捕虜収容所の死 |
---|
作家 | マイケル・ギルバート |
---|---|
出版日 | 2003年05月 |
平均点 | 6.25点 |
書評数 | 8人 |
No.8 | 6点 | いいちこ | |
(2023/11/30 14:59登録) プロットの独創性や、真相解明プロセスの緻密さは買うのだが、登場人物があまりにも多い点、舞台設定の説明がわかりにくい点、脱走場面におけるサスペンスの演出が今一つである点に難を感じた。 水準には達しているものの、世評ほどの大傑作であるとは感じられず、6点の最下層 |
No.7 | 7点 | レッドキング | |
(2020/04/18 10:22登録) 第二次大戦イタリア軍捕虜収容所。脱走計画の地下トンネルを掘り進める連合国軍捕虜達の前に、突然、殺されて間もない死体が現れる。死体が地下トンネル先端に存在することは、状況的に不可能なはず・・・。大脱走を巡る虚々実々サスペンスと、「この死体どこから」の不可能トリックミステリが併存する設定が素晴らしい。 |
No.6 | 5点 | nukkam | |
(2019/04/26 22:30登録) (ネタバレなしです) マイケル・ギルバートは第二次世界大戦で捕虜となってイタリアの収容所に投獄されたそうですが、その経験を活かしたと思われるのが初期代表作として評価されている1952年発表の本書です。創元推理文庫版の巻末解説で森英俊が「スリラーと本格ミステリの要素が渾然一体となった、奇蹟のような作品」と大絶賛していますが、確かに1943年のイタリア捕虜収容所を舞台にしてイギリス人捕虜たちの脱走計画と囚人の怪死事件の謎解きを両軸にした複雑なプロットはユニークで、読み応えもたっぷりです。しかしながら登場人物リストに載っているだけでも35人の人数はさすがに多過ぎで、例えばあるイタリア人大尉の冷酷非道ぶりが十分描けていないのは残念です。舞台描写もわかりにくくて不可能犯罪(準密室状態らしい)の謎の魅力が伝わりにくく、肝心の脱走場面のサスペンスもいまひとつに感じました。殺人犯探し、スパイ探し、脱走の成否など様々な課題が入り乱れ、珍しい手掛かりによる推理など光る部分もあるのですが私のような単純思考の読者には面白さよりも混乱の方が勝ってしまいました。 |
No.5 | 6点 | ボナンザ | |
(2014/04/09 15:03登録) 舞台が特殊だが、その分楽しみも多い。 本格と戦争物をうまく混ぜた名作。 ラストは結構意外。 |
No.4 | 7点 | あい | |
(2013/11/17 20:38登録) メインストーリーの脱出劇は緊迫感のある面白いものだった。ミステリとしてフーダニット2つは何かすごいわけではないが、終わり方も含め良く考えられている作品。 |
No.3 | 5点 | mini | |
(2012/07/09 09:52登録) * 1912年生まれ、つまり今年が生誕100周年にあたる作家は意外と多い 今年の私的読書テーマ、”生誕100周年作家を漁る”、第4弾マイケル・ギルバートの3冊目 それまで長らく忘れられてたマイケル・ギルバートだったが2003年に「スモールボーン氏は不在」とこの「捕虜収容所の死」が相次いで翻訳刊行されたのには驚いた、しかも「捕虜」はその年の”このミス”で2位だったもんなぁ 「スモールボーン氏」の方がランク外だったのは票割れも有るだろうが、版元がそれまでミステリー出版ではややマイナーだった小学館で、しかも文庫じゃなくて四六版ソフトカバーという中途半端な版型だったのも理由かも しかし内容的に「捕虜」の舞台設定の特殊性が評論家筋に受けたのであろう事は想像出来る 何たって捕虜収容所だもんな、その特殊性ゆえに面白いデータが有って、それは作中に女性が殆ど登場しない事 そりゃさ登場人物が3~4人とかだとそういう作品も在るかも知れんが、「捕虜」の登場人物は結構多いんだよな、この人数で女性が事実上ゼロなんて滅多に無いと思うよ 事件の影に女あり、なんてのはこの作品には当て嵌まらないのだ 例の森事典でも森英俊氏がすごく絶賛してたんだよな、創元が手を出したのもその辺の事情かもね しかし私は森氏が絶賛するほど面白くはなかったなぁ、たしかに舞台設定の特殊性が奇を衒っているんじゃなくて活かされてはいるんだけど、だから面白さに結び付いている程でもねえしって感じ 小学館贔屓なのもあるけど、やはり作者の代表作は「スモールボーン氏は不在」だと思うなぁ |
No.2 | 7点 | isurrender | |
(2010/06/12 13:09登録) 映画を見ているような面白さがありました 当時本当にあった組織なのかもしれませんが「脱走委員会」っていう名前は笑えました |
No.1 | 7点 | ロビン | |
(2008/12/04 12:52登録) 自分はこのへんの知識が皆無なのでよくわかりませんけれど、捕虜ってこんな生活を送っていたんだというのが発見。そのぶん、舞台設定が理解できなかった。「捕虜収容所とはこういうところ」という具体的な説明が欲しかったな。 っていうか登場人物が多すぎる。まあメインのストーリーに関わってくるのは限られてくるのだけど。 二重のフーダニット「犯人」と「スパイ」の正体は?というのが本書の要か。少量ながら、特に後者には唸らされた。 脱走シーンはさほど緊迫感をそそられなかったなあと。この展開ならばもっとエンタテインメント性が欲しい。 |