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[ SF/ファンタジー ]
華胥の幽夢
十二国記シリーズ
小野不由美 出版月: 2013年12月 平均: 8.00点 書評数: 1件

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新潮社
2013年12月

No.1 8点 小原庄助 2018/03/04 09:45
本シリーズの世界観では、霊獣麒麟が王を選ぶ。王が道を誤ると麒麟が病んで死に、そのことによって王が玉座を追われて国が滅ぶのだが、「華胥」はまさにその麒麟が死の危機に瀕しているという話なのだ。
だが、王は暴利をむさぼっているわけでもなければ、統治に倦んで放埒に明け暮れているわけでもない。むしろ彼は、かつて愚策を続ける前王を糾弾して民の支持を受けてきた存在で、実際に王に選定されてからも国土の立て直しに全力で取り組んできた。なのに、なぜ。
そして物語は、やがてある一文にたどり着く。「責難は成事にあらず」
人を非難することは何かを成す事ではない。彼は前王とは違う道を進めば間違いないと信じてきた。だが、疑いを持たないということは、その意味について深く考えないということでもある。
自分はまさにこれではなかったか。相手にも相手なりの意図や理想や欲求や正義があることを想像してみることもなく、ただ自分の思考に相手を当てはめてきただけではなかったか。
この一文によって、人生観すら変わった。そうして本が持つ力を身をもって体感したことで、さまざまな人間の内面に向き合ってみたいと思わせてくれた。


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