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ミステリの祭典

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ウロボロスの偽書
ウロボロスシリーズ

作家 竹本健治
出版日1991年08月
平均点6.33点
書評数12人

No.12 8点 風桜青紫
(2016/07/17 15:24登録)
夢中になって読んでしまった。楽屋裏的な空気、芸者シリーズのバカミス、殺人鬼のチープなエログロ、そして現実と虚構が入り交じる妖しい雰囲気。全体を通してみれば到底推理小説とは言えないようなへんてこなものなのに、推理小説らしい面白さで満ちあふれている。あるあるネタを逆手にとっただけのせこい作品がアンチミステリと騒がれるご時世だが、本作はそれらとは一線を画す、実にアンチミステリらしい作品である。

No.11 5点 ボナンザ
(2014/04/08 00:48登録)
はこに比べると空回り感は否めない。
妙にエロを押し出したのはそれを隠すため?

No.10 7点 メルカトル
(2013/04/11 22:25登録)
再読です。
綾辻行人、島田荘司、新保博久、友成純一ら、著名人が続々登場する実名小説。
だが、そこはそれ、竹本健治のこと、ただの実名小説に終わるはずがない。
作家やら評論家が出演するパートと、いつの間にか本作の中に紛れ込んで殺人鬼が執筆するパート、それにバカミスで脱力するようなトリックが炸裂するトリック芸者のパートが入り乱れて、それこそ収拾のつかないカオス状態に読者を引き込んでいく。
で、最後は何ら余韻を残さず、いきなりブチッと強制終了の形となり、数々の謎を残しつつ幕を閉じる。
敢えて言えば、あとがきがその余韻の代わりの役割を果たしているのかもしれない。が、どちらにしてもスッキリとした結末は到底望めない。
それは途中に挿入されている「読者への忠告状」でも明らかにされているので、それほど落胆することはないだろう。
しかし、この作品は読者を選ぶと言うか、好き嫌いがはっきり分かれるタイプの超ミステリだと思う。
ミステリ作家のお遊びに付き合えるか、と非難するのか、その遊び心と竹本氏にしか書けない超異色作を褒め讃えるのか、二者択一を読者に迫る。大袈裟だが、そんな感じのいかにも混沌としたミステリと呼ぶのもはばかられるようなミステリである。
いずれにしても、後味すっきりの爽やかな小説を読みたい人は避けるべき作品だ。

No.9 3点 TON2
(2012/12/17 16:03登録)
講談社NOVELS
 どこが現実か虚構かわからないメタミステリー。
 島荘や綾辻が実名で登場し、その性格や風貌などが語られますが、それ以外に面白さというものは理解できませんでした。
 事件の舞台が和光市・朝霞市・新座市といった土地勘のあるところなので、この部分だけ興味を持ちました。

No.8 3点 キトウY
(2011/04/12 21:49登録)
途中までは楽しめて読める部分もあったのに
読者への忠告状で引きました。
まあ、まともに終わるとは思わなかったんですが、この終わり方ははないでしょう
正直あとがきは蛇足ですね
読者への忠告状と同じで言い訳するくらいなら書くべきじゃないです
ノベルスの背表紙には「匣の中の失楽」と並び賞される傑作とありますが
匣~もこのレベルなのでしょうか?
正直違うと思いたいです

No.7 9点 文生
(2010/01/20 17:37登録)
現実と虚構が混沌となるメタミステリー。
こういう趣向の作品は大好きです。
またメインキャラクターとして作者と新本格ミステリーの作家たちが登場するのも興味深い。
ただ今となってはちょっと古臭いのが実名小説の難しいところ。
本格ミステリとみせかけて全然本格として成立していませんが、そこを除けばミステリー好きにとって実に楽しい作品です。
作中作のバカミステリー、芸者シリーズも最高!

No.6 6点 vivi
(2007/11/12 23:59登録)
すっきり爽やか!という作品ではありませんね(^^;
どちらかと言うと、こういうメタなのは苦手です。

作者の意図は、小説(虚構)と実作者の記述(真実)は区別できるのか?の証明かな。
だから実名登場人物はこの作品では必然なのですね。
で。こんなに混沌となると、読者には到底見分けがつきません。
竹本の記述部の存在が胡乱になってくるのですね。
虚構(頭)が真実(尾)を食ったと思ってたら、それはやっぱり虚構(頭)だった。
なのでウロボロスなのでしょうけど・・・

そんな難しいこと、わざわざ考えなくてもいいじゃん(笑)

No.5 9点 ぷねうま
(2007/09/22 12:15登録)
忠告は親切すぎる。合わない人にはしょうがないので怒ってもらうしかないのでは。
どうせ、謎の解決なんて求めていないんだから、ラストはもっとアッサリ終わらせて欲しかった。

No.4 4点 如月雪也
(2005/06/05 06:47登録)
この手の作風が嫌いなだけ。あと、内輪ウケっぽい部分もあるし、笑えるような笑えないような微妙な作品。

No.3 8点 テツロー
(2003/01/28 01:25登録)
 無理矢理解決を付けるなら、酉つ九が全てたくらんだ、ということになるのだろうか? 解決を付けようと考える方が野暮かな?と思わなくもないけど。ただやはりラストが……もう一つすっきりさせて欲しかったな、と思う。
 全体としては、ややこしくて面白かった。トリック芸者シリーズの方の小ネタも、いいかげんなネタながら、「そこはそれ」、結構楽しめた。
 殺人鬼の章は、「殺戮にいたる病」を連想してしまったが。
 あと、下世話な話ながら、玉櫛と猪口奴のレズシーンにも、殺人鬼の章並の濃厚な描写をして欲しかった。

No.2 9点 一千花
(2002/09/17 13:51登録)
小説家が登場人物として振り回される作品
芸者屋<志ら子屋>の女の子たちの会話が小気味良くて
可愛らしいです  
読者への忠告状にもあるようにカタルシスは求めて
いなかったけれど なかなか読み応えがありました
ラストは少し往生際がわるいような気がしますが...
そして作者周辺の人間関係が心配になった

No.1 5点 由良小三郎
(2001/12/28 13:30登録)
比較的ハードな読者を対象にした雑誌の連載小説だった事から、いきあたりばったりに展開を広げてしまって、つじつまあわせが大変だろうとおもいながら読んだのですが、やはり、うまく収束しなかったと思いました。
その辺が逆に読みどころでしょうか。

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