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ミステリの祭典

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マツリカ・マハリタ
マツリカシリーズ

作家 相沢沙呼
出版日2013年08月
平均点5.29点
書評数7人

No.7 4点 ボナンザ
(2021/08/09 11:38登録)
徹底してラノベとして読むべきシリーズと理解した。
最後のオチが前作と大差ないやん。

No.6 6点
(2021/01/17 07:13登録)
 雑誌「野生時代」二〇一二年七月号~二〇一三年三月号に掲載された三本の短編+書き下ろし作品を収めた、マツリカシリーズ第二集。収録作は 落英インフェリア/心霊ディティクティブ/墜落インビジブル/おわかれソリチュード 。前集同様「マツリカ・マトリョシカ」の下準備として読了。二集目のこれだけ書評数が少ないのは、やはりSM描写の露骨な気持ち悪さからだろうか。
 ただし「~マジョルカ」の緩さに比べると密度はより高まっており、人間消失と二重かつ極小の密室を扱った一・二話などはミステリとしても中々。ワンランク落ちるが、同じく人間消失もの(こちらは〈ロッカーに身を隠した目撃者〉による変型タイプ)の第三話も悪くない。前作レギュラーの小西さんに加え高梨君や松本さん、三ノ輪部長にOGの櫻井さん他の写真部関係者に加え、三話から登場のクラスメイト・村木翔子など主人公を取り巻く人たちも徐々に揃い始め、マツリカに頼り切りだった柴犬もいくつか探偵役を務めるなど、そこそこ頼もしくなってきている。ただしその分変態度も飛躍的に上がっているので、嫌いな人は嫌いなままだろうが。とにかく色々な意味で、シリーズの濃さは増したと言える。
 今回出食わす謎は〈旧校舎の通路で消えてしまった入部希望の新入生〉〈鍵が掛かっていた部室の中でいつの間にか全感光していたカメラのフィルム〉〈(ロッカーの中から)ずっと見ていた筈なのに、これも消えてしまったリカコさん〉の三つ。いずれも状況限定型で、一集目のような曖昧さは無い。これにマツリカの失踪と、全編を貫く怪談『一年生のりかこさん』の真実が明かされる最終話が加わる。『松本まりか』⇔『松本梨香子』⇔『マツリカ』からの誤誘導は達者なもので、〈読者の飛びつきそうな答え〉を用意するイヤらしさはちょっと『medium ~』を思い起こさせる。こういった所は、著者が趣味とする手品から来るものであろう。
 採点は6.5点。第三作『~マトリョシカ』を控え、内容も結構充実してきた。柴犬が小西さんに手痛い一撃を食らうなど、真綿で包むような人間関係が大きく動いたのも好印象である。

No.5 6点 sophia
(2020/10/06 23:53登録)
全編通してのテーマであり、最後に明らかになる「一年生のりかこさん」の怪談および松本梨香子の正体の切れ味がどうもよくありません。情報を錯綜させすぎたせいでしょうか、年表でも作らないと事のあらましが掴みにくいかもしれません。初めの2話の時点では前作を超えたかと思いましたが、結局同じくらいの評価になりました。

No.4 3点 Kingscorss
(2020/08/12 23:42登録)
シリーズ3作目が面白いときいて1作目から続けて読んでます。

前作以上のSM要素とソフト官能小説ばりの気持ち悪いエロ描写。短編4つのうち、最後の4つ目に行くまで、こういうラノベの童貞エロ妄想が好きな人以外は、もう苦痛でしかありません。

もう少し下…そう、そこ。そこに…入るわ…きついからゆっくりするのよ…もう少し奥よ… ほら… ふふ、入ったわ。 あ、そこ… もう少し優しくして…

とか、男の方も、もう出ちゃう!出ちゃうーーーー!みたいなセックスを連想させる文面がとにかく気持ち悪い。

ただ、最後の終わり方はうまくまとめているかと思います。

それにしてもこの主人公の柴犬がキショすぎてまったく感情移入できません。好きあらばマツリカのスカートの中を覗こうとするし、作者の性癖でしょうが、太ももばかり描写が出てきてとにかくしつこいです。

自分みたいなこういうラノベの童貞エロ要素が嫌いな人には点数が辛く、許容できる人、もしくは大好きな人ならもっと点数が高くなると思います。

No.3 6点 レッドキング
(2020/07/05 19:41登録)
廃墟ビルに一人暮らす謎の美女:マツリカシリーズ第二弾。ヒロインの非現実度=メルヘン度はさらに高まり・・高まり過ぎて、逆に、前作でワトスン役少年を包んでいた不思議なオーラの方はすっかり溶けてしまい・・不思議事象解明のミステリ度は前作より高いにしても・・小説としては、うーん劣化かな・・と思わせておいて、最終編で見事なメルヘンに盛り上げ(不覚にも感動した)、さらにそれを長編ミステリへと収束させた。見事。

No.2 6点 makomako
(2020/05/15 21:00登録)
 このシリーズは現在3作出ています。本屋で3冊とも買ったので1作目があまり好みではなかったが2冊目も読みました。ゴールデンウイークがコロナでどこも出かけられなかったので読書するしかなかった。
 最初はあーどうしようもないなあといった感じ。
 こんなうっとうしい男には全くイライラさせられます。マゾとエロしかないではないか。暇でなかったら絶対読むのをやめていた。読んで損した、と思っていましたが、マツリカさんのぞが解明されていくにしたがって興味しんしんとなり、最後は一気読みとなりました。
 初めのところは評価3ぐらいでしたが最終的にはこんな評価となりました。

No.1 6点 メルカトル
(2018/06/04 22:15登録)
『マツリカ・マジョルカ』に続くマツリカ・シリーズ第二弾。
三作目の『マツリカ・マトリョシカ』を先に読んでいたため、今更ながらああそうだったのか、と納得がいくシーンもいくつかありました。特に好感度の高かった松本さんの秘密が明かされていたのは、ちょっぴり得した気分です。さらに写真部の三ノ輪部長が最終話に大きく関わって来て、こちらもややショッキングな事実を目の当たりにすることに。
まあとにかく、主人公の柴山君がぼっちだと勝手に思い込んでいて、卑屈な心根が暗くて、どうにもうじうじしてしまうところが何とももどかしいんです。写真部のメンバーを中心に、彼のことを好意的に思っているのに気付かない情けなさ。この辺りが本作の面目躍如たるところでしょうか。

ミステリとしては一見不可思議な謎をいとも簡単にマツリカさんが解き明かしていく、相変わらずのスタイルです。叙述トリックを含め、脆弱さは否定できませんが、青春ミステリ+日常の謎としての出来はまずまずだと思います。

第一作で披露された変態性はさらにエスカレートし、柴山君の様々なフェチを感じさせており、こちらにも注目が集まるのは致し方ないのであります。
女子高生よりちょっと大人で、妖しさ満載のマツリカさんの秘密はそう簡単には暴露されないのでした。そして気になるのは柴山君のお姉さんの謎。これらが披瀝されるのは、おそらくシリーズ最終作となるのではないでしょうか。

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