海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ サスペンス ]
存在しなかった男
警視庁捜査一課田楽心太の事件簿
大村友貴美 出版月: 2011年09月 平均: 5.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


角川書店(角川グループパブリッシング)
2011年09月

角川書店
2013年09月

No.1 5点 2012/12/11 21:44
初期作品は横溝正史と比較されることも多かった作者ですが、本作は全く違っていて、某古典的フランス映画をどうしても連想してしまいます。その映画を知らなくても、またミステリを読み慣れていなくても、この真相には早い段階で気づいてしまうでしょう。飛行機の中の人間消失という冒頭の謎に対しては、論理的に考えればただ一つの答しかありません。
まあ、そのような謎解き的観点からのみ論じられるべき小説を書く作家でないのは、『死墓島の殺人』からもわかっていたことですが、今回ヒロインが津軽方面を訪ねるシーンには、水上勉に近い雰囲気さえ感じてしまいました。2011年発表作品で、東日本大震災にも言及されていたりして、現代の状況が描かれてはいるのですが。
真相のほとんどが明らかにされた後も70ページぐらい残っていて、逮捕後の犯人取調べ部分が一番の読みどころと言えるでしょう。


キーワードから探す
大村友貴美
2019年07月
緋い川
平均:6.00 / 書評数:1
2012年12月
前世探偵カフェ・フロリアンの華麗な推理
2011年09月
存在しなかった男
平均:5.00 / 書評数:1
2010年09月
犯罪に向かない男
平均:6.00 / 書評数:1
2009年09月
霧の塔の殺人
平均:5.00 / 書評数:2
2008年08月
死墓島の殺人
平均:5.50 / 書評数:2
2007年07月
首挽村の殺人
平均:4.60 / 書評数:5