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ミステリの祭典

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11文字の檻

作家 青崎有吾
出版日2022年12月
平均点6.14点
書評数7人

No.7 7点 sophia
(2024/04/24 23:25登録)
寄せ集めの短編(掌編)集で「恋澤姉妹」と「11文字の檻」以外に読む価値を見出せませんが、その素晴らしい2作に免じて7点を付けます。「11文字の檻」で繰り広げられる「ゲーム」は「地雷グリコ」と通底しているように感じます。こういうのが向いている作家さんかもしれませんね。

No.6 8点 虫暮部
(2024/04/07 11:53登録)
 “ロジカルな本格ミステリ” にこだわる必要無いじゃない。どれが面白いと作品名を挙げる必要が無い程どれも面白い。ちょっとびっくりした。この人、実はノン・シリーズの方が得意なのでは。プレッシャーに弱い?
 硝子屋敷で二階に上がると困るだろうに、被害者の “ドレス” とは?

No.5 6点 測量ボ-イ
(2024/02/18 10:44登録)
氏の短編を初めて読みましたが、あまりにも短くて
内容が?の作品もありました。
ベストはなんだかんだで表題作の⑦ですが、他だと
②あたりが良かったです。
②はいわゆる密室もので、どうしても解決が「ああ、
なんだ!」になりがちですが、こういうネタ、嫌い
じゃないです。

No.4 5点 mozart
(2024/02/04 14:20登録)
非ミステリー作品や「超短編」ミステリーとかが含まれているのでまっとうな感想は難しいのですが少なくとも表題作は短編(中編?)ではあるものの主人公が試行錯誤しながら正解/脱出に至るロジックがしっかりしていて読み応えがありました。

(ややネタバレ)
ただ最後の統括管理責任者の疑問に対して縋田の回答だけではちょっと弱いような。檻の中ではみな極限状態だったろうし。小説のラストを思いっきり引っ張っておいて続きはここを出てから、とでもしたのだろうか。

No.3 6点 まさむね
(2023/06/16 20:18登録)
 短編・掌編集。デビュー10周年記念作品集ということで、各編の趣向は様々。個人的な評価は作品によって大きく異なります。
①加速してゆく:アンソロジー「平成ストライク」にて既読。JR福知山線脱線事故を題材としていることは承知していたが、そうか、そういった結論だったか。
②噤ケ森の硝子屋敷:新本格30周年記念アンソロジー「謎の館へようこそ 白」にて既読。この結末なら記憶に残っていてもいいはずなのに…。
③前髪は空を向いている:漫画作品を読んでいないので、何が何やらよく分からない。
④your name:「超短編!大どんでん返し」にて読んだはずであることを、著者による各話解説で知ったくらい、記憶になかった。
⑤飽くまで:これは好きなタイプの掌編。
⑥クレープまでは終わらせない:イラストレーターとのコラボ作品だそうで、巨大ロボの清掃バイトをする女の子のお話。うーむ。
⑦恋澤姉妹:非ミステリ。作者の作品で、こういった乾いた雰囲気の作品を読むのは初めてかも。
⑧11文字の檻:本短編集中のベスト。

No.2 7点 文生
(2023/03/02 21:15登録)
収録されている作品のジャンルがバラバラ過ぎて激しく読者を選ぶ作品十ですが、そのなかでミステリーファンにお勧めなのが表題作。
思想犯で捕まった囚人たちが自由を得るためのチャンスとして与えられる11文字のパスワード当て問題。これをいかにして正答するかというロジックが意外性に富んでいて楽しい。文句なしの傑作です。

「加速してゆく」は国内最悪の列車事故、JR福知山線脱線事故を背景にしたミステリーで、謎解きよりも生々しい事故の描写が印象的

「噤ヶ森の硝子屋敷」は密室ものだが、トリックは大したことない。一種のバカミスとしては楽しめた

「恋澤姉妹」は百合小説の傑作

「前髪は空を向いている」はアニメ化もされた漫画『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 』のパスティーシュなのですが、これだけ読んでも意味不明でしょう。通常の短編集には収録しない方がよかったと思う

「your name」「飽くまで」「クレープまでは終わらせない」については割愛

以上、表題作9点、「恋澤姉妹」8点、「前髪は空を向いている」採点不能、その他5~6点でトータル7点といったところ

No.1 4点 makomako
(2023/03/01 22:54登録)
 本作品集は推理小説風のものもあるが、私には理解できにくいお話がかなりありました。
 後ろに作品の背景があるのでそれを読むとああこんなことかと思うものもありましたが、読んでいる間はほとんど意味不明なものもあります。
 たぶん私の感覚が古いのでしょうが、全然知らない{わたもて」を種に書いたものなどはちんぷんかんぷんでした。
 青崎氏は平成のエラリークイーンなどと言われるほど精緻な推理が魅力だと思っていますが、短編となると精緻な推理力を発揮するスペースがないので、魅力的な推理が発揮されませんでした。推理小説風なのだがとんでもないトリックだけの作品もあり、残念ながら全くの期待外れでした。

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