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[ クライム/倒叙 ]
暗殺をしてみますか?
生島治郎 出版月: 1985年04月 平均: 5.50点 書評数: 2件

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集英社
1985年04月

No.2 6点 人並由真 2026/05/07 05:39
(ネタバレなし) 
 在日米兵と売春婦の間に生を受け、孤児院で成長したハーフの厚木丈二は28歳になった現在、ハワイの一角で女を食い物にする美青年の「ガール・ハンター」として生きていた。そんな彼に、太った小柄な老人・城所とその娘と称する美人・由紀子が接近。二人は十万ドルの報酬と引き換えに、ある人物の暗殺計画への協力を厚木に申し出る。大金と同時に由紀子に魅入られた厚木は彼らの仲間になるが、城所はさらに二人の仲間の計画への参加を構想していた。

 古書市で200円で購入した、集英社文庫版で読了。元版は1981年12月だそうだが、たぶんどこかの雑誌か新聞の連載作品だろう? すでにある種の職人感を帯びた時期の生島の一作で、それだけにリーダビリティは高く文庫で400数十ページを二時間半で読める。大づかみな感想は、先の虫暮部さんのものにおおむね同感。
 ただし読んでいる間は、ヤマ場にもならない? うちに残り頁が加速度的に減じて来る感覚がちょっと独特な味わいであった。ああ、西村寿行の初期作品の一部とかに似てるな。『娘よ、涯無き地に我を誘え』とか。

 そもそもこの男性メインキャラのトリオでチームを組まされる必然、どれくらいあったの? という気もするが、その辺はまあ、作劇シフト的に先にそういうものを作者が書きたかったんだろうね。
 その辺を含めて、昭和晩期の生島ハードボイルド(クライム)なら、こんなもんでしょう、という感じでもある。ただ随所にちょっと心に引っかかる場面はあり、トータルとしてはそんなに悪くは思えない。佳作。

No.1 5点 虫暮部 2024/08/29 13:08
 前半、あぶれ者の孤独感みたいなものに今一つ説得力が感じられず。このへんの微妙な差ってどこで生じるんだろうか。
 後半、暗殺計画が存外にチャチに思える。頭脳戦と肉弾戦の半端な中間地点。ああいう準備をしておいてこんなもんか、と。特に、相手方の側近があれで寝返る展開は安直。
 読み終えてみると、能力のある作家がキチンと仕事をした、と言う以上の独自性は見出せなかった。タイトルから連想するようなユーモラスな筆致でもない。もうちょっと何か欲しいな。


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