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ミステリの祭典

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そして誰かがいなくなる

作家 下村敦史
出版日2024年02月
平均点7.33点
書評数3人

No.3 7点 まさむね
(2024/08/18 23:03登録)
 ド直球の本格設定の中での終盤の展開。いいですねぇ。好きですよ。餌が分かり易いだけに、色々想定しながら読んだのですがねぇ…。複数の工夫にも感心。よく練られた作品だと思います。もっと多くの方に読まれていいかも。

No.2 7点 HORNET
(2024/05/06 21:36登録)
 大雪の日、大人気作家の御津島磨朱李が細部までこだわった新邸のお披露目会が行われた。招かれたのは新人作家、編集者、文芸評論家と探偵。和やかな会合となると思いきや、顔合わせの席で御津島が「今夜、あるベストセラー作家の盗作を暴露する」と言い、不穏な空気に。そして直後に、御津島が忽然と姿を消し―

 と、設定的にも雰囲気的にも、手垢のついたような定番の物語展開。とはいえ本格好きは何度でも定番を楽しめるのだから問題なし。ましてや今や気鋭の作家・下村敦史が仕掛ける物語なのだから、一筋縄のわけがない・・・との期待に応え、今回も他に類を見ないぐらいの仕掛けを施してくれた。
 なんといっても本作の舞台は、実在する下村氏の自宅らしい。巻頭に示されている間取り図も本当で、ある意味著者の本格愛を確かめられた嬉しさもあった。
 「覆面作家」である御津島との初対面…という時点で、前半に怪しまれる偽者説はミステリファンなら同様に思い至るところ。最終的にはそれよりさらに一歩進めた「盲点」をついてきたわけだが、こちらも割と早めに思い至ってはいた。
 物語的なご都合主義を感じないわけではないが、入れ代わり立ち代わり、招待客それぞれの視点から描かれながら進んでいく展開に「真に怪しいのは誰なんだ?」と疑心暗鬼を掻き立てられながら読み進めてしまったのは事実。結果として「かなり楽しめた」。

No.1 8点 silver cloud
(2024/02/23 14:48登録)
自宅自慢の本じゃないか!と思いながら読んだ(笑)。あれこれと謎は増えるけど、地味すぎるのではと思いきや、後半にだんだんひねりが効いてくる。かなりよく練られた話だな。やはり家を建てる際から構想していたのだろうか?

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