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ミステリの祭典

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奇岩館の殺人

作家 高野結史
出版日2024年02月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 7点 虫暮部
(2024/10/31 12:41登録)
 この設定いいなあ。更に、アイデアだけで慢心せず細心の注意を払って(視点によって事態の捉え方が変わる、とか)具現化した手付きが好印象。ドタバタ喜劇的な状況の見せ方も抑制が効いていて上手い。小園間さん頑張れと念じつつ読了。全体的に軽めなのも、このミス大賞シリーズだから問題無いだろう。

No.3 7点 人並由真
(2024/08/15 09:36登録)
(ネタバレなし)
 面白かった。素直なフーダニットのパズラーじゃ全然ないんだけど、誰が……の興味を織り込みながら、舞台劇のような、いささかイカれてやや悪趣味なサスペンスミステリを展開していく。

 いちばん近い作風で言うなら、1950年代のポケミスの中にありそうな、ひねった趣向で勝負の技巧派系。トマス・スターリングとかパット・マガーとかあっちの傾向か。

 作者はセンス的に、ミステリが「わかってる」人だと思う。
 次作に期待。既刊作もそのうち、読んでみよう。

No.2 7点 文生
(2024/07/01 20:24登録)
犯人役が被害者役として雇われたバイトを殺害して、富裕層のゲストに探偵役を楽しんでもらうリアルミステリーゲーム。
そのカラクリに気が付いた主人公がなんとか殺されるのを回避しようとし、また、運営側もアクシデント続出のイベントを完遂すべく場当たり的な対応に追われるという悪戦苦闘ぶりが楽しい。一方で、本格ミステリとしては最後にちょっとしたどんでん返しはあるものの、そこまで凝った仕掛けがあるわけではありません。しかし、ブラックユーモアを散りばめたクローズドサークルミステリーのパロディとしては十分に面白い作品でした。

No.1 3点 makomako
(2024/06/27 20:25登録)
本格推理小説はトリックが話の重要な役割となることは間違いないのですが、トリックだけを突き詰めた形にすると無機質で殺人をお遊びとしてしか認めないところへいってしまう。
私は本格ものが好きですが、こういった突き詰めた形のお話はどうしても拒否反応が出てしまいます。
人をものとしてしか扱わず、それを楽しんでいる姿勢が嫌なのです。
本格ものの傑作はトリックにバラバラ殺人など残酷なお話もありますが、殺人事件そのものを登場人物が楽しんでみているというものではない。
この小説は古典的な本格ものを根底にしてひねった形を示してはいるのですが。こういった傾向のお話は好きになれませんでした。

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