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[ 日常の謎 ] 優しい死神の飼い方 死神シリーズ |
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知念実希人 | 出版月: 2013年11月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
光文社 2013年11月 |
光文社 2016年05月 |
No.2 | 6点 | まさむね | 2022/02/05 22:09 |
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ゴールデンレトリーバーに姿を変えた死神が死を控えた人間の未練を次々に解消する連作短編なのかなと思ったら、後半はサスペンス的な盛り上がりもあって楽しませてくれました。いかにも、と言ってはダメなのかもしれませんが、様々な工夫にも好印象。売れるでしょうねぇ。レオ(ゴールデンレトリーバー)と菜穂、さらに患者たちの関係性がイイ。切ないのだけれども、何とも言えない清々しさと勇気をもらえましたね。 |
No.1 | 6点 | メルカトル | 2017/11/09 22:12 |
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ホスピス「丘の上病院」に余命幾ばくもない患者たちの未練を断ち切り、地縛霊とならないように派遣された死神。彼はなぜかゴールデンレトリバーの姿となり「仕事」に向かおうとするが、あまりの寒さのため死にかけのところを若い看護師菜穂に救われる。そしてホスピスに入り込むことに成功した死神は、患者の未練をその能力で探っていくが・・・。
第4章まではいわゆる日常の謎系ですが、それ以降物語はそれまでのハートフルな「いい話」から死神と菜穂の冒険活劇の様相を呈します。死神が救った三人の患者を始め、菜穂の父親である院長や彼女が憧れる医師の名城ら、個性的な登場人物はかなり上手く描き分けられており好感が持てます。 現状、このような口当たりの良い、まろやかで感動できるミステリが持て囃される時代なのでしょうが、まあ良し悪しは別として本サイトの本格好きなマニアには、間違ってもお薦めは出来ません。 しかし、悪食の私にとっては決して見逃すことのできない作品ではありました。エピローグは涙なくして読むことができません。 ただ、多産系の作家にありがちな文章の「軽さ」だけはいかんともしがたいものがあります。読みやすければ何でもいいという訳ではないと思いますので。さすがの私も。しかし、本作が一般読者に受けている理由は私なりに理解できる気がします。 【ネタバレ】 第1章に一点だけ、心理的に矛盾していると思われる箇所があります。命がけで好きな男を戦争から守るために駆け落ちしようとしている女が、大事なものを忘れるはずがないということです。 |