皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 首挽村の殺人 藤田警部補シリーズ |
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大村友貴美 | 出版月: 2007年07月 | 平均: 4.60点 | 書評数: 5件 |
角川書店 2007年07月 |
角川書店(角川グループパブリッシング) 2009年09月 |
No.5 | 6点 | 虫暮部 | 2024/09/19 12:22 |
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横溝を00年代に再現、しても様にならないが、その様にならなさが一つの個性ではあるかもしれない。田舎小説としては、やや紋切り型ではあるがなかなか読ませる。
と言うのが全部カムフラージュ。真相に私はかなり驚いた。疫病神が本当に疫病神だった、と言う話。 沢下、木下、沢田……ネーミングが雑じゃない? |
No.4 | 5点 | E-BANKER | 2022/12/17 14:21 |
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2007年(第27回)横溝正史ミステリ大賞の大賞受賞作であり、作者のデビュー長編。
改めて調べてみると、個人的に大賞受賞作で読了したのは、長沢樹の「消失グラデーション」だけということが判明・・・ ということで単行本も2007年の発表。 ~秋田県との県境に程近い岩手県の山奥にある鷲尻村。長く無医村状態が続いた当地に待望の医師が赴任した。その直後、彼は何者かに襲われ帰らぬ人となった。巨熊に襲われたと噂される彼の代わりに新たに赴任した医師・滝本。だが、着任早々彼は連続殺人事件に遭遇することとなる。先祖の祟りに縛られたこの村で、彼らを襲うのは伝説の「赤熊」なのか、それとも・・・?~ いやいや、なんて重苦しいストーリーなんだ。約15年前とはいえ、世の中はとっくにIT化が進み、電化製品(死語?)に囲まれた生活が当たり前となっていた時代なのに、「巨大な熊」が登場するわ、「江戸時代の飢饉に纏わる恨みつらみ」が事件の根にあるわ・・・ いくら岩手県の山奥とはいえ、時代錯誤も甚だしいのでは?という感覚で読み進めた。 当然これは「それらしい」雰囲気づくりであるし、横溝ファンを公言していた作者ならではなのかもしれない。 事件は途中で村に伝わる昔ばなしのとおり起こっているという、いわゆる「見立て殺人」の様相を呈してくる。それと同時に、件の「赤熊」の襲来による悲劇も加わり、寒村は大混乱に陥ってしまう。 ここまで未曽有の事態なのに、村民は割と冷静なのが何ともアンバランス。(熊に襲われるシーンなどは、もっとサスペンスフルにできたのではなどと思ってしまう) そう、何とも「アンバランス」なのだ。 事件の真相も、実はここまで散々語ってきた寒村の歴史や「見立て」とは別の次元の要素で解決を見てしまう。 そこはミステリーとしてはサプライズというか、作者なりの「仕掛け」なのかもしれないが、個人的には異なる「要素」がうまく混じり合わないまま終盤までもつれ込み、結局読者の推理などとは別次元の要素で解決してしまっているではないかという感覚になってしまっている。(表現が拙くてスミマセン) 確かに、そこは序盤から「いかにも何かありそう・・・」という伏線らしきものは置かれてはいたんだけどなぁー。「いかにもコイツでは」という真犯人を読者に想起させる手法などとともに、やはりデビュー作という「粗っぽさ」は目についた。 でも、まぁ仕方ないよね。デビュー作だし。単行本巻末には選考委員のコメントがあるけれど、割と厳しい選評が多くて「よく受賞出来たなあ」という感じがしないでもない。 当然ながら個人的にはこういう本格ミステリーは大好物だし、時代錯誤も大歓迎だし、ガジェット満載なのもウェルカムなのだが、本作はそういう部分とは別のところで、高評価はしにくいなという印象になった。 (探偵役となる藤田警部補はその後シリーズ探偵になるんだね。読んでみようか・・・微妙) |
No.3 | 5点 | 測量ボ-イ | 2015/09/12 15:24 |
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過疎の村で起こる連続殺人。確かに雰囲気は横溝の亜流ですね。
本編の中で、過疎の村ならではの問題点も浮き彫りにされ、そう いうところは社会派っぽいところもあります。 惜しむらくは文章が読みにくく、テンポがあまりよくない。国内 作品に割に、読破に時間を要しました。 |
No.2 | 2点 | メルカトル | 2009/10/27 20:18 |
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久しぶりに読むのが苦痛だった、残念な一冊。
現代の横溝正史・・・? ご冗談でしょう。 大横溝に対して失礼。 面白いとかつまらないとか、それ以前の問題。 |
No.1 | 5点 | nukkam | 2009/10/19 19:49 |
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(ネタバレなしです) 大村友貴美(1965年生まれ)が2007年に発表した藤田警部補三部作の第1作にしてデビュー作の本格派推理小説です。地方色を出しており、それを上手く謎解きに絡めています。ただ探偵役としては藤田警部補は存在感が薄いし雰囲気の盛り上げ方にもまだまだ改善の余地があると思います。本書(角川文庫版)で「21世紀の横溝正史」と激賞されたことがこの作家の重荷にならなければいいがと心配になります。まだデビューしたばかりで「横溝とはここが違う」という指摘が多いのにはちょっと同情したくなります。 |