小湊さんの登録情報 | |
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平均点:7.90点 | 書評数:10件 |
No.10 | 5点 | 黒い仏 殊能将之 |
(2004/12/16 05:54登録) 中途半端という意味での「5」です。ラストのオチは 賛否両論あると思いますが、思い切りやってくれてた なら全然OKだったのですが…という感じ。ミステリ部分に関してはさほど奇抜な展開もなく、取材感ありありな状況描写と福岡ダイエーホークス臭が満載。 文章力はあると思うし、話の発想自体は嫌いではないので、他の作品に期待したいと思う。 |
No.9 | 8点 | 美濃牛 殊能将之 |
(2004/10/24 14:03登録) 久しぶりにミステリーで驚きを味わい、世の中で一番怖いのは「人間」だということを再確認させてくれた作品。現代という時代設定の中で「横溝的世界」を描くのは至難の業だと思うが、うまくその雰囲気が出ていたように思う。(無論、戦後間もないやるせなさなどは、時代自体が違うので望むべくもないのだけど) この作者、タイトルは奇抜なものが多いが、文章はすごくしっかりしている。キャラクターも良い。タイトルだけで拒絶している方、一度手にとって読んでみる ことをオススメする。 |
No.8 | 9点 | 時計館の殺人 綾辻行人 |
(2004/10/11 01:31登録) 館シリーズの中では一番好きな作品。館の必然性、壮大なトリック、この2つが見事に融合した、まさに集大成。冒頭の雰囲気も良かったし、全てが終わった後の、なんとも乾いた感じというか、作品全体に漂う物悲しい空気が良かった。多少強引でもこじつけでもいいから、こういうパワーを持った仕掛けがある作品は強いなと改めて強いなと思いました。こんな館を今後も待ってます。 |
No.7 | 10点 | 追憶のかけら 貫井徳郎 |
(2004/10/03 17:42登録) 2004年(10月3日現在)ベスト1の作品。 魅力的な謎と、時代を超えてそれを追っていく過程、 時代と、それが生んだ悲劇、現代人の誰もが持つ 閉塞感と、そこから脱出したいという願い、物語の 最後、ちょっと泣きそうになった。 20代後半から40代ぐらいの人にオススメしたいと なんとなく思った。 文章がうまいのは相変わらず。登場人物も魅力的。 文句のつけどころは読後かなり経っているが見つからない。これはスゴイ作品だと思う。 |
No.6 | 6点 | 暗黒館の殺人 綾辻行人 |
(2004/10/03 17:26登録) 確かに驚きはある…が、今までの館シリーズの中では 中程度といったところか。禍々しい雰囲気はよく出て いたと思うが、僕が“暗黒”という言葉から空想した イメージの物語とは違っていた。ある種、血腥いのを 待っていたのだが…。細かいトリックはハッキリいって驚くべきものではない。メイントリックにもう少し パワーがあれば、そんなの吹き飛んでしまうのだが。 なんだか苦言ばかりで申し訳ないが、なるべく早い 次回の『館』に期待したい。もっと気楽な気持ちで綾辻さんが昔持っていた“無邪気さ”で魅力的な謎を 紡いで欲しい。期待を込めての「6点」です。 |
No.5 | 8点 | 今はもうない 森博嗣 |
(2004/01/04 05:43登録) わりと鮮やかにだまされた作品。 だまされたの前に(清清しく)と入れたくなるよう な読後感でした。 ・・・でも、なによりこの作品が好きな理由は ラストの散文詩のような一連のフレーズ。 あの一文を読めただけでも、この本を買った価値が あったなと思わせる、素敵な言葉の調べでした。 |
No.4 | 9点 | 陰摩羅鬼の瑕 京極夏彦 |
(2003/11/16 16:11登録) 人間というのは、いかに狭い世界観と脆弱な常識の 中で生きているのか、と改めて思い知らされた作品。 ミステリ、パズル小説と捉えるにはあまりに重くて 悲しい作品だが、5年という月日が無駄でなかったと 僕は思います。とても面白かった。 |
No.3 | 7点 | 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 麻耶雄嵩 |
(2003/08/06 06:06登録) 「現代に多少読みやすくなって甦った黒死館殺人事件」という印象(失礼!)を持ちました。 作品の雰囲気などはとても好きですが、読みづらい と思われる部分も。でもこれを書き上げた作者の当時 の年齢を考えるとスゴイと思います。 |
No.2 | 8点 | クリムゾンの迷宮 貴志祐介 |
(2003/08/03 00:48登録) 設定とストーリー中盤の展開は文句なし。 人間が文字通りモンスターになっていく過程が 身震いするほどおぞましかった。 オチさえああでなければ、満点を付けたい作品。 |
No.1 | 9点 | ひまわりの祝祭 藤原伊織 |
(2003/07/14 02:07登録) 「ひまわりの祝祭」 個人的には「テロリストのパラソルより、こちらの作品の方が印象に残っている。甘党の主人公に妙に共感 するところがあったせいか。ミステリーともハードボイルドともつかない微妙なラインを行く独特の作風が 好き。キャラクターも一人一人魅力に溢れている。 それにしてもこの方は、文章がうまい。 無駄がなくそれでいて言葉が足りないことがない。 「9」という評価の中には、この卓越した文章力が かなりのウェイトを占めている。お見事。 |