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ミステリの祭典

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砂漠の薔薇

作家 飛鳥部勝則
出版日2000年11月
平均点6.00点
書評数7人

No.7 6点 虫暮部
(2022/02/01 13:45登録)
 この人は “作風” が強烈過ぎて、作品同士の差別化を無効化しちゃうところがある。だから、自らの作風に対抗出来るだけの核が一作ごとに欲しいところ。
 さて本作、或る種の空虚さはなかなか上手く表されていると思う。ダミーのトリックもナイス。しかし全体としては、作風にやや流され気味。

No.6 7点 レッドキング
(2018/07/12 14:42登録)
生首切断のフー・ホワイダニットを主題に、暗黒女高生ラノベのような展開が続いて、少しうんざりした頃に、終盤での怒涛の三段落ち ・・作中では「第八の解決」となるが・・面白い。

※2024/2/21 追記。このネタ「窮極の切断Why」かと。

No.5 6点 メルカトル
(2014/04/17 22:37登録)
再読です。
これは面白い。登場する人物が皆ネジが一本緩んでいるか、足らないか、それぞれ特異な性格をしているため、なかなか一筋縄では行かない変態的ミステリとなっている。
最初の事件は、二人の体型や顔立ちが似た少女が、一方は首なし死体となって発見され、片方は失踪するという、まるで横溝ワールドのような筋書きである。勿論、アプローチは横溝とは大きくかけ離れたものになっているが、骨組みは意外としっかりとしたミステリと言えそうである。しかしながら、妻が一瞬のうちに消えたり現れたりするなどの経験をする、精神病院に入院歴のある男の挿話が盛り込まれたり、或いは異端的な絵画の薀蓄が語られる等、独自の世界観を表出させる異色の作品でもある。
ラストの二転三転する展開は、個人的に好ましく読ませてもらった。ただ、最初の事件の頭部切断の理由が私にはいま一つ理解できなかったのが気になると言えなくもない。いや、理解できないというより、納得がいかないのであろうか。そんな理由で?って感じでね。だが、違和感を覚えた個所がほとんどが伏線となっている点や、紆余曲折するストーリーも、全体の雰囲気も決して悪くない。なかなかの作品だと思う。

No.4 5点 蟷螂の斧
(2014/01/14 21:28登録)
言動が一筋縄ではいかない登場人物ばかりです。会話がかみ合わないのは、変人奇人ばかりなのかと思わせられますが、ラスト(伏線の回収)でその意味が分かります。まともな人物は一人であったと・・・。この点は評価できます。しかし、首切りの動機が最大のテーマだと思いますが、その点はあまり評価できませんでした。多重解決や、古典的どんでん返しもあります。

No.3 6点 いけお
(2009/02/03 22:29登録)
単純そうなトリックに、無駄なく上手くアレンジがきいている。
雰囲気も好み。

No.2 5点 shinano
(2007/05/27 17:10登録)
それなりに楽しめるんだけど毎度のことながら
人物描写が弱いからインパクトがない

No.1 7点 ギザじゅう
(2004/08/25 14:56登録)
傑作変態ミステリ。
この変態というのがなかなか曲者で、多くの伏線が張ってあるにもかかわらず、見事に騙されてしまう。思わず安吾の傑作『不連続殺人事件』を思い出してしまったものだ。
氏の作家的飛躍を示す作品(なのだろう)

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