立て殺人』といったファクターがある。密室について言及すれば、必然的な状況と言えることができ、不自然さは感じられなかった。多少の強引さは否めないが。 問題なのは、本作の花形である見立て殺人である。トリックの出来自体は前作以上にミステリしており、死体の状況から上手く導かれた推理法が見られる。それでも、やはり見立ての動機が弱い。〝なぜ死体にピンク色のペンキを塗ったのか〟と密室の状況の組み合わせの試みは面白く、確かな合理性はあったのだが、それ一つの謎と考慮すると薄い。 そのペンキの乾き具合、事件前後に起きたハプニング、確かな死体の死亡推定時刻によって、アリバイ崩しにしては時間が狭まりすぎて、容疑者の数がおおいに絞られる(登場人物が少ないこともあるが)。そういうことから、逆説的に犯人を隠す形式のアリバイ崩しにしたとも言えるので、作者の意図は納得できると言えるだろう。そのアリバイ崩しにトリックがあるので、そこからより犯人が絞られるので、その辺の演出はどうなのだろうかという疑問は残る。それでも読む分には差し支えない出来である。 |
No.4 | 5点 | ボナンザ | 2014/11/22 22:13 |
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まずまず。寒い語り口は相変わらずだが、アリバイ崩しとしては読める。 |
No.3 | 6点 | 測量ボ-イ | 2013/02/23 07:11 |
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著者曰く、アリバイ破りは得意ではないとの事ですが、まずまず
の作品。ただ犯人の意外性は前作ほどではないでしょうか。 (アリバイものだからいた仕方なし) 採点は5点クラスが妥当も、読みやすく、現場の見取り図や時制 表を提示してわかり易い構成を好感してプラス1点。 |
No.2 | 5点 | isurrender | 2011/05/10 02:11 |
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アリバイトリックの発想は面白かったかな
ネタバレになるが、まさか登場人物紹介に伏線を張るとは… |
No.1 | 4点 | 江守森江 | 2009/05/24 07:45 |
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次作への繋ぎななのかミステリとしてはぱっとしない。
一方で恋愛模様はキャラが増えて楽しくなってきた。 |