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ミステリの祭典

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悪魔が来りて笛を吹く
金田一耕助シリーズ

作家 横溝正史
出版日1956年01月
平均点7.16点
書評数32人

No.12 8点 だい様
(2009/10/09 09:17登録)
金田一耕助シリーズ

物語展開がテンポよく飽きることなく読めました。
「椿子爵の耐えられない程の屈辱」とは何なのか?また「悪魔が来りて笛を吹く」という楽曲の持つ意味とは?という謎が解明される場面が大変興味深かったです。

No.11 6点 ミステリー三昧
(2009/09/07 14:35登録)
<横溝正史自選集5>金田一耕助シリーズの代表作です。
復讐を誓った経緯(犯行の動機)が一番の読み所になります。「〇親〇〇」ですべてが語れる悲しい物語でした。物語としては『悪魔の手毬唄』『獄門島』『八つ墓村』などと肩を並べる名作なのかもしれないが、著しく「オドロオドロしさ」が欠如している点で少し作風が異なる。舞台が閉鎖された空間(人里離れた村)ではなく「館」であることが大きい。圧迫された環境でないが故に金田一耕助が非常に能動的に活動します。そして、途中「トラベルミステリー」を思わせるのんびりとした描写が続き「猟奇性」が極端に薄くなります。でも悪魔の紋章やフルートの音を小道具とした「戦慄的」な恐怖に怯える登場人物が印象的でした。
密室殺人は不必要なオマケで、その他「本格的要素」に対して褒めるべき点がありません。
この作品並びに『悪魔の手毬唄』『獄門島』『八つ墓村』は映像を観た方が楽しめるかも・・・

No.10 7点 江守森江
(2009/08/21 15:50登録)
初期古谷一行版のドラマ(沖雅也出演)を先に観た。
その後に原作を読んだので構図がスッキリ理解し易く、更にローカル局の再放送を観てこの作品をすっかり堪能した。
横溝作品に於いて、作中曲「悪魔が来たりて笛を吹く」の秘密は「獄門島」の有名なセリフに匹敵すると思っている。
その秘密が明かされるラストシーンは金田一シリーズ一番のインパクトだった。

No.9 9点 E
(2009/03/20 11:26登録)
これは前にTVで放映されたのを何気なく見てしまっていた為、半分辺りから犯人が判ってしまっていた。(推理してわかった訳ではなく)だから残念だった。
当時は自分がこの作品を読むことは無いだろうと油断していたのだった。(書籍を読むといったら漫画ばかり・・;)
それでも楽しめたのは横溝氏の文才が成せる業であろう。

No.8 7点 spam-musubi
(2009/02/23 15:02登録)
Who done itは途中で終わり、Why done itも提示しておきながら
実はもう一段深いWhyが待ち構えていた。

あの謎解きは、小説(文章)としては反則といえば反則だろう(映像ならまだしも・・・)が、
大胆かつ個性的な謎解きにはついつい点数が甘くなってしまう(例:斜め屋敷の犯罪)


一瞬拍子抜けした分、衝撃が大きかったのはいいけれど、
あまりにインモラルな分、後味はあんまり良くないですね。

No.7 10点 シュウ
(2008/09/23 23:41登録)
個人的に悪魔の手毬唄と並んで横溝ベストです。冒頭にもある通り、かなり暗く陰惨な事件なのですが、それほどグロい場面はありません。
そして魅力的な登場人物が多いです。変人が多い椿家の中ではヒロインの美禰子がけなげです。謎解き後には強いところも見せてくれます。
出川刑事もいい味出てます。多分この作品しか登場してないと思うのですが、等々力警部の部下としてこれ以降も出てきて欲しかったな。
金田一がこの出川刑事と神戸の旅館のおかみさんらを相手に情報収集したりくつろいでる場面が楽しそうでこの作品で一番好きです。
犯人も悪魔と言われるだけあって恐ろしげなんだけど、謎が解けてみるととてもせつないのがさすが横溝作品というところです。

No.6 8点 sasami
(2008/07/05 20:48登録)
横溝作品のマイベスト
作中曲『悪魔が来りて笛を吹く』に隠された秘密がよかったです。
自分は気づかなかったのですが、「あーなんで気づかなかったんだろう」
って感じです。絶妙だったと思います。

No.5 8点 おしょわ
(2008/05/05 22:37登録)
これも横溝氏らしい作品です。
文庫本のとがった耳の男爵(子爵?)の顔が印象的でした。
音楽もキーになるので、小説よりも映画向の作品ですね。

No.4 7点 白い風
(2008/03/04 22:08登録)
映像のあるドラマの方が楽しめそう。
皆さんが書かれているラストの演奏の魅力や悪魔の紋章も文章ではちょっと伝わり難かった気がします。
でも、陰惨な雰囲気は横溝正史らしく私は好きです。

No.3 8点 マニア
(2008/02/09 09:04登録)
まず、ミステリ以前に読み物とし出色の作品。物語全編を通じて、金田一耕助が感じるどす黒い悪意が嫌というほど伝わってくる。どこか狂気めいた登場人物たちも魅力的で物語世界に読み手を引き込んでくれる。
そして、厭というほどドロドロとした人間の内面を思い知らせれる解決編!『悪魔が来りて笛を吹く』という曲の真相が明らかになるラストの戦慄!一気に読める!

天銀堂事件の真相はちょっと拍子抜けしちゃったかも・・・。
それでもやっぱり傑作。

No.2 7点 vivi
(2008/01/31 02:08登録)
ドロドロとした人間関係の極みに起こった悲劇。
密室殺人、死んだはずの人間の復活・・・
そこに帝銀事件をモデルにした事件まで絡ませて、物語は進みます。

悲しい事件の解決のとき、
犯人が『悪魔が来りて笛を吹く』を演奏するシーンは、
ぞくぞくすると共に、しんみりとしました。

No.1 9点 VOLKS
(2008/01/30 22:08登録)
2つの事件を絡ませることによって犯人は登場人物達の目を上手く誘導、そして犯人は見事にその本懐を遂げる。
悲しい宿命を背負ってしまった犯人だけに、せめて殺めたい人を全て殺めたうえでの覚悟の自殺で良かったのかもしれない・・・と、つい犯人に同情。
調べてみると、沖雅也が三島役を演じている作品(毎日放送・1977年6月から7月・全5回放送)が、DVD化されているらしい。是非、観てみたい。

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