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ミステリの祭典

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博士の愛した数式

作家 小川洋子
出版日2003年08月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 5点 zuso
(2025/05/21 21:47登録)
交通事故の後遺症で、八十分しか記憶することの出来ない天才数学者の「博士」と、その博士の家に派遣された家政婦の「私」と、私の息子。
三人がそれぞれに、お互いを思いやりながら過ごした日々。淡々と静かな小説なのに心の芯が熱くなるそんな小説。

No.2 7点 八二一
(2023/08/22 20:05登録)
80分しか記憶が維持できない男やもめの数学博士と、家政婦が繰り広げる奇妙だが、悲しい恋の行方を描く。
数式が恋の伝言となり、数学と文学がまろやかに重なる美しい物語。

No.1 7点 斎藤警部
(2018/04/30 10:13登録)
Viva特殊設定! 日常のちょっとした謎に、結構なサスペンスと、大きな感動。いかにも最後は泣かせげなストーリー振る舞いのくせに、無意識に流れる心のBGMは何故か明るい。素敵だ。素数だ。友愛数だ。。。。作者ならではの独特な’痛さ’や、ごく一般人の筈の主人公が作者自身並に頭の良過ぎる言動を晒すバランスのおかしさは見え隠れするが、それすらサスペンスの控えめな醸造に貢献。まるで逆イヤミスの様だ! 不謹慎のフの字も出ない障碍者ユーモアがこの世の中の愛おしい素晴らしい側面を描写する。作者らしい、羅列で心を揺らすテクニークもわざとらしく無さ全開で披露。中途には思いがけぬ大転回も!! 。。。。結末はブライトエンド過ぎて’ミステリファン受けする一般小説’とはイメージが直接絡み合わないかも知れないが、私にとっては、ミステリの原色虹色を吸いきった絵筆をひたす洗い水の必要善の如し。この味わいは私に必須の癒しエレメントに違いない。8時間で記憶が消える数学者とその家政婦とその息子、そして●●●の●●の物語。 我が老父も阪神ファンであることを思わずにいられない小説でもある。

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