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ミステリの祭典

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特捜検屍官

作家 島田一男
出版日1993年02月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 斎藤警部
(2016/07/15 12:10登録)
日本の夏、昭和の夏に島田一男だ。
よくある話かと思えばまさかの奇想押し、それも粋なヤツ。
間違い無い、昭和日本のチャンドラーは、もとい、マーロウは、シマイチだね(本当か?)。
中に一作「十津川さん」が登場したのは、ちょぃと萌えたね。もちろん、あの人では、ないんだよ。

検屍官の主人公が、母無しの愛娘を思う気持ちが、ほんのさり気ない言葉で触れられるのがいい。
ただ、検屍だとか鑑識とかならではの”とっかかりの妙”だとか独特の視点の斬れ味、ってのとは違う気がするんだよ、どれも普通の本格謎解き風で。けど、全く文句言う気がしない。抑えられチャうんだよねェシマイチ先生には。
まだ夏だ。もう二冊くらい行くか、島田一男。  

屍臭を追う男/虹の中の女/素足の悪魔/黒い爪痕/雨夜の悪霊/大凶の夜/決定符(きめて)
(青樹社文庫)

そいゃ中に一つねえ、有名推理クイズのネタそのものの消失トリックのがあるんだけど、まさかこの作がそのオリジナル、って事なのかいな??

No.1 6点 kanamori
(2010/03/01 18:33登録)
警視庁鑑識課の近江警部を主人公とする連作ミステリ。
タイトルから通俗捜査小説をイメージするが、密室殺人、凶器消失トリック、アリバイ崩し等不可能興味満載の本格ミステリである。なかでもバラバラ殺人の意外な結末「屍臭を追う男」が秀逸。
主人公の近江も魅力的だが、脇を固める小学生の娘・町子や解剖教室の千葉教授とのやりとりなど非常に楽しい。
後の「科学捜査官」などの捜査官シリーズの先駆といえる作品。

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