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ミステリの祭典

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kanamoriさんの登録情報
平均点:5.89点 書評数:2432件

プロフィール| 書評

No.12 5点 欧亜純白・ユーラシアホワイト
大沢在昌
(2010/03/03 15:22登録)
怒涛の謀略系冒険サスペンス大作。日米の潜入麻薬捜査官が謎の麻薬密売組織の野望と対峙するお話。
なんとなく古臭いストーリーだなと思っていたら、だいぶ前に週刊誌に連載されていたものだった。上下巻1000ページを超える大作の割に最後がしょぼい。なぜいままで出版されていなかったのか、分かるような気がする。
評価は本の重さで腱鞘炎になりかけたので▲1点。


No.11 5点 徳利長屋の怪
はやみねかおる
(2010/03/03 15:06登録)
夢水清志郎事件ノート外伝・大江戸編パート2。
傑作「消える総生島」では見事にまるまる島をひとつ消しちゃいましたが、今回は江戸城を消してくれてます。
こどもだましと言うなかれ、ジュブナイルなんだから。


No.10 7点 地獄島
栗本薫
(2010/03/01 21:38登録)
謎の女形役者・夢之丞が主人公のお役者捕物帖シリーズ第2弾。
ただし、捕物帖とはいっても今回は伝奇時代小説になっています。前作の「吸血鬼」は正統派連作捕物帖だったが、いきなりの軌道修正。城昌幸の「若さま侍」といい長編だとどうしても伝奇になってしまうのかもしれない。伝奇ものは大好物なので、これはこれでOKなんですが。
お話のほうは、冒頭の夢之丞の失踪に始まり伝奇もののお約束の善玉悪玉入り乱れ、地獄島になだれ込む。そして、最後に夢之丞の正体が・・・やはり栗本さん芸達者です。SFファンタジーのほうへ行かずに伝奇ものをもっと書いてほしかった。傑作。


No.9 6点 疑心
今野敏
(2010/03/01 20:45登録)
警察キャリア官僚から大森署長に異動させられた竜崎という人物のキャラクター小説、シリーズ第3弾。
一種の企業小説、家族小説で、さらに警察小説としても読めないこともないというお得な作品。今回はさらに中年の恋という要素も加わった。
懸案の事件に対する戸高刑事(安積班シリーズの須田刑事に相当する役割)のあり得ないほどの働きとご都合主義や、禅の極意を短期間で会得するなど突っ込みどころが満載で非常に楽しめた。書類のハンコ押しの繰り返しギャグも見事に決まった。
なによりサクサク読める点がこの作者の持ち味だから、時間を無駄にしたと思わせないところが一番よかった。


No.8 5点 交叉する線
草野唯雄
(2010/03/01 18:53登録)
初期のミステリ作品集。
やはり表題作の中編「交叉する線」が面白い。二つの無関係と思われる事件をそれぞれの捜査状況を交互に描写し最後に意外なところで交叉する、サスペンスあふれる力作。準ベストは「一人だけの鉱山」か。
ただ、ほとんどの作品が炭鉱を舞台背景にしており、読み進めるうちに、またかとうんざりさせる点が難点。


No.7 6点 特捜検屍官
島田一男
(2010/03/01 18:33登録)
警視庁鑑識課の近江警部を主人公とする連作ミステリ。
タイトルから通俗捜査小説をイメージするが、密室殺人、凶器消失トリック、アリバイ崩し等不可能興味満載の本格ミステリである。なかでもバラバラ殺人の意外な結末「屍臭を追う男」が秀逸。
主人公の近江も魅力的だが、脇を固める小学生の娘・町子や解剖教室の千葉教授とのやりとりなど非常に楽しい。
後の「科学捜査官」などの捜査官シリーズの先駆といえる作品。


No.6 4点 堂場警部補の挑戦
蒼井上鷹
(2010/03/01 18:07登録)
ジョイス・ポーターの史上最低お下劣刑事ドーヴァー警部もののパロディ連作ミステリ。
「堂場4/切実」とかタイトルだけで笑わせてくれるが、内容は微妙にツボを外しているような感じがする。
期待していたものとちょっと違った。


No.5 6点 月をのせた海
陳舜臣
(2010/02/28 21:43登録)
比較的初期のノンシリーズ長編ミステリ。
中国大陸での過去の秘密が現在に陰を落とす、例によって「草は枯れても根は生きていた」パターン。
(以下ネタバレ)
写真によるアリバイトリックはちょっとアレですが、最後に描かれた逆転の構図はお見事。操りミステリとして及第点かな。


No.4 5点 硝子のドレス
北川歩実
(2010/02/28 21:22登録)
肥満女性のためのダイエット・コンテストに選ばれた女性たちが、あるとんでもない狂気に襲われるという話。著者の長編第2作で題名はシンデレラ物語のガラスの靴からきている。
途中何度か繰り返されるどんでん返しは、予想の範囲内で後の秀作群に比べてキレがない。後半は完全にホラー・サスペンスになってしまった。


No.3 7点 紙上殺人現場
事典・ガイド
(2010/02/28 14:30登録)
1960年代の国内新刊ミステリを辛口でメッタ斬り、EQMMに1967年1月まで毎月掲載されていたものを1987年になって文庫刊行された。著者は大井広介。
当時の国内ミステリ事情がかいまみれ、乱歩の「カー問答」の構成を踏襲した書評なので、やりとりも楽しい。とにかく大家であろうが流行作家であろうが、駄作については情け容赦なく斬り捨てている。及び腰なのは大乱歩に対してぐらいか。
横溝、清張も出来の悪いものはバッサリだから、新人の笹沢左保、佐野洋、結城昌治もかたなし。
鮎川哲也が一貫して好意的に扱われているのはちょっと意外だが。
掲載終了から出版まで20年を要したのは、ひょっとして某大家が亡くなるまで出せなかったのではと勘繰りたくなる。


No.2 6点 女は帯も謎もとく
小泉喜美子
(2010/02/28 12:26登録)
新橋芸者の”まり勇”を探偵役にした連作ミステリ。
ダイイングメッセージや意外な手掛かりを用いた本格ミステリ風のものから、ダール風の奇妙な味とか、リドルストーリーまで、多彩な作品が並んでいます。作者のいろいろな側面をみせてくれている作品集で、なかではブラックな味わいの「藤棚のある料理店の謎」が個人的ベスト。


No.1 6点 死にぞこない
飛鳥高
(2010/02/28 12:03登録)
浜辺の人間消失、衆人環視の見えない射殺犯という2つの不可能トリックを用いながらも、骨格は社会派ミステリ。
最後に判明する失踪した知人の過去の秘密は、時代を感じさせるもののやはり強く胸をうつ。
抒情的筆致は作者の持ち味で、やるせないエピローグが印象的でした。
『細い赤い糸』には及ばないものの、他の長編も読んでみたいと思わせる佳作だと思います。

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