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ミステリの祭典

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モダンタイムス

作家 伊坂幸太郎
出版日2008年10月
平均点6.11点
書評数9人

No.9 5点 ROM大臣
(2023/10/18 15:55登録)
時は二十一世紀半ば。システムエンジニアである主人公は、特定のキーワードで検索をかけた者たちが、何者かに監視され襲撃されている事実を知り、解明に乗り出した結果、追いつ追われつの大活劇に巻き込まれる。
ついに黒幕と思しきカリスマ的人物に迫ったところで謎は明かされる。それは国家がらみの陰謀なのだが、そこで展開される国家論が本作の読みどころの一つだ。
本作は「魔王」の続編である。カリスマを熱狂的に求める社会の空気を描いた「魔王」では、支配されたがる一般の人々と、強権で支配するカリスマとの、共犯関係に焦点が当てられた。ところが本作では、カリスマもそれを支配する民も、国家というシステムの部品にすぎない。この変化が個人の持つ特権を自ら国家に委ねてしまった結果、現れたものと映った。
だが、クライマックスでは一度は無力感に打ちのめされそうになった主人公たちが、無駄に終わることを覚悟で陰謀に反撃を加える。足掻くという意思こそが、個人を守る鍵なのだと伝わってくる。

No.8 6点 ayulifeman
(2015/02/10 20:21登録)
モーニングの連載で読んでいて、しばらくたっての再読です。
初めて毎週連載という形で小説を読んだのでとても印象に残っています。
この時こんな挿絵だったよなぁって結構覚えているものですね。
最期「あれ?」と思ったら真相が変わっていたんですね。
魔王からの流れであれば以前の真相でよかったような気も・・・。
でもやはり楽しい読書でした。

No.7 6点 ボンボン
(2012/10/16 18:13登録)
いいこと言うなあ、勉強になる。青臭い、説教臭い、と言ってしまってはもったいない。全体の構成が、なんとなく、井上ひさしの「吉里吉里人」を思い出させる。

No.6 10点 NAP
(2012/02/13 22:14登録)
おもしろかった。魔王の人たちがここで出てくるなんて思ってもいなかったので。。

No.5 5点 ムラ
(2011/12/24 17:36登録)
格キャラのセリフがどれも素晴らしいし、展開も好みで読んでいて飽きないのがいい。
ただ、失速ってほどではないが下巻で謎を解いてしまった後の展開がちょっと落ち着いてしまったような気がする。
秘密を守るためにそこまでするのか?という疑問が浮かんでしまった。
作者の言いたい事なんて三割しかわからない、とあるので「この作者が言いたい事はこれだ!」なんて口が裂けても言えないが、とにかくこの本を読んで「ネット社会は容量用法を守って使わないと」という平凡的な感想を抱いた。
魔王の続編らしいのでそっちも見てみようと思う。

No.4 5点 haruka
(2011/10/31 22:32登録)
連載小説ということもあり、やや冗長な感は否めないが、個性的なキャラ達が徐々に謎の核心に迫っていく過程がスリリングで、最後まで楽しく読めた。巨大な力を前に自分の無力さを感じつつも無駄な抵抗を繰り返すのは、伊坂作品の主人公に共通するパターンだが、今回は特にその傾向が顕著で、いつしか主人公たちを応援している自分がいた。「魔王」を読んで、もやもやしていた部分がすっきりしたのも良かった。

No.3 6点 VOLKS
(2010/09/14 13:18登録)
内容をすっかり忘れてしまったので、ちょっとぶりに再読。
読み始めてすぐに「あぁ、痛い話だったっけ」と思い出す。
伊坂節は好きだけど、長編のわりにはなんだかあまりインパクトがなくまとまらない感じ。
ラストは少しホッとしたけれど。
映像化するならば、異様に強い妻はシエンナ・ギロリーでお願いしたい(外人かよっ・・・)

No.2 5点
(2010/01/22 11:16登録)
せりふはクールだし、読みやすいのですが。
謎が収束していくという醍醐味があまり感じられませんでした。
読む順番を間違えたせいかも、「魔王」の続編らしいです。

No.1 7点 だい様
(2009/10/16 09:20登録)
根本的なテーマは魔王&ゴールデンスランバーと共通している物を感じました。
前半の伊坂作品らしからぬ謎解き部が非常に興味深かったです。
『考えてもどうしようもないことにエネルギーを費やすくらいなら、やるべきことをやったほうがいい』
この言葉には心に響くものがありました。

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