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ミステリの祭典

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料理長が多すぎる
ネロ・ウルフ

作家 レックス・スタウト
出版日1976年10月
平均点5.88点
書評数8人

No.8 6点 虫暮部
(2023/07/14 13:12登録)
 料理長が多すぎる!!

No.7 6点 クリスティ再読
(2019/08/12 13:11登録)
評者あまりネロ・ウルフは得意じゃない...これって一種のキャラ小説なんだと思う。ペリー・メイスンが苦手なのと同じようなものじゃないかな。アーチ―とウルフの掛け合って、考えてみればローレル&ハーディみたいなコンビのわけで、単純に楽しめばいいんだろう。気楽に読めばいいじゃないか。
で、ウルフの料理のウンチク全開の本作だ。お楽しみで来ているイベントだから、でなかなか事件に介入したがらないのが面白い。商売第一、なあたりが変にリアル。パズラーとしてはあまり手がかりがはっきりしないものだから、それを重視しすぎてもね、という印象。
しかしね、評者本作は一か所感動したんだよ。それは、料理長イベントの裏方である黒人スタッフを集めて、ウルフが重要な手がかりを得るシーンなんだけど、ウルフが黒人たちを完全に対等に扱い、黒人たちの知性と理解力をきっちり認めた上で協力を要請しているあたり。戦前のエンタメだと「黒人はいない」ような扱いを受けることが多いのだけども、このシーンはナイスにしてフェア。まあウルフって真相を解明して犯人を指摘した後でも、呼び捨てにしない傾向があって、そこらも「意識高い」良さがある。

No.6 7点 mini
(2016/11/03 10:27登録)
論創社から、スタンリー・ハイランド「緑の髪の娘」と、レックス・スタウト「アーチー・グッドウィン少佐編―ネロ・ウルフの事件簿」が刊行された
ハイランドはあの「国会議事堂の死体」のハイランドですよ、全部で3作しか知られていませんが2作目で、「国会議事堂」ほどの風変りな趣向は無いみたいだけど、例の森事典では好意的な評価だったな
スタウトのはここ続いている中編集、これ登録したい人にお願いしますが、ちゃんと「ネロ・ウルフの事件簿」まで題名中に織り込んで欲しいですね、もし題名分割して登録されたら私は即編集で修正するつもりです
これは出版社の意図からして中編集である事を明示する為に題名に組み込んでいるのは明らかだから、題名分割して当サイトの”シリーズ欄”に入れるのは出版社の意向に反します
”シリーズ欄”には『ネロ・ウルフ、中編集』とでもしておけばいいでしょう、”シリーズ欄”は当サイト独自の設定だけど、題名というのは一般的なものですから、ちゃんとAmazonでも題名に「ネロ・ウルフの事件簿」まで込みで登録されています

「ラバー・バンド」「赤い箱」など本は所持しているのだけれど未読の初期作もあるので確固たる事は言えませんが、既読のシリーズ前期作の中で私が2トップだと思うのが「シーザーの埋葬」とこの「料理長が多すぎる」である
ただし両作とも代表作とは思わない、代表作というのは出来は3~4番手でも構わないから、入門者が読んだ時にその作者の特徴が十分伝わるというのが条件なわけ
ところが上記の両作、いずれも珍しくウルフが外出するんですよ、しかも外出先で事件に巻き込まれるんだよね
ウルフ=自宅、助手アーチー=調査担当、というシリーズのお約束からすれば、両作は異色作なわけで、その作家での異色作は代表作に有らずという私の定義に反する
もちろん代表作とは呼べない最高傑作を別個に持つ作家は大量に居るので、この作もシリーズ中でも出来の良い方だと私は思う、真犯人の設定なども上手いもんだ、アンフェアだとは思わないな
私はミステリー小説において読者が推理可能かどうかなどは大して重要だとは思わない、日本の読者はそういう点を過分に重要視し過ぎていると思う
あとね各シェフの描き分けだけど、まぁ職業が同一なので仕方ないかなと(笑)
これが前作「腰抜け連盟」だと、各連盟メンバーの職業は雑多なのに誰が誰だかよく分からないというのがすごく気になったんだけど

ただ翻訳が良くないねこれ、当サイトでガーネットさんも指摘されておられたけど、やはりアーチーは『ぼく』ですよね

No.5 6点 nukkam
(2016/10/01 01:26登録)
(ネタバレなしです) ネロ・ウルフの最大の関心事が蘭と食事であることは有名ですが1938年発表のシリーズ第5作である本書はそんな彼にふさわしい事件が扱われています。15人の世界的に有名な料理長を集めた晩餐会に招待されたとあって外出嫌いのウルフが外出するのですから。ウルフがソースの味見テストの結果から犯人を割り出そうとする中盤の推理はとても印象的で、そこからのどんでん返しも見事です。あびびびさんやあいさんがご講評で述べられているように犯人当てとして読者に対してフェアに謎解き伏線が与えられているかは微妙な気がしますけど真相は細部に至るまでよく考えられており本格派推理小説らしさは十分あると思います。ところで原書では料理レシピが付いていたらしいですが、謎解きと直接関係はないとはいえ残念なことにハヤカワ文庫版ではそのレシピが削除されてしまっています。

No.4 4点 HORNET
(2014/05/06 13:15登録)
 話は面白かった。真犯人も、出所があまりフェアな感じはしないが、まぁ意外な犯人という線ではよくできていると思う。しかし、最後のネロの采配が気に入らない。よって読後感がいまひとつ。
 ただ、ああいうスタンスをとること自体がネロのキャラクターともいえることはわかるのだが。
 海外の高級料理になどまったく縁がないので、料理の話はちんぷんかんぷんだったが、なんだがすごそうで面白さはある。芦原すなおの「ミミズクとオリーブ」シリーズでも似たようなことを感じた。美食家探偵、面白い設定だ。

No.3 5点 あびびび
(2013/11/11 11:55登録)
巨漢、グルメ探偵のネロ・ウルフが、15人の世界的名シェフの催しごとの主賓として招待される。その中のひとりがソースの味ききテストとして、他のシェフを一人、一人部屋の中に入れ、①から⑨までのソースに欠けている味を見抜いてもらうゲームの最中にナイフで刺され、殺されてしまう。

最初は題名通り料理長が多すぎ、しかもファーストネームで呼んだりするので、誰が誰やら分からず頭の中を整理するのになんども登場人物の欄を見たりしたが、それが分かってくると事件の全貌もつかめてきて、結構楽しめた。

ある程度伏線はあったが、しかしこの犯人にたどり着くには少々難しいのでは…と思った。

No.2 6点 E-BANKER
(2012/10/27 21:04登録)
1938年発表。ネロ・ウルフシリーズの長編作品。
美食家ネロ・ウルフらしい舞台設定が特徴。

~世界各地から選出された15人の名誉あるシェフたちは、保養地のカノーワ・スパーに次々と姿を見せ始めていた。そして晩餐会が催されるまさに前日、ソースの味ききに興じていたシェフの1人が刺殺された。この集いに主催として招かれていた。蘭と麦酒を愛し、美食家を自認するネロ・ウルフは誇り高き名料理長たちを前に重い腰を上げたが・・・。全編に贅を凝らした料理が散りばめられた華やかな作品~

「まずまず」という読後感。
名料理人たちの間の葛藤や争いを読者に対する「エサ」としてちらつかせ、「実は・・・」というプロットは良く練られている。
その辺りは好印象。
ネロ・ウルフが疑惑を持つに至った真犯人の「齟齬」自体は初歩的なのだが、このポイントに気付くかどうかは読者の注意力と「勘所」次第だろう。

ただ、殺人事件が起こった舞台設定や、容疑者・関係者たちの動きなどが今ひとつ分かりにくいのが「難」。
これは訳のせいかもしれないが、そもそもあまり整理付けて書かれていないということもありそうだ。
その後のネロ・ウルフの捜査過程で一応は理解できるのだが、どうせなら事件発生時点でもう少し丁寧に説明すべきだと思う。

まぁ、フーダニットについては見どころはあるし、時代背景を勘案すればこの軽い筆致も賞賛すべきだろう。
ということで、この程度の評点に。
(名料理人がこれだけ登場する割には、料理自体の描写は少ないような気が・・・)

No.1 7点 あい
(2009/02/10 14:12登録)
意外性があって面白いが、読者側から読み取ることは不可能なのが少し残念だった

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