海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
サクラオト
彩坂美月 出版月: 2021年01月 平均: 6.50点 書評数: 2件

書評を見る | 採点するジャンル投票


集英社
2021年01月

No.2 7点 まさむね 2025/05/06 18:50
 五感(聴覚・視覚・嗅覚・味覚・触覚)をテーマにした5編に加え、最終話で「第六感」を扱う連作短編集。
 結構イイですよ。ミステリとして突き抜けた何かがあるとは言えないまでも、青春ミステリとして鮮やかで沁みる短編も。1作前の「向日葵を手折る」に通じる巧さを感じました。こうした年代・雰囲気が得意なのかもしれませんね。締めとなる最終話についても、個人的にはプラスに評価したい。良い連作短編を読ませていただきました。

No.1 6点 ことは 2023/12/31 01:42
初出を参照すると、時間をあいて書かれている。そのせいか、後の作にいくほど描写がうまくなっている。特に第5話の導入はなめらかな語りで、かつ、緊迫感があり、実にいい。
しかし、個々の作品のプロットについては、強引さが感じられ、現実感のある作風との違和感があり、少しのれなかった。強引さのため、(最終話で自身で書いているくせに)「キャラクターと行動に齟齬があります」という状態になっている。
例えば3作目では、普通の人に感じられる視点人物が、いきなり探偵役をつとめるので、二重人格かと感じられるほどだ。やはり、ホームズ/ワトスン・システムはよくできているのだと、実感した。
全体の仕掛けも効果はいまひとつ。丁寧に伏線がはられているが、それでも納得感が足りない。
文章表現は、よいと思ったので、作品はチェックしていこうと思う。ひょっとしたら、仕掛けと表現がかっちりはまった「これは好み」という作品を書いてくれるかもという期待はある。


キーワードから探す
彩坂美月
2025年01月
そして少女は、孤島に消える
平均:5.00 / 書評数:1
2021年01月
サクラオト
平均:6.50 / 書評数:2
2020年09月
向日葵を手折る
平均:7.50 / 書評数:4
2019年06月
みどり町の怪人
平均:5.67 / 書評数:3
2017年09月
金木犀と彼女の時間
平均:5.00 / 書評数:1
2015年08月
柘榴パズル
平均:6.00 / 書評数:4
2012年07月
文化祭の夢に、おちる
2011年08月
夏の王国で目覚めない
平均:7.00 / 書評数:2
2011年06月
ひぐらしふる
平均:4.00 / 書評数:1
2009年08月
未成年儀式