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ミステリの祭典

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複製症候群

作家 西澤保彦
出版日1997年07月
平均点5.44点
書評数9人

No.9 3点 E-BANKER
(2016/10/27 22:15登録)
1997年発表のノンシリーズ長編。
作者得意の“SF的超特殊設定”ミステリーに当たる(?)作品。

~兄へのコンプレックス。大学受験。恋愛・・・。進学校に通う下石貴樹にとって人生の最大の問題とはそういうことだった。突如、空から降りてきた七色に輝く光の幕が人生を一変させるまでは・・・。触れた者を複製してしまう七色の幕に密閉された空間で起こる連続殺人。極限状態で少年たちが経験する身も凍る悪夢とは?~

『何だこりゃ!』、『What is This?』
そういう感想しか出てこなかった読後・・・

これまでも「七回死んだ男」や「人格転移の殺人」、「瞬間移動死体」など、常識ではありえない超特殊設定を駆使した作者の作品に触れてきたけど、本作はそれを超える問題作。
・・・っていうか、これ面白いか?
定められたルールに則って人間が複製されてしまう設定。確かにそれがうまい具合というか、妙な方向に進んでいくプロットは作者一流の手腕だろう。
でも結局最後まで何がプロットの肝なのかはっきりしなかったし、これまでの諸作品では見られた、終章の「なるほど感」がまったくなかったような気がする。
ラストも同じく『何じゃこりゃ?』
このオチはないのではないか?
SFとしてもミステリーとしても読者を満足させる水準にはないように思える。

などと、どうしても辛口評価するほかない作品だった。
なんか、無理矢理特殊設定を想像しました、っていうことなのかと邪推したくなる。
残念ながら「読む価値なし」という評価しかできない。

No.8 6点 E
(2010/05/29 17:19登録)
お気楽SFものかと思いきや、後半に従ってジェットコースター並み連続殺人。結構重かったですね。

No.7 5点 ElderMizuho
(2008/12/13 13:37登録)
SFとしてはまあまあ面白かったが、この設定だったらどんな結論にでも落ち着けそう。
というかここまでくると誰が何したとか大して意味を感じない・・

No.6 4点 spam-musubi
(2008/06/02 09:16登録)
突然のスプラッタについていけず。

主人公の葛藤はわからなくもないが、
オリジナルがやったことの動機がどうにも弱い気がする。
文中でも「普段の精神状態ならやらないだろうが」みたいな
エクスキューズが入っていたが、要は動機としてはそれだけ
弱いっていうこと。
結局コピーしか残らないし、どうも感情移入しづらかった。

No.5 6点 なの
(2005/06/24 01:53登録)
読み易いのはいいんですが、あまりにもライト過ぎ。
もっとドロドロした展開を予想していただけに拍子抜けです。
しかし、この後どうなるんでしょ?
結局誰も死んでないけど、殺人は起こってる・・・事件になるの?

No.4 5点 テツロー
(2003/11/03 23:04登録)
 主人公達の青春群像というものや、キャラクター達の推理談義のあたりは、おもしろいかなと思ったんですが、全体的にはあまり後味が良くない感じです。
 ラストの方の、登場人物全員が次々と殺人を犯していくあたりが、どうにも精神的に追いつけなかったですね。さっき青春群像と書きましたけど、やってることが自分勝手過ぎるというのが、どうにも。結果、評価としては、僕にはこの程度でした。

No.3 8点 KANNO
(2002/04/14 22:47登録)
好きです。本気で考えさせられました。色々ね。ミステリーとしてだけじゃなく楽しめる、と私は思います。

No.2 5点 やすし
(2001/08/19 10:08登録)
あまり頭を使わないで読めるので、少し物足りない気もするが、作品の発想自体は面白味あふれるものである。
他のストローの実情の記述も欲しかったし、主人公たちが囲まれた地域にあれだけの少人数しかいなかったことも頷けない話ではある。

No.1 7点
(2001/04/22 23:12登録)
とても読みやすいのでダーッと読めます。
前半は爆笑。
後半の殺戮シーンも西澤氏が書けばギャグです(笑)

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