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ミステリの祭典

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八二一さんの登録情報
平均点:5.77点 書評数:445件

プロフィール| 書評

No.325 5点 天使
佐藤亜紀
(2023/09/12 20:12登録)
感覚を研ぎ澄ませていくことで、自分の体や周囲を制御する特殊能力を持つ主人公ジョルジュ。オーストリア諜報機関の顧問官に育てられたジョルジュは、第一次大戦前夜の欧州で、国家機密に関わる密命を帯びる。
自意識とその壮大な闘い、渦巻く陰謀が描かれている。


No.324 5点 芝生の復讐
リチャード・ブローティガン
(2023/08/22 20:21登録)
密造酒を造る祖母、岩の中の彩り豊かな世界を娘に語る父。カリフォルニアの太陽と静かな雨の記憶の中で紡がれ、奇妙だが鮮烈な感動を呼ぶ、幻想的な物語。


No.323 5点 水晶内制度
笙野頼子
(2023/08/22 20:18登録)
男性社会を強烈に批判するとともに、その矛先は女性たちにも向けられる。大塚英志との論争を背景にしているが、例えそれを知らなくてもフェミニズムSFとして充分に堪能できる。
アグレッシブで情念に満ちた濃密な幻想小説である。


No.322 4点 背の眼
道尾秀介
(2023/08/22 20:14登録)
オカルト現象をあるロジックによって解明していくという、本格ミステリ的な要素があるけど、論理の幅が狭すぎて不完全。
仮説検証の回数が足りないし、ワンアイデアで書いた小説という気がする。


No.321 5点 眠れる人の島
エドモンド・ハミルトン
(2023/08/22 20:11登録)
孤島に漂着した男の見る夢がそのまま現実となる表題作、姿を見た者を殺す力を持つ一族との戦いを描く「邪眼の家」など全5編。
幻想趣味と怪奇の味わいに満ちたSF短編集。


No.320 7点 第三の時効
横山秀夫
(2023/08/22 20:08登録)
主婦、証券マン、調理師と三つの連続殺人事件が起こった。F県警は巧妙に仕組まれた事件に取り組むが。
刑事らの個性や苦悩、警察内部の覇権争いなど、リアルなプロットで描いた6編の連作短編集。


No.319 7点 博士の愛した数式
小川洋子
(2023/08/22 20:05登録)
80分しか記憶が維持できない男やもめの数学博士と、家政婦が繰り広げる奇妙だが、悲しい恋の行方を描く。
数式が恋の伝言となり、数学と文学がまろやかに重なる美しい物語。


No.318 7点 将軍の娘
ネルソン・デミル
(2023/08/04 20:34登録)
探偵役のペアが元恋人という設定で、これが話に彩りを添え、ユーモアの薬味が効果的に使われている。
しかも従来の作品にはなかった謎解き仕立て。フーダニットの謎だけでなく、ホワイダニット、ハウダニットの謎も用意されていて読み応えがある。


No.317 7点 キマイラの新しい城
殊能将之
(2023/08/04 20:31登録)
石動戯作のコスプレ姿に笑い、カー顔負けの密室談議に唸り、ロポンギルズにおける大アクションに喝采し、堅牢なロジックに脱帽し、最後に用意された島田荘司ばりの大トリックに腰を抜かす。バカミス好きにおすすめな作品。


No.316 5点 サウダージ
垣根涼介
(2023/08/04 20:27登録)
人間の暗部を見つめながらも、ノワール系とは対照的にラテンのリズムでからりと描いたクライムノベル。
愚かで淫らで強欲で、しかも美しい娼婦、DDが強烈な印象を残す。


No.315 5点 カジノに罠をかけろ
ジェイムズ・スウェイン
(2023/08/04 20:24登録)
作者の描くギャンブル界の舞台が、なんとも楽しい。あの手この手を披露しながら、さらに読者にいっぱい食わせてみせる。
フロリダで暮らす元警察官という主人公の稼業もユニークだし、その飄々たるキャラクターもいい味出している。


No.314 5点 幸運は誰に?
カール・ハイアセン
(2023/08/04 20:19登録)
主人公のジョレインをはじめとして、悪漢のコンビ、コンビニの店員、新聞記者、そして住民たちまでもがとにかく個性的で愉快。
田舎町を舞台に、捧腹絶倒のスラップスティックを繰り広げる。


No.313 7点 草の根
スチュアート・ウッズ
(2023/07/16 20:29登録)
弁護士として引き受けざるを得なかったレイプ裁判の弁護、CIAの女性高官とのロマンス、テロリスト集団の暗躍、それを追う刑事など、ストーリーは多岐にわたる。これを結末で収束させる手際はお見事。
作者が米大統領選に関与しただけあって、議員選挙を巡る話がとりわけ読ませる。


No.312 9点 推定無罪
スコット・トゥロー
(2023/07/16 20:25登録)
プロットを実によく練り上げてある。ハイライトの法廷場面に至るまで、検事局内での勢力争いなどを描きながら、サビッチ夫妻や彼を助ける刑事らの心理の綾を浮き彫りにする。
法廷での激しい駆け引きに目を奪われているほど、どんでん返しをくらう。そして先が全く読めないままサプライズエンディング。


No.311 5点 弁護士は奇策で勝負する
デイヴィッド・ローゼンフェルト
(2023/07/16 20:22登録)
作者のコメディセンスは、なかなかのものがあるが物語の底を流れるテーマである父と子の絆や、危機的な状況を切り抜ける反則すれすれの法廷戦術の面白さもある。個性派揃いの脇役も充実。


No.310 6点 炎の色
ピエール・ルメートル
(2023/06/24 20:24登録)
1930年代前後のフランスを舞台にしたサスペンス。
資産家の女性が奸計により資産も邸宅も失うが、数年後、曲者たちを集めて自分を裏切り栄華を極めた者たちに復讐していく。
波乱万丈の変転劇は、ぐいぐい読ませるし後半はコンゲームの連続で楽しめる。


No.309 5点 指名手配
ロバート・クレイス
(2023/06/24 20:19登録)
性格は軽いが頼りになるエルヴィス・コールが、連続窃盗の罪を犯した少年のために奔走する。
二人組の犯罪者が少年を追っており、その手から守りながら彼を警察に自首させるという難しい依頼にコールは取り組むのである。動きの多いも物語の中に、探偵の大人の魅力が光る。


No.308 6点 夏の沈黙
ルネ・ナイト
(2023/06/24 20:16登録)
秘密にしておきたいある夏の出来事。それが何者かの手によって、20年の沈黙を破り、静かに動き出す。出来事の断片は寄せ集められ、一つのものが仕立て上げられる。
決して気持ちがいいとは言えないその物語は、最も知られたくない最愛の家族の元に本という形で届けられる。最後まで沈黙を貫いたのは誰なのか。ラストにやるせなさと希望の光が押し寄せる。


No.307 6点 廃墟ホテル
デイヴィッド・マレル
(2023/06/24 20:11登録)
うち捨てられた廃墟を専門に探検するクリーパーと呼ばれる人々を材にとったところがなんともユニークな本作だが、ホラーサスペンスの文脈が、後半サバイバル調になるあたりのサービス精神もたっぷり。
作者がランボーの生みの親であることをふと思い出させてくれる展開も楽しい。


No.306 5点 ラブスター博士の最後の発見
アンドリ・S・マグナソン
(2023/06/06 20:16登録)
ある科学者の数々の発明で、悪童は人生を「巻き戻し」され、ぴったりな恋人は、「計算」され、死後は夜空の「星」に。
合理的でハッピーな人生が約束された社会で、一組のカップルが試練に直面する。アイスランド発のポップな終末と再生の物語。

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