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[ 短編集(分類不能) ]
初恋さがし
真梨幸子 出版月: 2019年05月 平均: 5.50点 書評数: 2件

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新潮社
2019年05月

新潮社
2022年02月

No.2 7点 ミステリーオタク 2022/09/24 22:31
 今年に入って文庫化された作者お得意の連作短編集。

《エンゼル様》
 相変わらずのリーダビリティの高さで始まるが、オチは大体見えてしまう。お下劣描写も健在・・・などと思いながら読み進めたが、最終章のある一文が琴線に突き刺さって涙が出そうになった。そりゃないよ、マリ先生。

《トムクラブ》
 メインの捻りは斬新とは言えないが軽妙で悪くはない。でもストーカー絡みの話はイマイチピンと来ずスッキリしない。最後もさほど驚くべき展開とも思えない。

《サークルクラッシャー》
 これはアクの強さはあまりないが、サスペンスミステリとして普通に面白い。初めは全く解らなかった2つの物語のつながりが段々見えてくる展開も作者らしくて小気味いい。エンディングも意表を突く形でまあまあ。

《エンサイクロペディア》
 これも面白い読み物だが、いかにも「続く」という形で終る。

《ラスボス》
 このふざけた話のような中の緻密さとバカっぽくも感じられる心理描写こそはマリちゃんの真骨頂の一角だろう。これも露骨に「続く」で終る。

《初恋さがし》
 これは表題作に相応しく、いかにも作者らしいショートミステリ。単品でも問題なし。

《センセイ》
 本短編集のマトメになるが、いつもの連作短編集同様目まぐるしいアンサーディスプレイ、そしてラスボスの正体。
 

各種書評サイトでは「今までに比べてパワーが落ちている」などというニュアンスの感想が多かったような気がするが、確かに「エログロ」や「生臭さ」のグレードは昔の作品に比べると高くないかもしれないが、作者の長年の創作活動に裏打ちされた技巧性はかなり高い連作短編集だと個人的には感じた。というか、こうも「引っ掻き回して回収する」連作短編集を書くのはこの人ぐらいではないだろうか。

No.1 4点 HORNET 2020/02/24 19:53
 この方お得意の、連作短編形式で各話の人間関係が次第に複雑に絡み合っていくパターン。ただ今作はなんというか、会話や展開が非常にチープで短絡的な感じがした。短い展開の中でいろんなことがぴょんぴょんくっつきすぎていくというか・・・
 マンガみたいなカンジだった。


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真梨幸子
2022年03月
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